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2015年9月10日 (木)

本日発表の機械受注と企業物価は日本経済の停滞を示唆しているか?

本日、内閣府から7月の機械受注が、また、日銀から8月の企業物価 (PPI)が、それぞれ公表されています。機械受注のうち電力と船舶を除く民需で定義されるコア機械受注の季節調整済み前月比は▲3.6%減の8,056億円を記録し、企業物価のうちの国内物価の前年同月比上昇率は▲3.6%の下落を示しました。いずれも、市場の事前コンセンサスを下回っています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

機械受注、7月3.6%減 基調判断「持ち直し足踏み」に下方修正
内閣府が10日発表した7月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標とされる「船舶・電力除く民需」の受注額(季節調整値)は、前月比3.6%減の8056億円だった。受注額は昨年11月以来、8カ月ぶりの低水準。6月(7.9%減)に続くマイナスで、2カ月連続の受注減は消費増税後の14年4-5月以来だった。QUICKがまとめた市場予想(3.7%増)に反しマイナスとなった。内閣府は機械受注の基調判断を「持ち直しの動きに足踏みがみられる」とし、従来の「持ち直している」から下方修正。昨年11月以来、8カ月ぶりに判断を引き下げた。
主な機械メーカー280社の製造業からの受注額は前月比5.3%減の3594億円と、6月(14.0%減)から2カ月連続で減った。業種別では、電気機械から電子計算機や電気計測器の発注が減少。食品製造業から運搬機械、造船業では内燃機関などの引き合いも低迷した。
非製造業からの受注額は6.0%減の4494億円。マイナスは2カ月ぶりだった。農林用機械や情報サービス業からの電子計算機などの受注が減った。通信業では高速データ通信「LTE」に絡む設備投資に一服感も出ているといい、通信機の発注が減少した。
内閣府は8月、7-9月期の船舶・電力除く民需の受注額が前期比0.3%増えるとの見通しを示していた。8月と9月がそれぞれ前月比9.6%増えなければ、当初見通しは達成できない。
国内企業物価、8月3.6%下落 原油安の影響など
日銀が10日発表した8月の国内企業物価指数(速報値)は、前年同月比3.6%下落した。前年を下回るのは5カ月連続で、下落幅は2009年12月以来5年8カ月ぶりの大きさとなった。中国経済の減速が原油や鉄鉱石など国際商品市況の悪化につながり、企業物価を押し下げた。
企業物価指数は出荷や卸売り段階で取引される製品の価格水準を示す。
原油安の影響でガソリンや軽油など石油・石炭製品が前年同月比26.2%下がった。需要国である中国経済の減速を受けて、鉄くずなどスクラップ類も同22.3%下落した。一方、畜産農家の減少などの影響で農林水産物は同1.3%上昇した。
全814品目のうち310品目が前年同月比で上昇し、376品目が下落した。消費増税の影響を除くと8カ月連続で下落品目が上昇を上回った。下落と上昇の差は66と、13年5月以来2年3カ月ぶりの大きさだった。
日銀は「8月の企業物価の変動は商品市況悪化による影響がほとんどだった」として「商品市況への影響が大きい中国経済の動向は、物価の変動要因として今後も注目していく」(調査統計局)としている。

いずれも、よく取りまとめられた記事だという気がします。次に、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。影をつけた部分は、次の企業物価上昇率のグラフとも共通して、景気後退期を示しています。

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まず、機械受注ですが、電力と船舶を除く民需で定義されるコア機械受注は、上のグラフの太線で示した6か月後方移動平均でもハッキリと下向きに転ずるなど、かなり下振れの動きを示しています。さらに、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは7月コア機械受注は前月比で+3%を上回る増加が予想されていました。先月6月統計ではコア機械受注は前月比▲7.9%の減少と大きなマイナスを記録し、リバウンドが予想された今月も連続で前月比マイナスですから、これらを総合的に勘案して、統計作成官庁である内閣府では、引用した記事にもある通り、基調判断を「持ち直している」から「持ち直しの動きに足踏みがみられる」に下方修正しています。先月の6月統計が取りまとめられて発表された時点で、7-9月期のコア機械受注は+0.3%増とほぼ横ばいとなる見通しが内閣府から明らかにされており、7-9月期の停滞は事前に予想された通りかもしれません。一昨日のGDP統計発表時にも、景気の先行きのカギは消費、設備投資、輸出の3点にあるとこのブログでは言明し、その時点では設備投資がもっとも堅調と私は実は考えていたんですが、本日の機械受注から設備投資の先行きにも暗雲が出て来た気がします。私の景気先行き楽観論にも陰りが見え始めたのかもしれません。

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次に、企業物価(PPI)上昇率のグラフは上の通りです。上のパネルは国内物価、輸出物価、輸入物価別の、下のパネルは需要段階別の、それぞれの上昇率をプロットしています。いずれも前年同月比上昇率で、影をつけた部分は、機械受注と同じで、景気後退期を示しています。ということで、中国などの新興国経済の減速に起因する国際商品市況の石油や金属などの価格下落により、サービスではない財貨の企業物価上昇率は下落を続けています。これも、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは▲3%余りの下落予想だったんですが、下落幅はこれを上回り、日本経済の現状はかなり下振れしている印象です。日経新聞のサイトにあるニュースを見れば、今日の参議院財政金融委員会で黒田日銀総裁は2%のインフレ目標について、「原油価格の動向で前後する可能性がある」と述べたと報じられており、まさにその通りなんだろうと私は受け止めています。ただし、2%の目標に物価上昇が達しない、もしくは、2%に達するのがとても遅れる、という蓋然性が高いのであれば、何らかの追加金融緩和が必要になる可能性は残ります。

いずれにせよ、本日公表の機械受注と国内物価の2つの指標については、日本経済が今までの予想されたパスに比べてかなり下振れしている実態が明らかにされた、と受け止めるエコノミストが多そうです。私もそうです。しかしながら、これまた、日経新聞のサイトにあるニュースを見れば、今日の参議院財政金融委員会で黒田日銀総裁は、7-9月期の実質成長率について「プラスになる可能性が高い」と発言したそうです。私はそこまで言い切る自信はなく、この先の消費と輸出も含めた景気の動向が気がかりです。

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