世銀チーフエコノミストに9月からポール・ローマー教授が就任予定!
月曜日の Financial Times 紙に The World Bank recruits a true freethinker と題して報じられていたんですが、9月からポール・ローマー教授が世銀のチーフエコノミストに就任する予定だそうです。世銀からは7月18日付けのプレスリリースで明らかにされています。
この5月の日本の週刊エコノミスト誌で報じられていたんですが、思い出されるのは、ルーカス教授との論争です。「数学もどき」Mathiness として、2014年のルーカス教授らの経済成長モデルに関する論文を痛烈に批判しています。Financial Times 紙の記事でも、第2パラで "Prof Romer has challenged orthodoxy in a number of ways." と紹介されていたりします。私も金融セクターを持たない実物的景気循環論 Real Business Cycle の理論は間違っていると思います。
以下はルーカスvsローマー論争を代表する論文へのリンクです。Romer (2015) によれば、Lucas and Moll (2014) には極限の取り方に数学的な問題があると主張しており、モデルの内容と論文の記述が食い違っていることに関して、NBERのワーキングペーパーの段階で指摘したにもかかわらず、著者たちに完全に無視され、さらには査読プロセスも通過し、権威あるジャーナルにそのまま載ってしまった、らしいです。大先生に弱い経済学界の実態を批判するもののようで、判る気もしますが、ご参考まで。
| 固定リンク
コメント