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2014年10月14日 (火)

企業物価上昇率の鈍化が続く!

本日、日銀から9月の企業物価指数(PPI)が公表されています。消費税の影響を除けば+0.7%、消費税込みで+3.5%のそれぞれ上昇と依然としてプラスを維持しているものの、8-9月になって急激にプラス幅を縮小させています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

9月の企業物価指数、3.5%上昇 原油価格の下落で伸び率鈍化
日銀が14日発表した9月の国内企業物価指数(2010年平均=100、速報値)は106.3と、前年同月に比べて3.5%上昇した。上昇幅は8月より0.4ポイント縮小した。前月比では0.1%下がり、2カ月連続で低下した。原油の国際価格が下落し、ガソリン、軽油などの価格低下につながった。
消費税率引き上げの影響を除くと前年同月比0.7%の上昇で、3カ月連続で上昇幅を縮小した。伸び率が1%を下回るのは13年5月以来1年4カ月ぶり。足元の原油安に加え、前年に円安の影響で大幅な物価上昇があったことが大きな要因という。前月比では0.1%下がった。日銀は「上下両方向が綱引きをしている状況」(調査統計局)とし、今後の動きを注視していく構えだ。
企業物価指数は出荷や卸売りなど企業間で取引する製品の価格動向を示す。公表している全814品目のうち、前年同月で上昇したのは412品目、下落したのは328品目だった。上昇した品目が下落した品目を上回るのは13カ月連続。

いつもながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、企業物価上昇率のグラフは下の通りです。上のパネルは国内と輸出入別の前年同月比上昇率を、下のパネルは需要段階別の上昇率を、それぞれプロットしています。影をつけた部分は景気後退期を示しています。

photo

引用した記事にもある通り、基本的には、原油安、というか、昨年の反動で原油の国際価格が下落している影響が大きく、8月末からの為替の円安の影響がまだ出ていない、という印象です。ですから、国内物価のうち前月比でマイナス寄与の大きい品目は、ガソリンや軽油などの石油・石炭製品、電力・都市ガス・水道、また、キシレンやベンゼンなどの化学製品となっています。ただし、いうまでもなく、内需の動向が需給ギャップを通じて物価に影響していることは当然であり、消費増税に伴う反動減からの国内需要の戻りが遅い、あるいは、弱いという影響が企業物価にも表れている可能性を忘れるべきではありません。

消費税を除くベースの国内物価の前年同月比上昇率は、7月+1.5%上昇、8月+1.1%上昇から9月は+0.7%まで上昇幅が短期間に一気に縮小した上、何となくの心理的な目安であった+1.0%を割り込みました。物価に責任を持つ金融政策当局の日銀では、今月末の「展望リポート」の発表時ではないかもしれませんが、来年1月の中間見直し時にも、消費者物価の動向も見ながら、何らかの追加緩和の議論が始まる可能性があると私は受け止めています。

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