今週のジャズは山中千尋「サムシン・ブルー」
我が国を代表する女性ジャズ・ピアニストの1人である山中千尋のアルバム「サムシン・ブルー」を聞きました。初回限定盤のCDとか、DVD付きとか、何と、アナログのLPまで、いくつかアルバムのバージョンがあるようですし、それに従ってジャケットが違うみたいなんですが、私が聞いたのは上のジャケットのアルバムです。このアルバムは、従来のピアノ・トリオの演奏ではなく、ホーンを加えたセクステットやクインテット編成に初挑戦するなど新境地に向かおうとする意気込みが感じられます。まず、曲目の構成は以下の通りです。山中千尋のオリジナル曲を中心に、ブルーノートで演じられてきたジャズのスタンダード曲を何曲かミックスしています。
- Somethin' Blue
- Orleans
- I Have a Dream
- Un Poco Loco
- Funiculi Funicula
- A Secret Code
- Pinhole Camera
- For Real
- On the Shore
- You're a Fool, Aren't You
- Go Go Go
アルバムのタイトルにもなっている「Somethin' Blue」は山中千尋のオリジナル曲なんですが、女性が結婚式で身につけると幸運をもたらすといわれる4つのアイテム、すなわち、something blue, something old, something new, something borrowed のひとつだと私は直感してしまいました。もしそうだとすれば、この先4部作のアルバムが出来上がるのかもしれません。もちろん、違うのかもしれません。山中千尋もビートルズやポピュラー・ソングを取り上げたり、このアルバムではホーンを入れたコンボを組んでみたりと、いろいろと試行錯誤しているようですが、誠に残念がら、私はそれほど評価していません。迷いなく前進を続ける上原ひろみとの差は歴然たるものになった気がします。今でも、山中千尋の最高傑作と私が考えているアルバムは、マイナーの澤野工房最後のアルバム「Madrigal」か、メジャ・デビューしたヴァーヴの最初のアルバム「Outside by the Swing」だと考えており、これらを凌ぐアルバムはまだ接していません。
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