来週火曜日12月8日に公表されるGDP統計2次QEの予想やいかに?
来週火曜日の12月8日に今年2015年7-9月期GDP速報2次QEが内閣府より公表される予定となっています。一昨日の法人企業統計をはじめとして、必要な経済指標がほぼ明らかにされ、シンクタンクや金融機関などから2次QE予想が出そろっています。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、web 上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインの欄は私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しています。可能な範囲で、先行きの今年10-12月期以降を重視して拾おうとしています。しかしながら、明示的に取り上げているシンクタンクはみずほ総研だけでした。長めに引用してあります。何分、2次QEですので法人企業統計のリポートの「オマケ」で取り上げられている場合もあり、数字を示すだけでアッサリと終っているものも少なくありません。なお、より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、ダウンロード出来たりすると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで でクリックしてみましょう。本人が知らないうちにAcrobat Reader がインストールしてあって、別タブが開いてリポートが読めるかもしれません。
機関名 | 実質GDP成長率 (前期比年率) | ヘッドライン |
内閣府1次QE | ▲0.2% (▲0.8%) | n.a. |
日本総研 | ▲0.1% (▲0.4%) | 2015年7-9月期の実質GDP(2次QE)は、在庫投資、公共投資がそれぞれ小幅下方修正される一方、設備投資は上方修正に。その結果、成長率は前期比年率▲0.4%(前期比▲0.1%)と1次QE(前期比年率▲0.8%、前期比▲0.2%)から上方修正される見込み。 |
大和総研 | ▲0.0% (▲0.2%) | 一次速報から上方修正されるとみている。公共投資、在庫投資が下方修正される一方、設備投資の上方修正が全体を押し上げる公算だ。一次QE 段階と比較し、在庫調整の一層の進展が示されるだけでなく、設備投資が持ち直しの動きに向かった姿が確認できることから、ヘッドライン以上に内容の改善が期待できる。 |
みずほ総研 | +0.1% (+0.2%) | 今後の景気については、依然不透明感は高いものの、緩やかな回復基調に復するとみている。人手不足の高まりなどを背景に雇用者所得が堅調に推移していることから、個人消費は緩やかな持ち直しが続くと予想している。欧米を中心に海外経済の回復基調が維持される中で、輸出の回復も続くだろう。設備投資は、先行指標である機械受注がこのところ弱含んでいることから、一旦減速する可能性があるものの、堅調な企業業績に支えられて、徐々に更新投資などが増加していく見込みである。ただし、在庫については、7-9月期に削減の動きがみられたが、まだ水準自体は高いため、引き続き景気回復の重石となる可能性が高い。 |
ニッセイ基礎研 | ▲0.0% (▲0.1%) | 12/8公表予定の15年7-9月期GDP2次速報では、実質GDPが前期比▲0.0%(前期比年率▲0.1%)となり、1次速報の前期比▲0.2%(前期比年率▲0.8%)から上方修正されると予測する。 |
第一生命経済研 | ▲0.0% (▲0.1%) | 1次速報では、設備投資の減少がもっともネガティブに評価されていたが、2次速報でプラスに上方修正されることで、懸念がやや和らぐ形になる。前向きに受け止めて良い結果だろう。もっとも、GDPは4-6月期のマイナス成長の後にもかかわらず、7-9月期もほぼゼロ成長にとどまるわけで、15年度前半の景気が停滞していたという評価が変わるわけではないことに注意が必要である。 |
伊藤忠経済研 | +0.0% (+0.1%) | 2四半期連続のマイナス成長は回避されたが、需要の回復力は総じて弱く景気は停滞感の残る状況。 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | +0.0% (+0.1%) | 実質GDP成長率が、1次速報の前期比マイナス0.8%から同プラス0.1%へと上方修正されると予想する。 |
三菱UFJリサーチ&コンサルティング | +0.1% (+0.5%) | 2015年7-9月期の実質GDP成長率(2次速報値)は前期比+0.1%と予想され、1次速報値の同-0.2%から上方修正される見込みである(年率換算値では-0.8%から+0.5%に上方修正)。プラス成長に転じたとしても小幅であり、引き続き景気がと横ばい圏内にとどまっているとの評価に変更はない。 |
三菱総研 | +0.1% (+0.4%) | 2015年7-9月期の実質GDP成長率は、季調済前期比+0.1%(年率+0.4%)と、1次速報値(同▲0.2%(年率▲0.8%))から上方修正を予測する。 |
見れば明らかなんですが、2次QEは1次QEの前期比▲0.2%のマイナス成長から上方修正されて、ほぼゼロ近傍の成長率を示すんではないかと予想されています。私はマイナス成長は1次QEから変わりないと見込んでおり、仕上がりベースとして、大和総研、ニッセイ基礎研、第一生命経済研などの予想に親近感を覚えています。この2次QEの評価はやや難しいと私は考えており、1次QEでは前期比マイナスだった設備投資が上方修正されてプラスに転じるとか、在庫調整が進むとかは前向きに評価すべきとは思いますが、他方、2四半期連続のマイナス成長を記録してテクニカルな景気後退と判定される可能性も決して小さくはありませんし、たとえプラス成長でもゼロ近傍に変わりなく、成長率の仕上がりとしては冴えない数字であることも確かです。しかも、足元の10-12月期も力強くV字回復しているようにはとても見えません。引き続き、景気は回復しているとしてもそのテンポは緩やかであり、ほぼ横ばい圏内の動きと考えたほうがよさそうです。
下のグラフはみずほ総研のリポートから引用しています。
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