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2016年10月14日 (金)

国際商品市況の石油価格に連動して下落幅を縮小させる企業物価をどう見るか?

本日、日銀から9月の企業物価(PPI)が公表されています。ヘッドラインの国内物価上昇率は前年同月比で▲3.2%の下落を示しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

9月の企業物価指数、前年比3.2%下落
前月比は横ばい

日銀が14日に発表した9月の国内企業物価指数(2010年平均=100)は98.8で、前年同月比で3.2%下落した。前年比で下落するのは18カ月連続。下げ幅は4カ月連続で縮小し、15年7月以来の小ささとなった。原油などの国際商品市況の持ち直しや円高の一服を受け、下げ幅は縮小傾向にある。
前月比では横ばいだった。鶏卵などの農林水産物の価格が上昇した一方で、液化天然ガス(LNG)の下落を受けて電力価格が下落した。8月確報値は前月比で0.3%の下落だった。
円ベースの輸出物価は前月比で0.4%上昇、前年同月比で11.8%下落した。輸入物価は前月比で1.0%上昇し、前年比では17.7%下げた。円高や国際商品市況の悪化が円ベースでの価格を押し下げる状況が輸出入物価においても一服しつつある。
企業物価指数は企業同士で売買するモノの価格動向を示す。公表している814品目のうち前年同月比で下落したのは518品目、上昇は214品目だった。下落品目と上昇品目の差は304品目で、8月の確報値(316品目)から縮小した。日銀は「国際商品市況や為替の円高が価格に与える影響を引き続き注視していく」とした。

いつもながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。次に、企業物価(PPI)上昇率のグラフは上の通りです。上のパネから順に、は国内物価、輸出物価、輸入物価別の前年同月比上昇率、需要段階別の上昇率、最後に、輸入物価のうちの円建て原油価格指数を、それぞれプロットしています。上の2つのペネルで影をつけた部分は、景気後退期を示しています。

photo

企業物価(PPI)のヘッドライン国内物価の前年同月比上昇率を見ると、直近では今年2016年5月の▲4.4%下落を底として、先月8月統計では▲3.6%下落、そして9月統計では▲3.2%下落と、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスにピッタリとジャストミートし、下落幅はゆっくりと縮小に向かっているように見えます。大きな要因は国際商品市況における石油価格の下げ止まりなんですが、我が国については為替の円高方向への振れもあって、なかなか石油価格下落の影響が抜け切りません。上のグラフの中の一番下の円建ての石油輸入価格の推移については、今年2016年3月には▲48.1%に達していた前年同月比の下落率が、徐々に下げ幅を縮小して、8月▲36.6%に続いて9月▲21.5%まで下げ幅は半減しています。加えて、OPECで減産合意に達し、ドル建ての石油価格はハッキリと上昇に転じており、1バレル50ドルを越えつつあります。基本は、物価は日銀のインフレ目標に沿う形で上昇に転じる方向にあると私は考えていますが、日銀の金融政策がどうであれ、マネーサプライをターゲットにしようと、金利をターゲットにしようと、日本国内の物価の感応度は低く、もはや、石油価格頼みの物価となっているのかもしれません。ということで、いくつかちょうだいしているシンクタンクや金融機関からのニューズレターの中には、試算結果として、「原油相場1バレル45ドル、為替相場1ドル105円の水準で横ばいが続けば、コアCPIが下落から上昇へ転じるのは来年初頃」との結果を示したのもありました。気長に待つしかないような気がしないでもありません。

ただし、今月発表された統計について1点だけ気がかりなのは、農林水産物が先月統計から前月比でも前年同月比でも約+1%のかなりの上昇を示している点です。食料品価格の上昇につながりかねない動きなのではないか、という気もします。

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