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2015年9月 5日 (土)

8月の米国雇用統計でFEDの金融政策はどう動くか?

日本時間の昨夜、米国労働省から米国雇用統計が公表されています。ヘッドラインとなる非農業部門雇用者数は前月から+173千人増加し、失業率は前月から▲0.2%ポイント低下して5.1%を記録しています。いずれも季節調整済みの系列です。まず、New York Times のサイトから記事を最初の4パラだけ引用すると以下の通りです。

Jobs Report Gives Ammunition to Both Sides of Fed Rate Debate
Despite disappointing job growth last month, the unemployment rate fell to its lowest level since early 2008, sharpening the debate within the Federal Reserve over whether to raise interest rates when policy makers meet in two weeks.
Friday's report from the Labor Department - which estimated that employers added a less-than-expected 173,000 jobs in August even as the official jobless rate dipped to 5.1 percent - provided evidence for both camps to make their cases.
The slowdown in job growth and the absence of any significant wage pressure could strengthen the arguments of those who see little risk in keeping monetary policy accommodative and waiting not just for more positive data but also for unruly markets to settle down.
On the other side, there were enough positive indicators to keep a September tightening in play, even as Wall Street turns more attention to the possibility of a Fed move in October or at the central bank's last meeting of the year, in December.

やや長く引用してしまったものの、包括的によく取りまとめられている印象です。続いて、いつもの米国雇用統計のグラフは下の通りです。上のパネルは非農業部門雇用者数の前月差増減の推移とそのうちの民間部門、下のパネルは失業率です。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。全体の雇用者増減とそのうちの民間部門は、2010年のセンサスの際にかなり乖離したものの、その後は大きな差は生じていません。

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非農業部門雇用者数の伸びがやや鈍化し、米国連邦準備制度理事会(FED)が雇用改善の目安としている言われる+200千人増にやや届かず、市場の事前コンセンサスだった220千人も下回ったものの、失業率が低下していますので、米国雇用は底堅いと評価してよさそうに私は考えています。特に、雇用者数について6月と7月の前月差増加幅は、それぞれ231千人と215千人からいずれも245千人に上方修正していますので、直近3ヶ月でならせば200千人と見ることも出来ます。ただし、今月9月16-17日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)ですんなりと利上げに踏み切るかどうかはビミョーなところです。すなわち、雇用統計などを見る限り、米国の国内景気はそこそこ堅調な一方で、新興国、特に中国経済の減速を発端とする金融市場の動揺はまだ収まっているとは言いがたく、総合的に考えると、利上げを見送る公算が大きいのではないか、と多くのエコノミストは考えているように私には見受けられます。しかし、私自身は利上げの確率のほうがやや高く、6-4で利上げと考えているんですが、世間のエコノミストは逆の目を予想しているようです。あと2週間で明らかになります。

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また、日本やユーロ圏欧州の経験も踏まえて、もっとも避けるべきデフレとの関係で、私が注目している時間当たり賃金の前年同月比上昇率は上のグラフの通りです。ならして見て、ほぼ底ばい状態が続いている印象です。サブプライム・バブル崩壊前の+3%超の水準には復帰しそうもないですが、まずまず、コンスタントに+2%のライン周辺で安定していると受け止めており、少なくとも、底割れしてかつての日本や最近の欧州ユーロ圏諸国のようにゼロやマイナスをつけてデフレに陥る可能性は小さそうに見えます。

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