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2015年8月 4日 (火)

給与が大きく減少した毎月勤労統計から何を読み取るか?

本日、厚生労働省から6月の毎月勤労統計が発表されています。ヘッドラインとなる現金給与総額は季節調整していない原系列で見て前年同月比▲2.4%の大きな減少を示し、景気と相関の高い所定外労働時間は季節調整済みの系列で前月から+0.4%の増加を記録しました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

実質賃金、6月は前年比2.9%減 毎月勤労統計 特別給与減る
厚生労働省が4日発表した6月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、従業員1人当たり平均の現金給与総額から物価変動の影響を除いた実質賃金指数は前年同月比2.9%減だった。5月は横ばいと25カ月ぶりにマイナスを脱していたが、再びマイナスになった。ボーナスにあたる特別給与が6.5%減の16万5089円と、大幅に落ち込んだことが影響した。ただ、賞与の支給時期が去年に比べずれた特殊要因の影響があるとみられ厚労省は「6-8月の状況を総合的に判断する必要がある」としている。
調査対象の事業所に占める賞与の支給割合が37.7と、4.2ポイント下がった。厚労省は夏季賞与の時期が前後にずれた可能性や、直近4年は特別給与が確報値で上方修正されており、上振れしやすいことを指摘している。
現金給与総額(名目賃金)も前年同月比2.4%減の42万5727円と大幅に減少した。前年を下回ったのは2014年11月以来、7カ月ぶり。
一方、基本給や家族手当にあたる所定内給与は0.4%増の24万1618円で4カ月連続で増加した。春季労使交渉で広がったベースアップ(ベア)が反映されているとみられる。残業代など所定外給与は0.4%減の1万9020円だった。所定内給与と所定外給与を合わせた「きまって支給する給与」は実質で横ばい、名目では0.4%増えた。
所定外労働時間は1.7%減の10.6時間。製造業の所定外労働時間は1.3%増の15.6時間だった。

いつもの通り、とてもよくまとまった記事だという気がします。次に、毎月勤労統計のグラフは以下の通りです。上のパネルは製造業の所定外労働時間指数の季節調整済み系列を、下のパネルは製造業に限らず調査産業計の賃金の季節調整していない原系列の前年同月比を、それぞれプロットしています。影をつけた期間は景気後退期です。

photo

まずは、賃金ですが、市場の事前コンセンサスは季節調整しない原系列の前年同月比で+1%近い上昇を見込んでいましたので、私もかなりびっくりしました。名目値ですが、1人当たりで見て6月の現金給与総額は425,727円で前年同月比▲2.4%減を記録した一方で、所定内給与は241,618円と逆に前年同月比で+0.4%増となっています。この統計をどう見ればいいのかについては諸説分かれることと思いますが、引用した記事にある厚生労働省の説明のように、所定内賃金は4月以降のベアで増加しているんですがら、6月以外の月にボーナスが分散支給された、すなわち、5月に前倒しで支給されたか、7-8月に遅れたか、ということになります。先のことは現時点では分かりませんから前を振り返ると、「特別に支払われた給与」は、6月速報では▲6.5%減だった一方で、逆に5月の確報では+25.2%増となっていました。特に、業種別では建設業+116.7%増とか、卸売業・小売業+82.5%増とかを示しており、このあたりの反動なのかもしれません。7-8月に後ズレしたというよりは、一部の業種で5月にボーナスが先払いされていた可能性が高いのではないかと推測しています。逆から見て、5月確報の現金給与総額268,520円+0.7%増はやや割り引いて見る必要がありそうです。ただし、このボーナスの特殊要因を除けば、所定内給与は+0.4%増ですから、ほぼ物価上昇見合いのレベルに達しつつあります。ベースアップが浸透してきているのかもしれません。そうだとすれば、消費に影響を及ぼす恒常所得部分は着実に増加している可能性があり、ベースアップの恩恵の広がりとともに、消費の本格回復・拡大につながることを期待してよさそうです。ただし、給与総額が伸びていないので、マインドの上昇にはつながりにくい可能性もあります。いずれにせよ、今後の推移を注視する必要がありそうです。
景気に敏感な所定外労働時間は季節調整済みの系列で前月比+0.4%の増加となりました。先週発表の鉱工業生産が前月比で+0.8%増でしたから、生産の派生需要である労働への反映としてはこんなもんかもしれません。

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