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2014年12月 4日 (木)

7-9月期GDP統計2次QEの予測やいかに?

来週月曜日の12月8日に7-9月期GDP速報2次QEが内閣府より公表される予定となっています。4-6月期のマイナス成長に続いて、7-9月期も1次QEでは前期比年率▲1.6%と、連続でマイナス成長を記録し消費増税ショックの大きさが実感されましたが、今週月曜日の法人企業統計を受けて設備投資や在庫が1次QEから2次QEに向けて改定されますので、より正確な7-9月期の日本経済の姿が明らかにされると期待しています。衆議院の解散を受けた総選挙もにらんで大きな注目を集めているところ、必要な経済指標がほぼ発表され尽くして、シンクタンクや金融機関などから2次QE予想が出そろいました。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、web 上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインの欄は私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しています。可能な範囲で、先行きの10-12月期以降を重視して拾おうとしたんですが、実際に10-12月期以降に関するコメントを見かけたのは、ハイライトしてある通り、みずほ総研のリポートだけでした。ほかは2次QEですからアッサリしたリポートも少なくありませんでした。法人企業統計のついでに2次QEが触れられているリポートもあります。なお、より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、ダウンロード出来たりすると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別タブが開いてリポートが読めるかもしれません。

機関名実質GDP成長率
(前期比年率)
ヘッドライン
内閣府1次QE▲0.4%
(▲1.6%)
n.a.
日本総研▲0.3%
(▲1.0%)
設備投資の下方修正が見込まれるものの、在庫投資、公共投資が上方修正される見込み。
大和総研▲0.4%
(▲1.7%)
在庫投資のマイナス寄与が更に拡大することで、実質GDP成長率が押し下げられる公算である。
みずほ総研▲0.0%
(▲0.2%)
10-12月期の成長率は、年率+3%前後のプラス成長になると予測している。在庫投資のマイナス寄与がはく落するとともに、夏場の天候不順の影響が薄れる中で個人消費も高めの伸びになると予想される。また、10月末に決定された日銀の追加緩和は、消費者マインドの改善を通じて個人消費の回復を後押しすることが期待される。
ニッセイ基礎研▲0.1%
(▲0.3%)
1次速報の前期比▲0.4%(年率▲1.6%)から上方修正されると予測する。
第一生命経済研▲0.1%
(▲0.5%)
1次速報で前期比マイナスだった設備投資がプラスに上方修正されることは、先行きの景気を見る上でも好材料だろう。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券▲0.1%
(▲0.2%)
1次速報の前期比年率▲1.6%から同▲0.2%に上方修正されると予想する。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング▲0.3%
(▲1.2%)
2四半期連続でのマイナス成長の状況に変化はなく、消費税率引き上げ後、景気が弱含んだ状態が続いていたことを確認する結果となろう。
三菱総研▲0.2%
(▲0.7%)
前期比▲0.2%(年率▲0.7%)と、1次速報値(同▲0.4%(年率▲1.6%))から上方修正を予測する。

ということで、2次QEの成長率予想は、大和総研を除いて、軒並み1次QEから上方修正ということになっています。ほぼゼロ近傍ながら、プラス成長に転ずるという見方は私の接した範囲でありませんでした。私自身も、ゼロ近傍でマイナス成長ながら、プラス成長に転ずる可能性も排除できない、と見込んでいます。ですから、仕上がりの成長率ベースで見て、私の予想はみずほ総研、ニッセイ基礎研、三菱UFJモルガン・スタンレー証券などに近いと受け止めています。
そして、どうして上方改定されるのかというと、決して統計としての信頼性の問題ではなく、1次QE以降に発表された経済指標が日本経済の回復を示しているからであると考えるべきです。一昨日の毎月勤労統計を取り上げたエントリーでも書いた通り、鉱工業生産指数や毎月勤労統計の所定外労働時間指数などの景気に敏感な指標は、ほぼ今年2014年3月の消費増税直前をピークに、8月のトラフまで下り坂を示していた一方で、9月から10月にかけては回復を見せています。その意味で、7-9月期のGDP統計は早い段階で推計した1次QEは下振れ、9月いっぱいまでの指標を加えた2次QEは1次QEより上振れ、という結果になるんではないかと考えられます。従って、みずほ総研のコメント欄でハイライトしておいたように、足元の10-12月期は明らかにプラス成長であり、7-9月期よりもかなり高めの成長が見込めると私は予想しています。
最後に、下のグラフはみずほ総研のリポートから引用しています。ご参考まで。

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