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2015年9月16日 (水)

帝国データバンクの「日本企業に迫るチャイナリスクの脅威」やいかに?

やや旧聞に属する話題ながら、毎月の倒産集計を公表している帝国データバンクの8月の「全国企業倒産集計」が9月8日に公表されているんですが、「日本企業に迫るチャイナリスクの脅威」と題する別紙が付属しています。我が国をはじめとする世界の株式市場に乱高下をもたらしている中国経済のリスクが改めて認識されつつあるところ、倒産や倒産につながりかねない会計上のチャイナリスク限定ながら、とても興味深い実例をいくつか提供しているような気がします。

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まず、上のグラフは帝国データバンクから6月8日に発表された「第3回: 中国進出企業の実態調査」から中国進出企業数の推移を示しています。人件費の安さに着目した製造業が多くなっているのが見て取れます。
ということで、東証1部上場クラスでは、倒産や上場廃止などにつながりかねない会計上のチャイナリスクの実例として、4月30日に江守グループホールディングス(株) (元・東証1部) が、中国子会社における売掛債権の回収難から約462億円の特別損失を計上し債務超過に転落、東京地裁へ民事再生法の適用を申請した例、また、6月3日に(株) LIXILグループ (東証1部) が、中国で事業を展開する子会社の破産手続きに伴い、2015年3月期の業績予想を下方修正し、損失は最大662億円にのぼる可能性があると発表した例、などを上げ、表面化こそしていないものの、中国法人や現地法人からの未回収金が長期滞留している中小企業、人件費上昇などコスト増から採算確保が困難になっている中小企業、また、そうした状況を理由に事業の撤退を検討している中小企業は、水面下で多数存在することが予想され、中国向け債権管理の状況とともに処理のゆくえが注目される、と警告しています。
特にリポートでは、中小企業などにおいて、中国事業が倒産の要因となった主な事例として以下の5つのカテゴリーを取り上げています。第1に、コスト負担増による倒産です。中国国内における人件費高騰と人員定着率の悪化や工賃の上昇などが原因となった倒産です。第2に、資金回収難、条件変更による倒産です。仕入れ先である中国工場から入荷が大幅に遅れ、販売できなくなったほか、入金がずれ込んだことで資金繰りが悪化しての倒産です。第3に、中国政府による工場移転命令等の影響による倒産です。私にはまったく理解できないんですが、工場に公安が入ったり、中国政府より工場の移設を指示されたりして、結局、倒産に至るケースもあるらしいです。第4に、品質問題による倒産です。中国産冷凍餃子を原因とする薬物中毒事件の影響を受けた倒産も2社報告されています。最後、第5に、反日感情の高まりに伴う日本製品の不買行動、日本企業との取引縮小による倒産も上げられていますが、これについては実例は報告されていませんでした。

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