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2014年10月21日 (火)

産労総合研究所「2014年 決定初任給調査」に見る今年の初任給やいかに?

先週金曜日の10月17日に産労総合研究所から「2014年 決定初任給調査」と題するリポートが発表されています。読んで字のごとくでそのままなんですが、今年の新入社員の初任給の調査結果を取りまとめています。大学卒(一律)で月額204,148円、昨年より+506円、+0.25%の増加となっています。まず、産労総合研究所のサイトから調査結果のポイントのうち、初任給の引上げ状況を引用すると以下の通りです。

初任給の引き上げ状況
  • 2014年4月入社者の初任給を「引き上げた」企業は27.2% (昨年調査10.7%)、「据え置いた」企業は69.4% (同85.3%)、「その他等」3.0% (同3.5%)、「無回答」0.4% (同0.4%)
  • 初任給を引き上げた理由は、「在籍者のベースアッブがあったため」(51.6%)、「人材を確保するため」(45.3%)、「初任給の据置が長く続いていたため」(9.4%)。

どうでもいいことながら、産労総合研究所のサイトにもいくつか図表があり、コチラは10月17日付けの公表となっている一方で、印刷用にpdfファイルの全文リポートもアップしてあって、コチラは10月3日付けになっています。よく分からないんですが、私が発見したのは先週末だったりします。今夜のエントリーでは、同じモノながら、この両方から1枚ずつ図表を引用して簡単に紹介しておきたいと思います。

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まず、産労総合研究所のサイトから「図表1 初任給の引き上げ状況」と「図表2 引き上げ理由」を合体させると上の通りです。最初に引用した「調査結果のポイント」のうち、「初任給の引き上げ状況」そのもので、単にグラフ化しているだけなんですが、昨年との比較も入っていたりします。初任給の引上げはリーマン・ショック直後の2009年から5年連続で据置きの比率がほぼ85%だったんですが、今年はやや下がりました。もっとも、下がったといっても70%近い企業は据置きのままで、据置きがマジョリティであることに変わりありませんし、引上げ理由についても「在籍者のベースアッブ」に合わせた形となっているような気がします。ただ、初任給引上げに関して学歴の幅が広がっているのは歓迎すべきだという気がします。また逆から見て、初任給の引上げを見送ってマジョリティの据置きとした理由には、「現在の水準でも十分採用できるため」(56.4%)、「在籍者のベースアッブがなかったため」(30.7%)などが上げられています。

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次に、pdfファイルの全文リポートから学歴別の初任給額の水準の表を引用すると上の通りです。まだまだ初任給を引き上げた企業の割合も大きくないですし、引き上げたとしても上の表に見る通り、わずかな額の引上げであり、消費増税に伴う物価上昇には遠く及びません。他方、引用はしませんが、企業規模別も含めた詳細な初任給額の表を見ると、例えば、いわゆる総合職と呼ばれる大卒・基幹職の初任給上昇率では1,000人以上の大企業の+0.39%と300-999人の中堅企業の+0.36%がほぼ同等なのに対して、299人以下の中小企業が+1.16%と高い上昇率を示しています。高卒・基幹職でも中小企業の引上げ率が大企業を上回っており、規模の小さい企業における人手不足が反映されている可能性が高いと受け止めています。

徐々に労働市場はひっ迫して来ており、失業率が下がって賃金が上昇するというフィリップス曲線上を左上にシフトする方向にあると私は考えているんですが、まだまだ地域や産業や職種や学歴などによってはフィリップス曲線の右下で動きにくいセクターがあるのも事実かもしれません。マクロ経済の安定化とともに、きめの細かいマイクロな政策が必要とされる段階に達しつつあるようです。

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