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2014年12月29日 (月)

マクロミル「年末年始の過ごし方に関する調査」結果は低調な消費者マインドを反映!

いよいよ今年2014年も押し詰まって、残すところ今日を含めて3日となりました。私はすでに年末年始休みに入ったりしています。ということで、やや旧聞に属する話題かもしれませんが、ネット・リサーチ大手のマクロミルから「年末年始の過ごし方に関する調査」結果が12月17日に公表されています。とても低調な消費者マインドを反映していると私は受け止めています。まず、マクロミルのサイトから調査結果のトピックスを5点引用すると以下の通りです。

トピックス
  • 冬のボーナスあり43%、前年比7ポイント増。「支給額が増えた」28%で前年比8ポイント増。
  • 冬のボーナスの使い道、1位「預貯金」 2位「生活費の補てん」 3位「ローンの返済」。順位は前年から変化はないものの、"堅実な使い道"の割合は減少傾向。
  • 年末年始の9連休、外出は「外食」「デパート・ショッピングセンター」など近場に集中。「出費を伴う外出予定がない」52%、前年よりも5ポイント増。外出の合計予算は、平均39,218円。
  • 年末年始どう過ごす? 前年からの上昇率1位「年越しそば」、2位「紅白歌合戦」、3位「雑煮」。第65回NHK紅白歌合戦は、2人に1人が視聴予定。
  • お年玉をあげる57%、総額の平均は20,212円で前年より1,937円マイナス。

引用したポイントの最初にある通り、冬のボーナスはメディアで報じられているように、ボーナスありの割合が増加し、支給額増加のシェアも上がっています。しかし、第2のポイントにある通り、ボーナスの使途は預貯金、生活費の補てん、ローンの返済となっており、1年前と同じ堅実支出の並びとなっています。このあたりからも、低調な消費者マインドがうかがえます。

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さらに、上のグラフは年末年始9連休の出費を伴う外出予定の結果なんですが、昨年に比べて、外食、デパート・ショッピングセンター、国内旅行、宿泊を伴わない小旅行、遊園地、海外旅行が軒並み昨年から減少を示しており、逆に、出費を伴う外出予定はないが増加しています。しかも、グラフや表は引用しませんが、出費を伴う外出予定の合計予算は39,218円となっており、昨年の44,684円から、▲5,466円の減少を記録しています。すなわち、ボーナスがいいにもかかわらず、家計の財布のヒモはまったく緩んでいない、との結果が出ています。ただ、帰省だけは昨年の62.8%から今年は64.4%と少し増加しています。

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年末年始の行事について問うた結果が上のグラフの通りです。先の出費を伴う外出予定と異なり、大掃除、初詣、正月飾り、お年玉、年末年始のあいさつ回りなど、出費を伴わない、もしくは、少額の出費で済む年末年始行事に対して、家計は昨年よりも積極的な姿勢を示しているように見えます。もっとも、最初のトピックスにある通り、お年玉総額の平均は20,212円で前年より▲1,937円マイナスとなっています。また、ギャンブル性を持たせた買い物である福袋・初売に対しては消極的です。ここでも、先にグラフをお示しした出費を伴う外出予定の回答結果と同じような傾向が見られ、家計の財布のヒモは堅い一方で、出費を伴わない年末年始行事に対しては決して消極的ではない、と考えるべきであり、その意味で、家計のマインドは単純に低調なだけというわけでもなく、かつての「巣ごもり消費」にやや似た現象と見なすべきなのかもしれません。

総じて見て、このマクロミルのアンケート「年末年始の過ごし方に関する調査」結果は、消費者態度指数などの政府統計に示された消費者マインドの低迷と極めて整合的です。何度か主張した通り、私は第2段階目の消費増税に備えた家計防衛のための支出抑制と考えています。今日の記事は「経済評論の日記」に分類しておきます。

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