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2015年11月11日 (水)

経済協力開発機構(OECD)の「経済見通し」Economic Outlook やいかに?

今週の月曜日11月9日に経済協力開発機構(OECD)から「経済見通し」 Economic Outlook No.98 が公表されています。まず、記者発表資料から成長率見通しの総括表 Summary of OECD projections for G20 countries を引用すると以下の通りです。

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中国をはじめとする新興国の景気減速にともなって、世界経済の成長も今年は+2.9%に低下するものの、来年以降は中国の経済活動がスムーズにリバランスされ、先進国経済における投資がより一層活性化されることなどから、世界経済の成長率は2016年の+3.3%から2017年の+3.6%に徐々に高まると予測されています。しかし、9月の「中間評価」では世界経済の成長率は、2015年+2.9%、2016年+3.3%でしたので、やや下方修正されていることも事実です。我が国については、2015年には中国などの新興国からの需要が急減速したことや停滞する国内消費などが原因となり+0.6%にとどまるものの、来年2016年には+1.0%に加速すると見込んでいます。しかし、2017年は4月から予定されている消費税率引き上げの影響から再び+0.5%に減速すると予想されています。

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OECD「経済見通し」から、成長率だけでなく、我が国で伸び悩んでいる設備投資と賃金について、我が国だけでなく米欧の見通しも含めて少し詳しく見ると、まず、上のグラフは記者発表資料から Real investment exhibits sluggishness and mixed projected improvement を引用しています。リーマン・ショック直前の2008年1-3月期を100とする実質設備投資の系列を、2017年までの見通しを含めてプロットしています。米国ですらリーマン・ショック前の水準に戻るのに2014年までを費やしているのが見て取れます。日欧については、レベルとしては欧州の投資がまだ小さくて、日本の方がほぼリーマン・ショック前の水準に近づきつつあるものの、最近時点でのモメンタムとしては、欧州が上向きなのに対して、我が国の設備投資がもたついている印象があります。

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次に、上のグラフは記者発表資料から Tighter labour markets and new policies should yield healthier wage growth, but haven't yet を引用しています。左のパネルは失業率を、右は賃金上昇率を、それぞれ、これも2017年までの見通しを含めて示してあります。失業率については、米国では5%を下回ったあたりで、また、日本についても3%くらいの水準で、それぞれ改善は打ち止めというカンジなんですが、欧州だけはまだ改善が続きます。というか、現在の足元の失業率がまだまだ改善の余地あり、ということなんだろうと言う気がします。そして、気になる賃金動向なんですが、タイトな労働需給を反映して賃金は着実に上昇すると見込まれています。特に、わが国の賃金は2016-17年にかなり大幅な上昇率に達するとOECDでは予測しています。ホントですかね、というカンジで見ているエコノミストも少なくなさそうな気がします。

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