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2014年11月12日 (水)

社会保障費用統計に見る我が国の高齢者優遇やいかに?

昨日11月11日、国立社会保障・人口問題研究所から2012年度の「社会保障費用統計」が発表されています。2012年度の「社会保障給付費」総額は108兆5,568億円と過去最高を記録し、対前年度増加額は1兆507億円、伸び率は+1.0%となっています。まず、いつもの日経新聞のサイトからこの統計を報じた記事を引用すると以下の通りです。

社会保障給付、最高の108.5兆円 12年度1%増
国立社会保障・人口問題研究所は11日、年金や医療、介護など社会保障の給付が2012年度は108兆5568億円になったと発表した。前の年度から1%増え、過去最高を更新した。高齢者の増加で給付が膨らみ続けており、給付の抑制が急務だ。
社会保障給付費は、社会保障にかかる費用のうち、税金や保険料でまかなった分を示し、自己負担は除く。国民1人当たりに直すと85万円で前年より1.2%増えた。年金が5割、医療が3割、介護などが2割を占める。
社会保障のために国などが集めた費用は127兆555億円と9.9%増えた。株高と円安で年金積立金の運用収益が大幅に増え、資産収入が15兆9968億円と4.4倍に増えたため。厚生年金保険料など社会保険料も61兆4156億円と2.2%増えた。

いつもの通り、とてもよく取りまとめられた記事だという気がします。特に最初のパラの最後のセンテンスの結論が重要ですのでハイライトしてあります。

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上のグラフは1990年度から直近2012年度までの社会支出の推移を政策分野別に積み上げ棒グラフでプロットしています。政策分野が「他の政策分野」まで含めれば9アイテムありますのでゴチャゴチャしていますが、最初の5アイテム、すなわち、「高齢」、「遺族」、「障害、業務、災害、傷病」、「保健」、「家族」を押さえておけばいいんではないかと考えています。中でも「高齢」区分が大きなシェアを占めているのが見て取れます。特に、2012年度の社会保障給付費のほぼ半分が年金に消えています。詳細な金額を記せば、108兆5,568億円のうちの53兆9,861億円ですから49.7%に上ります。グラフを見た直感で、小泉政権下の2001年度から2004年度くらいまでは社会支出がかなり抑制されていたんですが、2008年の総選挙で民主党政権が成立した直後の2009年度はかなり大きく伸びているようにも見えます。なお、極めてお役所的な些事ながら、「社会支出」はOECD基準、「社会保障給付費」はILO基準で、ビミョーに違っているんですが、このブログでは気にせず論を進めます。

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常々からのこのブログでの主張で、我が国の高齢者優遇による世代間不公平のひとつの統計として上のグラフをアップデートしておきます。社会保障支出の政策分野別のシェアなんですが、高齢者向けのグレーと家族向けの赤で示してあります。上のパネルは社会保障給付費の政策分野別をシェア示しており、下はGDP比です。主要先進国であるG5と北欧の高福祉国と目されているスウェーデンを取り上げてあります。従来からのこのブログの主張なんですが、こうして世界の先進国と並べて見ると、高齢化比率が高いとはいえ、我が国の高齢向けの社会保障給付費は突出しています。高齢者の優遇と世代間不公平がとても大きいというわけです。ですから、極めて大雑把な計算ながら、我が国の社会支出や社会保障給付費がほぼ100兆円、GDP比で20%くらいですから、せめて5兆円、GDP比で1%、出来れば、10兆円、GDP比で2%くらいを高齢向けから家族向けに振り替えると、GDP比という身の丈に合わせた基準でほぼスウェーデンと同じになります。現状の我が国社会保障給付費は北欧の高福祉国スウェーデンもびっくりの高齢者優遇になっている点を忘れるべきではありません。

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