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2016年9月29日 (木)

IMF「世界経済見通し」World Economic Outlook 分析編やいかに?

一昨日、昨日にチラリチラリと触れましたが、10月7-9日のIMF世銀総会を前に、9月27日に国際通貨基金(IMF)の「世界経済見通し」World Economic Outlook の分析編 Analytical Chapters が公表されています。まず、その章別構成は以下の通りです。どうでもいいことですが、通常、第1章は経済見通しそのものになります。

Chapter 2:
Global Trade: What's Behind the Slowdown?
Chapter 3:
Global Disinflation in an Era of Constrained Monetary Policy
Chapter 4:
Spillovers from China's Transition and from Migration

第2章から第5章まで、IMF News Articles のサイトからグラフを引用しつつ、というか、かなり無意味に図表を連結して、簡単にIMF「世界経済見通し」の分析編を取り上げておきたいと思います。

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まず、Keeping the Wheels of Trade in Motion と題する IMF News Articles のサイトから引用した第2章 貿易の説明グラフは上の通りです。一番上の地図は2011年以降の5年間で国別に貿易の減少を示しています。次のグラフのセットは保護主義の台頭を示唆しており、最後のグラフは、さはさりながら、経済活動が不活発であることが貿易減少の要因であることを示しています。第2章の結論として、設備投資の低迷をはじめとする最近の経済活動の停滞が貿易量の減速の3/4を説明できる一方で、国境を超えた生産拠点分散の動きも鈍化しており、何よりも保護主義により低迷している可能性があり、ポスト・ドーハの貿易交渉を含め、高止まりしている関税引き下げ、あるいは、貿易円滑化協定の批准や施行など、貿易コスト削減の一層の努力が必要と指摘しています。

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次に、Combating Persistent Disinflation: A Challenge for Many Central Banks と題する IMF News Articles のサイトから引用した第3章 ディスインフレの説明グラフは上の通りです。上のパネルは先進国と新興国に分けてディスインフレの寄与度分解をしており、2015年については輸入価格の低下、すなわち、国際商品市況における石油などの下落が占める赤い部分が大きくなっていますし、緑の失業もまだ無視できません。下のパネルは金融政策にお帰る金利の動きとインフレ目標からのかい離を考慮し、青い棒グラフの金利が下限まで達した国における目標値からのかい離が大きいことが示されています。我が国が典型ですが、欧州のいくつかの国を含めて、金融政策の有効性は政策金利がゼロに近づいている国では失われつつある可能性があり、緩和的金融政策を継続しつつ、成長を支援する財政政策、賃金の低迷する国では賃上げ目標を含む所得政策も併用して補完する必要性を指摘しています。

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次に、pillovers from Migration and China's Transition と題する IMF News Articles のサイトから引用した第4章 中国経済の低迷及び難民増加とそれらの波及の説明グラフは上の通りです。いっぱいあり過ぎて困ってしまうんですが、中国経済に着目して注目すべき項目、特に上の3枚のパネルに絞ると、1番目は中国経済の減速を示しており、成長率はゆっくりと低下を示し、中国経済をけん引して来た輸出は輸入とともにほぼゼロ成長になっています。2番目のグラフは中国経済の影響力、というか波及効果を示しており、アジア諸国、資源輸出新興国、先進国の順で影響が大きいことが示されています。3番目のグラフは2000年と2015年を比較して中国の国際商品への需要の大きさを示しています。特に非鉄金属で大きくなっており、石油でもシェアは倍増に近くなっており、中国での商品需要の停滞がこれらの価格下落の要因のひとつを考えるべきでしょう。リポートでは、中国経済がバブル的に、と私は解釈しているんですが、後に大きく崩壊するよりは、成長率が低下するもののサステイナブルな水準に適切に管理されつつ移行することは中長期的に好ましいと結論しています。申し訳ありませんが、下の3枚のグラフ、難民を含めた移民の波及効果については割愛します。

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最後の最後に、本日、経済産業省から8月の商業販売統計が公表されています。いつもの小売販売のグラフは上の通りです。上のパネルは季節調整していない小売販売額の前年同月比増減率を、下のパネルは季節調整指数をそのまま、それぞれプロットしています。消費にリンクする小売販売額は季節調整していない原系列で11兆3040億円、前年同月比▲3.1%減とマイナスをつけ、季節調整済みの系列の前月比でも7月のプラスから8月はマイナスに転じて▲1.1%減を記録しています。統計作成官庁である経済産業省の基調判断は「一部に弱さがみられるものの横ばい圏」で据え置かれています。上のグラフでは、底ばいないし最悪期を脱しつつあるのが読み取れると思います。

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