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2016年6月10日 (金)

下落幅の拡大に歯止めがかかった企業物価の先行きやいかに?

本日、日銀から5月の企業物価(PPI)が公表されています。ヘッドラインの国内物価は前年同月比で▲4.2%の下落と引き続き大きなマイナスを記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

5月の企業物価指数、前年比4.2%下落 前月比は12カ月ぶり上昇
日銀が10日に発表した5月の国内企業物価指数(2010年平均=100)は前年同月比4.2%下落の99.4だった。前年同月を下回るのは14カ月連続。下落幅は市場予想の中央値と同じだった。原油価格の下落に伴う石油・石炭製品の値下がりや、円高が下落につながった。
一方、前月比では0.2%上がった。上昇は15年5月以来、12カ月ぶり。物価上昇をけん引したのは農林水産物。豚肉需要が学校給食や向けや、気温が高い時期を迎えてスタミナ料理用に増加。疫病で供給が減少したこともあり、値上がりにつながった。原油価格は前年比では落ち込んだものの足元では持ち直し傾向にあり、ガソリンや軽油、ジェット燃料の前月比での上昇も影響した。
円ベースの輸出物価は前月比で0.5%下落、前年同月比で11.1%下落した。輸入物価は前月比0.1%下落、前年同月比で20.1%下落だった。
企業物価指数は企業間で売買するモノの価格動向を示す。公表している814品目のうち、前年同月比で上昇したのは251品目、下落は478品目となった。下落品目と上昇品目の差は227品目で、4月の230品目から縮小した。

いつもながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。次に、企業物価(PPI)上昇率のグラフは下の通りです。上のパネルは国内物価、輸出物価、輸入物価別の、下のパネルは需要段階別の、それぞれの上昇率をプロットしています。いずれも前年同月比上昇率です。影をつけた部分は、景気後退期を示しています。

photo

まず、数字の上だけのお話かもしれませんが、ヘッドラインの国内物価の5月の下落率が4月と同じ▲4.2%と、下落幅の拡大に歯止めがかかっています。しかも、季節調整済みの系列ではないので、季節変動かもしれませんが、1年振りに前月比でプラスも記録しています。我が国における物価の下落は、国際商品市況の下落に伴う石油価格の下落から始まり、需要段階別では素原材料から中間財、そして最終財へと波及して来たわけなんですが、上のグラフでも見て取れるように、素原材料の前年同月比上昇率も5月はゼロを示し、まだ中間財と最終財は価格下落の波及の真っ最中で下落幅の拡大が続いているようですが、この物価下落局面も下落幅の拡大が最終段階に達しつつあるように見受けられます。でも、下落幅の拡大に歯止めがかかりつつあるだけで、物価下落そのものが止まってプラスに転じたわけでもなく、現状は国際商品市況の下落からの反転と円高の進行が拮抗して、物価下落幅の拡大が止まっただけであり、デフレ脱却はまだまだ先の長い展開になるような気がします。

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