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2016年11月10日 (木)

設備投資の先行きを占う機械受注もトランプ・ショックで不透明感!

本日、内閣府から9月の機械受注が公表されています。変動の激しい船舶と電力を除くコア機械受注の季節調整済みの系列で見て、前月から▲3.3%減の8437億円を記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

機械受注、9月は3.3%減 判断「持ち直しの動きに足踏みがみられる」に下げ
内閣府が10日発表した9月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標とされる「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整値)は前月比3.3%減の8437億円だった。減少は2カ月連続。QUICKが事前にまとめた民間予測の中央値(0.5%減)を大幅に下回った。機械受注の判断は「持ち直しの動きがみられる」から「持ち直しの動きに足踏みがみられる」へと4カ月ぶりに下方修正した。
製造業からの受注額は5.0%減の3355億円と2カ月連続でマイナスだった。産業機械や産業ロボットで大型案件があったその他製造業や、このところ増加傾向にあった食品製造業で反動減が出た。非製造業の受注額は0.9%減の5103億円と同じく2カ月連続で減った。原子力原動機で伸びた反動から、その他非製造業が大きく落ち込んだ。
前年同月比での「船舶・電力を除く民需」受注額(原数値)は4.3%増だった。
併せて公表した7-9月期の船舶・電力を除いた民需の受注額は2兆6080億円と前期比7.3%増だった。7月が大幅に増加したことが奏功し、内閣府が8月に開示していた7-9月期見通し(5.2%増)を大きく上回った。
10-12月期は5.9%減の見通し。7-9月の受注額が大きく伸びており、内閣府は「ここからさらに積み上がるような期待が持てない」としている。製造業が3.8%減、非製造業も6.2%減とともに落ち込む見込みだ。

いつもながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。次に、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

photo

引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスはコア機械受注の前月比で▲0.5%の減少でしたから、統計を見る限り、機械受注はかなり弱い動きといえます。加えて、10-12月期の受注見込みも▲5.9%減ですから、設備投資の先行きは決して明るくないと考えるべきです。ただ、季節調整していない原系列の受注見込みを機種別の前年同月比で見ると、変動の激しい鉄道車両▲4.7%減、道路車両▲0.5%減、船舶▲67.2%減などが押し下げに寄与しているのも事実です。なお、合計の前年同月比は▲4.0%減となっています。
昨日、結果が明らかになった米国大統領選挙の結果を受けて、今日の東証株価指数は1,000円を超える上げ幅となりました。為替も106円に達する水準となり、市場は乱高下しています。米国内では反トランプを標榜するデモが各地に広がっていると報じられていますし、我が国の企業マインド、特に先行きの設備投資に及ぼす影響は、現時点では、文字通りの意味で、計り知れません。今日発表された機械受注も、当然、昨日の米国大統領選挙の結果が判明する前の情報に基づいており、トランプ次期米国大統領の政策などが明らかにされ、市場などがもう少し落ち着くまで、先行きの経済見通しや予測については、何ともいいがたい状況が続きそうな気もします。

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