クレディ・スイスの The Global Wealth Report 2016 に見る世界の資産格差やいかに?
やや旧聞に属する話題かもしれませんが、先週の火曜日11月22日にクレディ・スイス証券から世界の富裕層の資産保有に関するリポート The Global Wealth Report 2016 がプレスリリースされています。薄給の公務員からは縁遠い世界なんでしょうが、世界で格差や不平等に関する関心が高まっているところ、クレディ・スイス証券のサイトから図表を引用して簡単に取り上げておきたいと思います。
まず、上の地図はクレディ・スイス証券のサイトから World Wealth Levels, 2016 を引用しています。見れば判る通り、資産により色分けがなされています。凡例にある単位がハッキリしないんですが、他の図表と照らし合わせると、成人(adult)1人当たりの資産額ではないかと思います。ストックの資産額ながら、大雑把に考えて所得も含めて富裕国の方が色が濃い、くらいの印象ではないかと思います。ですから、当然ながら、北米・欧州・日本などが濃い色に分類されています。逆に、サブサハラのアフリカなどの色が薄くなっています。常識的な結果ではないかという気もします。
次に、図表の引用はしませんが、2015年から2016年にかけての世界の資産は+1.4%増加し、米ドル単位で3.5兆ドル増えて256兆ドルに達しています。そして、上のグラフはクレディ・スイス証券のサイトから資産格差の観点を含めて The Global Wealth Pyramid を引用しています。成人1人当たりの資産額について、1万ドル、10万ドル、100万ドルで区切ってその人口構成比と資産総額を示しています。一番上の階層、すなわち、成人1人当たり100万ドル以上の富裕層は人口33百万人、世界人口に占める構成比はわずかに0.7%にしか過ぎませんが、世界の総資産の半分近い45.6%、116.6百万ドルを保有しています。逆に、もっとも資産の少ない階層、成人1人当たり1000ドル未満の層は人口比では3,546百万人の73.2%を占めるにもかかわらず、世界総資産のわずかに2.4%、6.1百万ドルを保有しているに過ぎません。たぶん、ピラミッドの面積は人口構成比を表しているんでしょうが、横に逆ピラミッドとして総資産額を示せば、その対比が明らかになりそうな気もします。いずれにせよ、所得もそうなんでしょうが、特に、所得から累積された資産の格差の大きさには驚くべきものがあります。
最後に、上のグラフはクレディ・スイス証券のサイトから国別で Wealth per Adult among Major Economies in Mid-2016 (in thousand USD) を引用しています。我が国は現れないんですが、最初の地図で成人1人当たり1万ドル以上のランクに入っていましたので、世界平均の2倍くらいなんでしょうか。もっとなんでしょうか。詳細は不明です。日本のように抜けている国も少なくないわけで、スイスの成人1人当たり資産額が世界で一番で米国が2番目ということでもないのかもしれませんが、それなりに理解しやすいグラフだという気もします。
最後の最後に、今どきのことですから、pdfの全文リポートもアップされているんですが、ダウンロードしようとすると
が出てダメでした。pdfファイルをダウンロードすると個人情報の収集が始まるようなカンジでした。私は外資系証券会社からの勧誘はいまだかつて受けたこともなく、一度は経験してみたいと思わないでもないんですが、ヤメにしておきました。ご参考まで。| 固定リンク
コメント