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2015年9月 4日 (金)

毎月勤労統計に見る実質賃金の上昇は消費の伸びにつながるか?

本日、厚生労働省から7月の毎月勤労統計が公表されています。ヘッドラインとなる現金給与総額は季節調整していない原系列で見て前年同月比+0.6%の増加を示した一方で、景気と相関の高い所定外労働時間は季節調整済みの系列で前月から▲1.8%の減少を記録しました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

実質賃金2年3カ月ぶり増加 7月0.3%、所定内給与伸びる
厚生労働省が4日発表した7月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、現金給与総額から物価変動の影響を除いた実質賃金指数は前年同月比0.3%増となり、2年3カ月ぶりに増加に転じた。基本給や家族手当にあたる所定内給与が名目で0.6%増えたことが寄与した。ベースアップ(ベア)が徐々に広がり、所定内給与の伸び率は2005年11月以来9年8カ月ぶりの大きさになった。
従業員1人当たり平均の現金給与総額(名目賃金)は0.6%増の36万7551円だった。増加は2カ月ぶり。所定内給与も0.6%増の24万983円で、5カ月連続で増加した。残業代などの所定外給与も0.6%増の1万9476円と、5カ月ぶりに増加した。厚労省は「名目賃金は順調に上昇している」としている。
ボーナスが中心の特別給与は0.3%増の10万7092円。6月は6.7%減と大幅に落ち込んでいたが、力強い回復はみられなかった。焦点になったボーナス支給比率は、7月に相対的にボーナスが多い30人以上の事業所で39.4%(前年同月は38.6%)だった。変動の大きいボーナスの動向については、8月分の動向もみる必要がありそうだ。1月確報から調査対象の事業所を入れ替えたことが影響している可能性もある。
所定外労働時間は0.7%減の10.9時間。製造業の所定外労働時間は0.6%減の15.8時間だった。

いつもの通り、とてもよくまとまった記事だという気がします。次に、毎月勤労統計のグラフは以下の通りです。上のパネルは調査産業計の賃金の季節調整していない原系列の前年同月比を、下のパネルは製造業の所定外労働時間指数の季節調整済み系列を、それぞれプロットしています。影をつけた期間は景気後退期です。

photo

引用した記事にもある通り、実質賃金が前年同月比で2年余り振りに増加に転じています。ただ、名目の賃金上昇はまだわずかであり、国際商品市況における原油価格の下落に伴う物価上昇の鈍化が主たる要因です。それにしても、先月の大きな特別給与の落ち込みが何だったのかは不明です。サンプル替えの影響は否定できませんが、私のような統計ユーザからは確認のしようもありません。なお、従来から、我が国の消費は現金給与総額ではなく、いわゆる恒常所得部分に対して相関が高いと見なされており、上のグラフの上のパネルに見られる通り、所定内給与が名目でプラス幅をジワジワと緩やかながら拡大しているのは消費の拡大につながる動きと考えるべきです。もちろん、実体経済面での所得の増加の効果とともに、先行き見通しを明るくするという意味で、マインドからも消費拡大をサポートすることを私は大いに期待しています。
製造業の所定外労働時間は、月曜日に取り上げた生産指数脳動向に合わせて低下しています。それにしても、上のグラフの下のパネルに示した製造業所定外労働時間指数は、直近のピークを今年2015年1月にしてトレンド的に低下しているように見えます。生産が今年2月の春節ショックによる例外を除けば、ほぼ横ばいであるのに対して、所定外労働時間が傾向的に低下しているのはやや不思議な気がします。

来週になれば、景気ウォッチャーや消費者態度指数などのマインド指標が公表されます。ハードデータの所得とともにソフトデータのマインドについても注視したいと思います。なお、すでに米国雇用統計が公表されていますが、日を改めて取り上げるべく予定しています。

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