読書の秋を間近に楽天リサーチ「読書に関するインターネット調査」結果を見る
まもなく読書の秋のシーズンに入りますが、楽天リサーチから先週8月29日に「読書に関するインターネット調査」結果が公表されています。ハッキリいって、大した結果ではないんですが、一応、簡単に図表を含めて取り上げておきたいと思います。まず、楽天リサーチのサイトから調査結果概要を3点引用すると以下の通りです。
調査結果概要
- スキマ時間に読む書籍ジャンルは「小説」がトップ
- 通勤・通学時、男性は「新聞」、女性は「小説」を読む傾向
- 20代の6割以上は「スマートフォン」、60代の5割以上は「パソコン」で電子書籍を利用
まず、「読書に関するインターネット調査」と銘打ちながら、実は、スキマ時間の読書にほぼ限定されており、スキマ時間の読書ではない本格的な読書については対象外とされているような印象を私は受けています。「スキマ時間」は4点例示されており、第1に通勤・通学、第2に待ち合わせ、第3に病院などのサービスの待ち時間、第4に就寝前となっています。たとえば、私がエコノミストの仕事をしている時、典型的には大学の教員をしていた時などに講義や研究などの必要に応じて、業務の必要上、調べもので本や雑誌を読むのは対象外なのだという気がします。念のため。
まず、先にあげた4つのカテゴリーのスキマ時間それぞれにどういった書籍ジャンルを読むかの結果が上の表の通りとなっています。実は右端の「何も読まない」が圧倒的なマジョリティなんですが、それでは元も子もないので、10%超のセルを色づけしてあるようです。表の引用はしませんが、通勤・通学、サービスの待ち時間、就寝前の3カテゴリーについてはさらに詳細な結果が示されており、通勤・通学時には男女を通じて小説が10%超なんですが、男性では小説に加えて新聞も11.6%を占めています。また、サービスの待ち時間では、特に、雑誌(ファッション誌)を読むと回答した女性が26.0%に達しています。美容院などに置いてあるのかもしれません。最後に、就寝前のスキマ読書では20代と30代にマンガ(コミック)が高い支持を集めています。
上の表は性別年齢別に電子書籍を読む端末装置についての結果です。これもスキマ時間の読書に限りますが、まさに、スキマ読書に電子書籍は向いているのかもしれません。ということで、電子書籍を読む端末装置はスマートフォンが支持されています。男女間では大きな差はないんですが、大雑把に年齢層が低くなるほどスマートフォンのシェアが高くなっています。もっとも、これは電子書籍に限らず、若い世代の方がガラケーよりもスマートフォンの所有割合が高いからなんではないかと私は受け止めています。回答者数も少ないですし、それほど統計的に有意な差は大きくないと思います。続いて、パソコンとタブレットがほぼ肩を並べていますが、私は少なくとも電子書籍に関してはタブレットが多いんではないかと想像していただけに少し意外でした。専用端末のシェアが低い点に関しては想像通りだったんですが、このアンケートの調査主体である楽天リサーチの親会社には意外、というか、残念だったかもしれません。
最後に、表は引用しませんが、電子書籍サービスに関する質問と回答もあり、「利用したことがある/利用している」では楽天Koboが10.8%でトップ、続いてアマゾンKindleが6.6%なんですが、「今後利用したい」では逆転して、アマゾンKindleが12.4%、楽天Koboが11.8%となります。この結果はこの調査の親会社にどのように受け止められているんでしょうか?
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