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2014年10月29日 (水)

鉱工業生産指数は下げ止まりから増産に転じるか?

本日、経済産業省から9月の鉱工業生産指数(IIP)が発表されています。ヘッドラインとなる生産指数は季節調整済みの系列で前月から+2.7%の増産となり、出荷も+4.3%の増加を記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

9月の鉱工業生産2.7%上昇、2カ月ぶり上昇 7-9月は2四半期連続低下
経済産業省が29日発表した9月の鉱工業生産指数(2010年=100、季節調節済み)速報値は前月比で2.7%上昇の97.8だった。上昇は2カ月ぶり。QUICKが28日時点で集計した民間予測の中央値(2.2%上昇)を上回った。自動車を含む輸送機械のほか、電子部品・デバイス、情報通信機械など幅広い業種で生産が持ち直した。
経産省は生産の基調判断を「弱含みで推移している」から「一進一退にある」に上方修正した。判断の引き上げは昨年9月以来となる。
業種別でみると、15業種のうち13業種と幅広い業種で生産指数が改善した。輸送機械は前月比4.7%上昇と4カ月ぶりに前月を上回ったほか、パソコンやスマートフォンを含む情報通信機械は12.4%上昇と8カ月ぶりに上昇に転じた。電子部品・デバイスは5.8%上昇と3カ月連続で上昇した。
出荷指数は4.3%上昇の97.9と2カ月ぶりに前月比で改善した。出荷が上向いたことで在庫指数は5カ月ぶりに低下し、0.8%低下の111.7だった。在庫率指数は5.7%低下し111.7だった。
製造工業生産予調査によると、先行きは10月が前月比0.1%低下を見込む。9月の生産が上向いたことで、10月は電子部品・デバイスや輸送機械が一巡するためだ。11月は1.0%上昇を見込んでいる。
併せて発表した7-9月の鉱工業生産指数は前期比1.9%低下し、96.7と2四半期連続で低下した。経産省では「自動車を含む輸送機械工業のマイナス寄与度が相当大きかった」と説明している。

長いながら、網羅的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、鉱工業生産と出荷のグラフは以下の通りです。上のパネルは2010年=100となる鉱工業生産指数そのもの、下は輸送機械を除く資本財出荷と耐久消費財出荷です。いずれも季節調整済みの系列であり、影を付けた部分は景気後退期です。

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前月の統計発表時の製造工業生産予測調査における前月比+6.0%増というのは少し過大だという気はしましたが、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスが+2.2%増でしたので、これを上回りました。引用した記事にもある通り、統計作成官庁である経済産業省では基調判断を「弱含み」から「一進一退」に上方修正しています。上のグラフで見ても分かる通り、生産も出荷も今年2014年1月を直近のピークに緩やかな下落基調にあったところ、9月は一転して上昇しました。製造工業生産予測調査では10月▲0.1%のわずかな減産の後、11月は+1.0%の増産を見込んでいます。まさに基調判断通りの「一進一退」だという気はしますが、それはともかく、季節調整済みの系列の四半期データでならして前期比を見ると、4-6月期は消費増税のショックで▲3.8%、7-9月期も引き続き▲1.9%の減産の後、単純に10-11月の製造工業予測調査を基にすれば10-12月期は+1.6%の増産が見込まれます。特に、はん用・生産用・業務用機械、輸送機械、電気機械の主力3業種が9月の実績で伸びているのに加え、11月のはん用・生産用・業務用機械と10月の輸送機械を除いて、10月以降もまずまず増産が見込まれています。ただし、どうしても製造工業予測調査には過大評価のバイアスが存在するように見えますので、それなりに慎重な見方は必要です。慎重な見方は必要ですが、生産は下げ止まりないし反転増産の局面が近づいているように見えます。もちろん、生産をけん引する出荷の方も耐久消費財出荷が反転の兆しを見せており、昨日発表の商業販売統計と整合的な動きを理解しています。

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さらに、9月の統計が発表されて7-9月期の四半期データが利用可能になりましたので、いつもの在庫循環図を書いてみました。上の通りです。リーマン・ショック直前の2008年1-3月期に第1象限の45度線の少し上の緑色の矢印から始まった在庫循環は、2014年4-6月期に黄色の矢印に達しました。2013年10-12月期から2014年1-3月期まで3四半期連続で在庫の前年比マイナス、出荷の前年比プラスを記録し、出荷が順調に伸びて在庫を減らす第2象限の局面を経て、消費増税後の2014年4-6月期には第1象限に戻り、しかも、45度線を越えてしまい、さらに、7-9月期には第4象限に達してしまいました。内閣府のサイトにアップされている「鉱工業の在庫循環図と概念図」などのように極めて教科書的な理解でいえば、出荷・在庫ともに増加する意図した在庫積増し局面をすっ飛ばして、景気の山を越えて、4-6月期には意図せざる在庫積上がり局面に、さらに、7-9月期には在庫調整局面に入ったことになります。でも、生産が下げ止まりから増産に転じると、この在庫循環図も第1象限の45度線から上に戻る可能性も否定できません。

ということで、現実の日本経済は7-9月期までの在庫循環図で示されるほど単純ではありません。景気局面に関するさらなる情報については、取りあえず、来週11月6日発表の景気動向指数を待ちたいと思います。

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