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2015年4月 9日 (木)

国際通貨基金「世界経済見通し」分析編を読む!

昨日のエントリーの最後で簡単に触れましたが、国際通貨基金(IMF)の「世界経済見通し」World Economic Outlook (WEO) の第3章と第4章のいわゆる分析編が公表されています。「世界経済見通し」の副題は Uneven Growth: Short- and Long-Term Factors なんですが、分析編の各章のタイトルは以下の通りです。

Chapter 3.
Where Are We Headed? Perspectives on Potential Output
Chapter 4.
Private Investment: What's the Holdup?

第3章は潜在成長率を取り上げています。昨年2014年12月22日付けのこのブログで、Eggertsson, Gauti B. and Neil R. Mehrotra (2014) "A Model of Secular Stagnation," NBER Working Paper No.20574, October 2014 を紹介しましたが、まさに、そのラインにある議論です。第4章では投資に着目しており、同様の問題意識ではないかと受け止めています。いずれにせよ、このブログのひとつの特徴は国際機関の経済に関するトピックを取り上げることでもあり、今夜のエントリーではグラフを引用しつつ簡単にこの「世界経済見通し」分析編を振り返っておきたいと思います。

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まず、上のグラフは第3章から、上半分が Figure 3.5. Determinants of Potential Output Growth in Advanced Economies を、下半分が Figure 3.6. Determinants of Potential Output Growth in Emerging Market Economies を、それぞれ引用しています。繰返しになりますが、上半分は先進国、下半分は新興国で、グラフの並びは同様です。今世紀に入ってから、先進国では潜在成長率は低下を続けており、新興国ではまだ潜在成長率は伸びているものの、いずれも人的資本の伸び率は低下を続けています。雇用=労働力と資本ストックの生産要素に着目すると、先進国では高齢化が一段落したものの、資本ストックの伸びはネットの純投資はほぼ横ばいとなっています。新興国では逆に資本ストックはまだ伸び率を高めるものの、高齢化の進展とともに労働力人口の伸びが低下します。潜在成長率は資本ストックと労働力の伸びと残差で決まる全要素生産性の和ですから、これらのコンポーネントが減速すれば潜在成長率の伸びも低下することになります。潜在成長率の低下により、財政の持続可能性などの政策課題にも影響が及びかねません。

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次に、上のグラフは第4章から Figure 4.7. Real Business Investment: Actual and Predicted Based on Economic Activity を引用しています。民間企業の投資は、我が国を始めとしてリーマン・ショック後の金融危機の際に大きく縮小して、その後、まだまだ本格的な回復に至っていません。この投資の低調さは経済活動の低調さと将来の不確実性の反映であり、産出拡大のための政策の必要性が強調されています。我が国の場合なら、アベノミクスの第3の矢に当たるのかもしれません。

「世界経済見通し」の見通し編第1章と第2章は分析編から少し遅れて公表される通例となっており、公表された折にはまた取り上げたいと予定しています。

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