日中関係についてのピュー・リサーチの世論調査結果やいかに?
とても旧聞に属する話題かもしれませんが、私がちょくちょく参照している米国の世論調査機関であるピュー・リサーチ・センターから9月13日付けで Hostile Neighbors: China vs. Japan と題して日中二国間の相互の見方についての世論調査結果が明らかにされています。もちろん、pdfの全文リポートもアップされています。当然ながら、尖閣諸島の問題もあって、日中関係はここ10年でも決して改善を示していませんが、最悪期は脱したかという気もします。まず、ピュー・リサーチのサイトからリポートの最初の4パラを引用すると以下の通りです。
Hostile Neighbors: China vs. Japan
China and Japan - neighboring economic and military powers - view each other with disdain, harbor mostly negative stereotypes of one another, disagree on Japan's World War II legacy and worry about future confrontations.
The two East Asian nations have a centuries-old relationship, punctuated by major conflict and strife. Most recently, Beijing and Tokyo have been at loggerheads about sovereignty over a group of uninhabited islands in the East China Sea, called the Senkaku by the Japanese and the Diaoyu by the Chinese.
Today, only 11% of the Japanese express a favorable opinion of China, while 14% of the Chinese say they have a positive view of Japan. In both countries positive views of the other nation have decreased since 2006.
Sino-Japanese antipathy can also be seen in a regional context. Influenced by history, economic ties and current events, Asian publics' views of each other vary widely.
諸事情あって、今夜のエントリーの取りまとめが遅い時間帯になってしまいましたので、ピュー・リサーチのサイトからいくつかグラフを引用しつつ、かんたんに取り上げておきたいと思います。
あず、上のグラフは最近10年の日中両国間で相互にどう相手国を見ているかの推移です。グラフのタイトルは、Japanese and Chinese hold negative views of each other となっています。見れば明らかですが、両国ともに相手国に対する見方は Unfavorable が80%を超え、逆に、Favorable が10%台となっています。まだまだながら、あえて好意的に解釈すれば、両国間で反目し合う最悪期は脱したかもしれません。
次に、日中の相手国に対する見方です。グラフのタイトルは、Japanese views of Chinese turn more negative over past decade 及び Changes in Chinese views of Japanese と題されています。この10年で、ナショナリスティックという評価こそ両国で低下しましたが、近代的や勤勉といった肯定的な評価が低下した一方で、傲慢とか暴力的といった否定的な評価が増加しています。
最後に、1930-40年代の我が国の軍事行動に対する謝罪が十分かどうかに関する世論調査結果で、Roughly a quarter of Japanese believe they have not apologized sufficiently for World War II 及び Chinese unchanged in belief that Japan has yet to sufficiently apologize for actions during World War II と題されています。日本人自身もまだ直近で4人に1人が不十分と回答していますが、過半数の日本人は十分と考えているようです。もっとも、中国人の中では80%近い割合の人々が謝罪は不十分と受け止めているようです。私は決して右派ではないんと自分自身を位置づけているんですが、どこまで謝罪すればいいんでしょうか?
先週金曜日の9月23日に明らかにされた言論NPOによる「第12回日中共同世論調査」の結果もかなり似たような傾向を示していると私は受け止めています。なお、明らかに外交関係に関する世論調査を取り上げた記事でありながら、かなり無理やりですが、経済評論のブログに分類しておきます。
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