2次QE予想で実質成長率は1次QEからほぼ修正なしか?
来週月曜日の3月9日に昨年2014年10-12月期GDP速報2次QEが内閣府より公表される予定となっています。昨年2014年4月の消費税率引上げ後、4-6月期、7-9月期と2四半期連続のマイナス成長を記録した後、10-12月期の1次QEでは前期比年率で+2.2%のプラス成長が確認されたところです。そして、今週月曜日に発表された法人企業統計を受けて必要な経済指標がほぼ明らかにされ、シンクタンクや金融機関などから2次QE予想が出そろいました。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、web 上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインの欄は私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しています。可能な範囲で、先行きの今年1-3月期以降を重視して拾っています。もっとも、明示的に取り上げているのは、表の中では、みずほ総研と伊藤忠経済研だけでした。2次QEですから、アッサリした発表のリポートも少なくありません。なお、より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、ダウンロード出来たりすると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別タブが開いてリポートが読めるかもしれません。
機関名 | 実質GDP成長率 (前期比年率) | ヘッドライン |
内閣府1次QE | +0.6% (+2.2%) | n.a. |
日本総研 | +0.7% (+2.7%) | 成長率は前期比年率+2.7%(前期比+0.7%)と1次QE(前期比年率+2.2%、前期比+0.6%)から上方修正される見込み。 |
大和総研 | +0.4% (+1.8%) | 2014年10-12月期GDP 統計二次速報(3月9日公表)は、一次速報からわずかに下方修正されると予想する。 |
みずほ総研 | +0.6% (+2.5%) | 2015年1-3月期は、公的需要が停滞するものの、個人消費や設備投資、輸出などの民間部門を中心に回復が続くと予想している。 |
ニッセイ基礎研 | +0.5% (+2.2%) | 14年10-12月期GDP2次速報では、実質GDPが前期比0.5%(前期比年率2.2%)になると予測する。1次速報の前期比0.6%(年率2.2%)とほぼ変わらないだろう。 |
第一生命経済研 | +0.6% (+2.2%) | 設備投資が僅かに上方修正されるとみられるものの、在庫投資の下方修正がそれを打ち消すことで、GDP全体では1次速報から成長率は不変と予想する。 |
伊藤忠経済研 | +0.5% (+2.0%) | 今回の改訂により、2014年の日本経済が予想 を上回る消費増税の下押し圧力によって年末にかけて停滞してい たという見方は変わらない 。したがって、今後は在庫調整の終了や輸出および設備投資の拡大に個人消費の持ち直しが加わ り景気が回復に向かうという見通しを維持する。 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | +0.8% (+3.3%) | 実質GDP成長率が、1次速報の前期比年率2.2%から同3.3%に上方修正されると予想している。 |
三菱UFJリサーチ&コンサルティング | +0.6% (+2.6%) | 2014年10-12月期の実質GDP成長率(2次速報値)は、前期比では1次速報値の+0.6%と変わらないが、年率換算値では+2.2%から+2.6%に、若干上方修正される見込みである。 |
三菱総研 | +0.6% (+2.3%) | 2014年10-12月期の実質GDP成長率は、季調済前期比+0.6%(年率+2.3%)と、1次速報値(同 +0.6%(年率+2.2%))からほぼ変わらずと予測する。 |
多数決で決まる性質のものではありませんが、1次QEから2次QEに向けた改定方向で見て、上方修正が5機関、下方修正が3機関、変わらずが1機関となっています。私はほぼ修正なしと推測しており、上方修正か下方修正かはビミョーなところだろうと見ています。でも、GDPコンポーネントで見て、在庫が下方修正され、設備が上方修正されるのは確実です。
下の表は、ニッセイ基礎研のリポートから引用しています。私は公共投資は下方修正の可能性があると見ているんですが、全体の仕上がりとしてこんなもんではないかと受け止めています。
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