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2015年6月25日 (木)

来週発表予定の日銀短観の予想やいかに?

来週月7月1日の発表を前に、シンクタンクや金融機関などから6月調査の日銀短観予想が出そろっています。1-3月期の2次QEでまずまずの成長経路に戻った感があるものの、4月以降の景気指標は踊り場的な要素もあり、足元と先行きの企業マインドに注目が集まっています。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って、大企業製造業と非製造業の業況判断DIと大企業の設備投資計画を取りまとめると下の表の通りです。設備投資計画は今年度2015年度です。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しましたが、今回の日銀短観予想については、先行きの業況判断DIの予想に着目して拾いました。いつもの通り、より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ、html の富士通総研以外は、pdf 形式のリポートが別タブで開くか、ダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあってリポートが読めるかもしれません。

機関名大企業製造業
大企業非製造業
<設備投資計画>
ヘッドライン
3月調査 (最近)+12
+19
<▲1.2>
n.a.
日本総研+12
+22
<+5.0>
先行き(9月調査)は、全規模・全産業で6月調査対比▲1%ポイントを予想。緩やかな景気回復が続くと見込まれるなか、景況感も総じて高い水準が続く見通し。
大和総研+11
+22
<+4.7>
業況判断DI(先行き)は、賃上げにより個人消費が活発化する見込みであることを主因に、総じて改善するとみている。製造業では、個人消費や設備投資の回復が足下で積み上がっている在庫消化につながるとみられることが、先行きの業況感の改善要因となろう。同様に、非製造業でも賃上げによる個人消費の活発化が、個人消費関連業種の先行き判断を押し上げる公算だ。
みずほ総研+11
+21
<+6.1>
(大企業製造業) 先行きは、1ポイントの改善を見込んでいる。海外経済の持ち直しや国内での在庫調整の一巡などが見込まれることから、加工業種・素材業種ともに業況判断は改善すると予想する。
(大企業非製造業) 先行きは、2ポイントの改善を見込んでいる。原油安が電気料金などに反映されることで企業収益が押し上げられることや、消費回復への期待から、幅広い業種で改善するだろう。
ニッセイ基礎研+13
+23
<+6.4>
先行きの景況感は企業規模によって方向感が分かれそうだ。大企業では米国経済や国内消費の回復などへの期待から、製造業・非製造業ともに改善が予想される。一方で、経営体力の問題から、先行きへの警戒が高まりやすい中小企業では今回も景況感悪化が示されると見ている。
第一生命経済研+11
+27
<+5.2>
仮に、次回短観で、製造業 ・非製造業の企業収益の改善が一段と進んでいれば、たとえ目先の製造業 の業況DIが前回比で悪化していたとも、景気全体の先行きをそれほど悲観すべきことではないと理解できる。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券+12
+27
<+7.0>
15年度の設備投資計画は、前回3月調査から上方修正される見通し。特に大企業では、計画の大幅な上方修正が見込まれる。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング+13
+21
<+4.8>
(大企業製造業) 先行きについても、内外景気の持ち直しペースが高まると期待しにくい中で、業況感の改善は緩やかにとどまると予測する。大企業製造業の業況判断DI(先行き)は1ポイント上昇の14になるだろう。
(大企業非製造業) 先行きは、個人消費の持ち直しに合わせて「小売」など個人消費関連の業種を中心に引き続き改善が見込まれる反面、「建設」など先行きの業績を慎重に見ている業種も一部にあることから、大企業非製造業の業況判断DI(先行き)は21と横ばいにとどまると予測する。
三菱総研+12
+24
<n.a.>
先行きの業況判断DI(大企業)は、雇用・所得環境の改善から消費が緩やに回復するとみられるほか、企業の設備投資意欲も堅調さを維持しており、製造業は+14%ポイント、非製造業は+25%ポイントといずれも改善を予測する。
富士通総研+16
+27
<+5.1>
先行きの見通しについては、今回調査の改善の反動もあり、わずかに悪化すると見込まれる。

上のテーブルからも明らかなんですが、足元における大企業の景況感は、おしなべて、ほぼ横ばいの製造業に対して、非製造業の方がわずかながら改善幅が大きいと予想されています。円安にもかかわらず、海外需要の低迷などから輸出が伸び悩んでいたり、製造業の中でも素材産業などは円安による原材料費アップの影響が出ていたりします。さらに、内閣府から発表された1-3月期のGDP統計にも表れているように在庫圧力がまだ調整しきれていない印象もあります。他方、非製造業では春節時における中華圏からのインバウンド観光客の消費拡大に加えて、国内の個人消費も緩やかながら持ち直しつつあり、小売や対個人サービスなどで改善を示すことが予想されています。また、背景には日銀のリフレ政策に伴って、コストアップを価格転嫁できる環境が整いつつあることも見逃せないと私は考えています。この点は、まだ指摘するエコノミストは少ないようですが、それなりに重要であろうと思います。また、先行きについては、9月調査ではやや反動を示す業種もあり得るものの、ボーナス増や賃上げによる所得の上昇に伴う消費拡大や設備投資の増加などを背景に、順調な景気拡大パスをたどることが期待されています。まあ、あくまで希望的観測込みの予測です。また、設備投資計画についても3月時点から上方改定されると見込まれています。円安に伴う国内回帰がどこまで進むかはまったく未知数ですが、利益を含むキャッシュフローに比較した設備投資額がデフレ期にかなり抑制されて来た現状を反映し、また、人手不足による労働から設備への代替も一部に生じることから、今後の景気拡大をけん引することが期待されています。これも希望的観測込みかもしれません。
最後に、下のグラフは日本総研のリポートから業況判断DIの推移を引用しています。

photo

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