米国大統領選挙の民主党と共和党の予備選の現況やいかに?
先週に米国大統領選、というか、大統領予備選挙への出馬予定候補のTVディベートがあり、民主とのクリントン上院議員がややリード、などと報じられていたところ、とても旧聞に属する話題なんですが、私がよく参照している米国の世論調査機関であるピュー・リサーチ・センターから10月2日に "Contrasting Partisan Perspectives on Campaign 2016" と題する調査結果が公表されています。pdfの全文リポートもアップされています。我が国の外交パートナー、貿易パートナーとして重要な位置を占め、世界でもっとも重要な経済大国でもある米国の大統領選挙ですから、とても気にかかるところです。図表を引用しつつ、簡単に取り上げておきたいと思います。
まず、上のグラフはピュー・リサーチのサイトから Economy Remains Top Campaign Issue を引用しています。大統領選の投票者の中で、やっぱり、経済を "very important" と考える人の比率がもっとも高く、83%に達しています。以下、上のグラフの通りであり、ヘルスケア73%、テロ対策71%、連邦政府の財政赤字68%、外交政策64%、移民問題59%、環境問題55%とここまでが過半数を超え、妊娠中絶は41%にとどまっています。
ただ、政党別には政策のプライオリティが異なっています。当然です。上のグラフはピュー・リサーチのサイトから Wide Partisan Gaps Over Importance of Environment, Deficit, Health Care を引用しています。共和党支持者が民主党支持者より重要と考える割合の差が大きい分野は連邦財政、テロ対策、民主党の方が共和党を上回って差が大きいのは環境とヘルスケアです。経済問題はいずれの政党支持者からも重要と考えられているんですが、どちらかというと、共和党の方でより重要と見なされているようです。特に、環境問題、連邦財政赤字、ヘルスケア、テロ対策では両党の差が大きい、との結果が示されています。
次に注目の共和党の候補者への支持ですが、上のグラフはピュー・リサーチのサイトから Support for the GOP Candidates Varies by Income, Education, Gender, Religiosity を引用しています。見れば明らかなんですが、大胆な発言で注目を集めているトランプ候補は、女性より男性の支持が高く、学歴や年収が低いほど支持の割合が高くなっているのが見て取れます。高所得者の支持がありそうな気もするんですが、ちょっと見の印象とは逆かも知れません。
次に、民主党の候補者への支持について、上のグラフはピュー・リサーチのサイトから Support for Democratic Candidates Varies by Age, Race を引用しています。ヒラリー・クリントン上院議員がトップを走っているわけですが、幅広い支持を集めている中で、やっぱり、男性より女性からの支持が多く、白人より非白人が支持し、年齢層の高い50歳以上層の支持が厚い、という結果が示されています。
まあ、大統領選の前の二大政党の予備選、しかも始まったばかりの段階のファースト・ショットですから、この先のキャンペーン次第で大きく変化しそうな気もしますが、私もとても興味を持ってウォッチしています。一応、無理やりながら「経済評論の日記」に分類しておきます。
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