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2014年10月10日 (金)

消費者態度指数は9月も低下を示す!

本日、内閣府から9月の消費者態度指数が発表されています。先月よりも▲1.3ポイント低下して39.9となりました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

消費者態度指数、9月は1.3ポイント低下の39.9 2カ月連続判断下げ
内閣府が10日発表した9月の消費動向調査によると、消費者心理を示す一般世帯の消費者態度指数(季節調整値)は39.9と、前月比1.3ポイント低下した。悪化は2カ月連続。内閣府は基調判断を「持ち直しのテンポが緩やかになっている」から、「足踏みがみられる」に下方修正した。判断の引き下げは2カ月連続。
指数を構成する意識指標のうち、「暮らし向き」「収入の増え方」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」の4項目がいずれも前月比マイナスとなった。内閣府は「生鮮食品など生活関連物資で値上げの動きがあった」と指摘している。
1年後の物価見通しについては「上昇する」と答えた割合(原数値)は前月比0.9ポイント増の87.0%と、3カ月連続で増加した。
調査は全国8400世帯が対象。調査基準日は9月15日で、有効回答数は5577世帯(回答率66.4%)だった。

いつもながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。次に、新旧の系列の消費者態度指数のグラフは以下の通りです。いつもの通り、影をつけた部分は景気後退期を示しています。ピンクで示したやや薄い折れ線は訪問調査で実施され、最近時点のより濃い赤の折れ線は郵送調査で実施されています。

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消費者態度指数は需要サイドを代表する消費者マインドの指標なんですが、2か月連続で低下を記録し、統計作成官庁である内閣府はこれまた2か月連続で基調判断を下方修正しています。すなわち、7月は「持ち直している」だったのが、8月は「持ち直しのテンポが緩やかになっている」とし、とうとう9月には「足踏みがみられる」になりました。上のグラフからもうかがわれる通り、消費者マインドは急降下しています。9月調査の短観がまずまず底堅い動きを見せ、景気を表すハードデータと比較しても、ソフトデータの企業マインドはそれほどの落ち込みを見せなかったんですが、同じソフトデータながら消費者マインドは大きく落ちました。ひょっとしたら、特に根拠ない私の直感ですが、この差も為替動向に起因しているのかもしれません。でも、円安も万能ではないのは言うまでもなく、今日なんぞは東証の日経平均株価も下げていますから、ジワジワとエコノミストの間でもR-wordが出始めています。もちろん、差別発言ではなくて景気状況を指す方のR-wordです。すなわち、国際通貨基金 (IMF) の「世界経済見通し」 World Economic Outlook (WEO)Figure 1.12. Recession and Deflation Risks では日本よりもユーロ圏欧州の方が景気後退確率が高いんですが、ひょっとしたら、日本はすでに今年2014年1月をピークに景気後退期に入っているのかもしれない、という見方がささやかれ始めているのも事実です。

現在の景気回復・拡大局面では企業部門よりも家計部門の方が一貫して強気だっただけに、家計部門のマインドが低下するのはとても気がかりです。でも、昨日のエントリーで機械受注を取り上げた際に見込んだように、来年の年明けから設備投資が本格的に増加し始めるのであれば、景気の牽引役が家計から企業にバトンタッチできる可能性はあります。でも、とても不確かだったりします。

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