10月1日発表の日銀短観予想やいかに?
今週木曜日10月1日の発表を前に、シンクタンクや金融機関などから9月調査の日銀短観予想が出そろっています。4-6月期の2次QEで企業の設備投資が前期比マイナスを記録し、企業マインドとともに設備投資計画にも注目が集まっています。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って、大企業製造業と非製造業の業況判断DIと大企業の設備投資計画を取りまとめると下の表の通りです。設備投資計画は今年度2015年度です。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しましたが、今回の日銀短観予想については、先行きの業況判断DIの予想に着目して拾いました。いつもの通り、より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ、html の富士通総研以外は、pdf 形式のリポートが別タブで開くか、ダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあってリポートが読めるかもしれません。
機関名 | 大企業製造業 大企業非製造業 <設備投資計画> | ヘッドライン |
6月調査 (最近) | +15 +23 <+9.3%> | n.a. |
日本総研 | +10 +17 <+7.8%> | 先行き(12月調査)は、全規模・全産業で9月調査対比▲3%ポイントを予想。企業の好業績を起点とした緩やかな景気の回復基調が続くと見込まれるものの、中国・新興国経済の減速懸念は当面払拭されず、先行き不透明感が増すなか、景気への慎重な見方が優勢となる公算。 |
大和総研 | +13 +20 <+9.2%> | 業況判断DI(先行き)は、大企業製造業、大企業非製造業ともに悪化するとみている。当社のメインシナリオでは、先行きの日本経済は徐々に持ち直すと予想しているものの、足下で輸出と生産の停滞が続いており、個人消費の回復も遅れている。さらに、中国を中心とする新興国経済の減速やグローバルな金融市場の動揺などを背景に、企業は先行きに対して慎重な見方を示すと考えている。 |
みずほ総研 | +13 +21 <+9.1%> | (大企業製造業) 先行きも1ポイントの悪化を見込んでいる。欧米を中心に海外経済は緩やかな回復基調を維持するとみられるが、新興国経済の先行き不透明感が重石となり、先行きに対する見方は慎重化すると予想する。 (大企業非製造業) 先行きは、2ポイントの改善を見込んでいる。原油安による企業収益押し上げ効果が続くことや、消費回復への期待から、幅広い業種で先行きに対する見方は上向くだろう。 |
ニッセイ基礎研 | +13 +18 <+8.5%> | 先行きの景況感についても、企業規模や製造業・非製造業を問わず、悪化するだろう。最近の情勢悪化を受けて、内外経済の下振れリスクは高まっており、景気回復シナリオへの慎重な見方が強まっていると考えられるためだ。 |
第一生命経済研 | +12 +21 <+9.1%> | 筆者は、世界連鎖株安と中国経済の悪化を踏まえて日銀・物価見通しは10月30日に下方修正されると予想している。それに応じて、追加緩和に踏み切る蓋然性は高いとみている。 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | +13 +19 <+7.6%> | 景気の先行き不透明感が強まる中、雇用と設備の不足感がやや薄らいだことで、設備投資計画を下方修正する動きが広がった可能性がある。 |
三菱UFJリサーチ&コンサルティング | +13 +22 <+10.0%> | (大企業製造業) 先行きについても企業は慎重な姿勢を強めており、景況感は悪化が続くと予測する。大企業製造業の業況判断DI(先行き)は3ポイント低下の10になるだろう。 (大企業非製造業) 先行きについても、個人消費を中心に内需が伸び悩む中、海外景気の減速を受けて企業活動や訪日外国人の増加テンポが鈍化する懸念もあることから、先行きの業績を慎重に見る企業が増えると予想される。大企業非製造業の業況判断DI(先行き)は2ポイント低下の20になるだろう。 |
三菱総研 | +13 +22 <n.a.> | 先行きの業況判断DI(大企業)は、製造業+10%ポイント、非製造業は+20%ポイントといずれも悪化を予想する。中国をはじめとする新興国経済の下振れリスクが高まっているほか、米国の利上げを控える中、金融市場も不安定化しており、製造業、非製造業ともに先行きに対する見方は慎重化しているとみる。 |
富士通総研 | +12 +21 <+7.9%> | 先行きの見通しについては、現時点では不透明感が払拭される見通しは立たず、さらに悪化すると見込まれる。 |
ということで、見れば分かると思いますが、大企業の製造業・非製造業の業況判断DI、さらに、大企業全産業の2015年度設備投資計画の前年度比です。設備投資計画は土地を含みソフトウェアを除くベースです。国内経済の景気とともに、あるいは、中国をはじめとする新興国経済の停滞の影響や株安などの要因もあって、足元のみならず先行きも含めて、企業マインドは緩やかに下り坂を示すものの、まだプラス領域の推移が続く、と見込まれているようです。他方、設備投資計画は6月調査寄りは下方修正される可能性が高いものの、依然として大幅増加の予想であり、場合によっては上方修正の可能性すら残されているのかもしれません。
最後に、下のグラフは業況判断DIの予想です。日本総研のリポートから引用しています。
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