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2014年11月19日 (水)

今年の年末ボーナスの予想やいかに?

先週11月11日にみずほ総研が最後にリポートを発表して、いつものシンクタンク4社から年末ボーナス予想が出そろいました。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると以下の表の通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しましたが、公務員のボーナスは制度的な要因ですので、景気に敏感な民間ボーナスに関するものが中心です。より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、あるいは、ダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別タブでリポートが読めるかもしれません。なお、「公務員」区分について、みずほ総研以外は国家公務員となっています。なお、いつものお断りですが、みずほ総研の公務員ボーナスだけはなぜか全職員ベースなのに対して、ほかは組合員ベースの予想ですので、数字が大きく違っています。注意が必要です。

機関名民間企業
(伸び率)
公務員
(伸び率)
ヘッドライン
日本総研37.7万円
(+2.8%)
63.1万円
(+10.3%)
収益が改善するもとで人件費が抑制されてきたため、労働分配率は、既に過去に人件費が増加に転じた水準を下回るまで低下。さらに、人手不足感の強まりが賃金上昇圧力に。デフレ脱却に向けた政府による賃上げのムード作りもあり、2014年度入り後、賞与額のベースとなる所定内給与がプラス転化。このため、今冬賞与の伸びは、2014年度夏季並みとなる見込み。
第一生命経済研37.4万円
(+1.9%)
n.a.
(+20.4%)
前年比+1.9%という伸びは、冬のボーナスとしては2004年以来の高い伸びであり、ボーナス増が明確化している事実は変わらない。また、一人当たりのボーナス支給額増加に加え、雇用情勢の改善を受けてボーナスの支給対象労働者数も前年比+2.8%と高い伸びが見込まれる(2014年夏: +2.6%)。結果として、支給総額は前年比+4.7%と大幅に増加するだろう。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング37.7万円
(+2.8%)
66.6万円
(+16.5%)
2014年冬のボーナスの支給総額(= 一人あたり平均支給額×支給労働者数)は、一人あたり平均支給額と支給労働者数がともに増加するとみられることから、15.2 兆円(前年比+5.4%)と大きく増加する見込みである。
みずほ総研37.5万円
(+2.2%)
76.8万円
(+11.3%)
民間企業と公務員を合わせた冬のボーナスの支給総額は2年連続で増加し、前年比+5.5%と非常に高い伸びが見込まれる。冬のボーナスの増加は、物価上昇に伴う実質所得の減少などを背景に回復が遅れている個人消費を押し上げる原動力になると期待される。

ということで、今年のボーナスは夏季も年末もそれぞれに増加が見込まれています。しかしながら、企業収益から見てボーナスが渋いと見えるのは事実で、吉川教授の『デフレーション』の指摘のように、日本では賃金が上昇しない構造になってしまったのかと疑いたくもなりますが、おそらくは、まだまだデフレ期待が根強く残っているためと私は見ています。それから、公務員ボーナスの伸びが著しく高いのは、震災復興財源捻出の一環として、例えば、国家公務員賞与では9.77%もの削減が実施されていたのが、この特例措置が2014年3月に終了しているためです。いずれにせよ、民間ボーナスはわずかな伸び率とはいえ、消費税率の引上げに起因する物価上昇にほぼ匹敵しますし、さらに、支給対象者も拡大して、マクロの消費を活性化させる可能性が十分あると受け止めています。来月のボーナス支給を楽しみに待ちたいと思います。

photo

上のグラフは三菱UFJリサーチ&コンサルティングのリポートから 図表3. 冬のボーナス予測: 平均支給額(前年比)と支給月数 を引用しています。企業収益に比較したボーナスの伸び率が低いと書きましたが、時系列で見て最近ではかなり高い伸びだというのが実感されます。

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