景気動向指数は昨年4月の消費増税の反動のそのまた反動で大きなプラスを示す!
本日、内閣府から4月の景気動向指数が公表されています。ヘッドラインとなるCI一致指数は+1.9ポイント上昇して111.1を、CI先行指数も前月から+1.2ポイント上昇して107.2を、それぞれ記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。
4月の景気一致指数、1.9ポイント上昇
内閣府が5日発表した4月の景気動向指数(CI、2010年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が前月比1.9ポイント上昇の111.1だった。数カ月先の景気を示す先行指数は1.2ポイント上昇の107.2。
内閣府は、一致指数の動きから機械的に求める景気の基調判断を「改善を示している」に据え置いた。
CIは、指数を構成する経済指標の動きを統合して算出。月ごとの景気変動の大きさやテンポを示す。
いつもながら、簡潔によく取りまとめられた記事だという気がします。あまりに簡潔すぎて続報が出そうな気もしますが、現時点ではこれだけです。続いて、下のグラフは景気動向指数です。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた部分は景気後退期を示しています。

当月の統計だけで見ると、CI一致指数は3か月ぶりの上昇、CI先行指数は2か月連続の上昇です。3か月後方移動平均だと、CI一致指数は2か月連続の下降ですから、単月ではかなり大きな上昇ながら、まだまだ4月の景気は本格的な回復とは言いがたい印象があります。特に、CI一致指数の上昇への寄与を見ると、商業販売額(小売業)(前年同月比)と商業販売額(卸売業)(前年同月比)の寄与が合わせて+1ポイントを超えており、昨年の消費増税前後の駆込み需要と反動減のそのまた反動ですから、やや割り引いてみる必要がありそうな気がします。また、投資財出荷指数(除輸送機械)がプラス寄与の一方で、耐久消費財出荷指数がマイナス寄与ですから、企業部門から家計部門にトリクルダウンしていない現状が見て取れます。設備投資も大いに結構ですが、やっぱり賃上げによる消費の喚起を望みたいと思います。
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