週末ジャズは山中千尋「シンコペーション・ハザード」を聞く!
週末ジャズは山中千尋「シンコペーション・ハザード」を聞きました。ピアノ・トリオによる演奏で、3月の収録で7月のアルバム・リリースです。スコット・ジョプリンなどのラグタイムの曲を数多く収録しています。ということで、収録曲は以下の通りです。スコット・ジョプリンの曲は2、3、4、6、7、9と過半に及んでいます。
- Syncopation Hazard
- The Entertainer/Ritual
- Maple Leaf Rag
- The Easy Winners
- Dove
- Reflection Rag
- Sunflower Slow Drag/Ladies in Mercedes
- New Rag
- Heliotrope Bouquet
- Uniformity Rag
- Graceful Ghost Rag
山中千尋のトリオ編成によるメジャー・デビュー10周年の記念作品だそうです。19世紀初頭にアメリカで流行したスコット・ジョップリンなどの有名曲を中心に、ラグタイム特有のシンコペーションを追求しています。いろいろと寄り道をしてきたピアニストですが、最近の数枚のアルバムの中ではまずまずの出来だという気がします。トラディショナルな楽譜どおりのラグタイムもあり、最先端のセンスでアレンジされたナンバーもありと、それなりに工夫も凝らされています。
このピアニストは何をやらせても80点のオールラウンダーであり、その昔のオスカー・ピーターソンばりのテクニックもそれなりにあると私は考えています。ですから、ホーンを入れたり、レーベルに特化した曲を取り上げたり、ビートルズの曲をカバーしたりと、いろいろとやって来ましたが、メジャーのヴァーヴに移籍した2005年の最初のアルバム「アウト・サイド・バイ・ザ・スウィング」か、その直前、すなわち、マイナー・レーベルから出した最後の2004年の「マドリガル」あたりが、このピアニストのアルバムの中では私は一番好きです。逆に厳しくいえば、ジャズを弾かせれば、この10年で進歩がないのかもしれません。
| 固定リンク
コメント