大きく下降した景気動向指数から何が読み取れるか?
本日、内閣府から2月の景気動向指数が公表されています。ヘッドラインとなるCI一致指数が▲3.2ポイント下降して110.3を示した一方で、CI先行指数は▲2.0ポイント下降して99.8を記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。
景気一致指数、2月3.2ポイント低下 低下幅、震災時以来の大きさ
内閣府が6日発表した2月の景気動向指数(2010年=100、速報値)によると、景気の現状を示す一致指数は110.3となり、前月比で3.2ポイント低下した。生産関連統計の下振れが響き、2カ月ぶりにマイナスとなった。単月の低下幅は、東日本大震災に見舞われた11年3月(6.6%低下)以来の大きさだった。一致指数の基調判断は前月までと同じ「足踏みを示している」から変えなかった。
前月と比較可能な8指標のうち、小売業・卸売業の商業販売額を除く6指標が一致指数の下振れにつながった。国内外で半導体用の製造装置などの出荷が低迷し、投資財出荷指数(輸送機械除く)が落ち込んだ。愛知製鋼の工場の爆発事故に伴うトヨタ自動車の生産停止の影響で、鉱工業用の生産財出荷指数や鉱工業生産指数も悪化し、生産関連が軒並み振るわなかった。
数カ月先の景気を示す先行指数は2.0ポイント低下の99.8となった。低下は2カ月ぶりで、先行指数は12年12月(98.9)以来3年2カ月ぶりに100を割り込んだ。消費者態度指数が大きく下がったほか、東証株価指数や日経商品指数などの下落も響いた。
いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、下のグラフは景気動向指数です。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた部分は景気後退期を示しています。
いつもながら、鉱工業生産指数との連動性高く、景気動向指数の特にCI一致指数は2月に大きく下降しました。プラス寄与は商業販売額(卸売業)(前年同月比)くらいしかなく、マイナス寄与は絶対値の大きなものだけでも、投資財出荷指数(除輸送機械)、鉱工業用生産財出荷指数、生産指数(鉱工業)、耐久消費財出荷指数が上げられています。引用した記事の通り、トヨタの生産停止の影響や中華圏の春節のカレンダー要因も考えられます。先行指数の動きについては、これも引用した記事の通り、株価指数などの金融市場動向も影響を及ぼしています。最終的に、統計作成官庁である内閣府では、基調判断は「足踏み」で据え置いています。
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