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2017年1月27日 (金)

消費者物価指数(CPI)はそろそろゼロからプラス領域に達するか?

本日、総務省統計局から昨年2016年12月の消費者物価指数(CPI)が公表されています。生鮮食品を除くコアCPIの前年同月比上昇率は▲0.2%と10か月連続でマイナスに落ち込んでいます。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

16年消費者物価、4年ぶりマイナス 原油安響く
総務省が27日発表した2016年の全国消費者物価指数(CPI、15年=100)は値動きの大きな生鮮食品を除く総合指数が99.7と前の年と比べ0.3%下落した。下落は4年ぶり。原油安による電気代やガソリン価格の低下が響いた。同時に公表した16年12月は99.8と前年同月比0.2%の下落だった。
食料・エネルギーを除く「コアコア」の指数は100.3と前の年に比べ0.3%上昇した。宿泊料が2.3%、外国パック旅行費も4.9%それぞれ上がり、教養娯楽の指数が上昇した。衣料1.6%上がったことなども寄与した。生鮮食品を含む総合は99.9と0.1%下落した。生鮮食品を除く総合では全体の64.8%にあたる339品目が上昇、138品目が下落した。横ばいは46品目だった。
16年12月の生鮮食品を除く総合は10カ月連続で下落した。電気代が6.5%低下したことや携帯電話機の下落から通信が2.9%のマイナスになったことが下押しした。生鮮食品を含む総合は3カ月連続でプラスになった。トマトが61.9%上昇するなど生鮮野菜の高騰が続いていることが影響した。ガソリン指数が2年1カ月ぶりに前年同月を上回るなど価格上昇も後押しした。
東京都区部の1月のCPI(中旬速報値、15年=100)は生鮮食品を除く総合が99.1と、前年同月比で0.3%下落した。下落は11カ月連続。都市ガス代の低下などが響いた。生鮮食品を含む総合は99.5と前月に比べ0.1%上昇した。前年同月に価格が低下していたたまごやパン、めんつゆなど生鮮食品を除く食料が寄与した。
総務省は併せて17年1月分から新指数「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」を公表することを明らかにした。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、いつもの消費者物価上昇率のグラフは下の通りです。折れ線グラフが凡例の色分けに従って生鮮食品を除く全国のコアCPI上昇率と食料とエネルギーを除く全国コアコアCPIのそれぞれの上昇率を示しており、積上げ棒グラフは全国のコアCPI上昇率に対する寄与度となっています。エネルギーと食料とサービスとコア財の4分割です。なお、いつものお断りですが、いずれも総務省統計局の発表する丸めた小数点以下1位の指数を基に私の方で算出しています。丸めない指数で計算している統計局公表の上昇率や寄与度とはビミョーに異なっている可能性があります。なお、最近になって発見したんですが、酒類の扱いがビミョーに私の試算と総務省統計局で異なっており、私の寄与度試算ではメンドウなので、酒類(全国のウェイト1.2%弱)は通常の食料には入らずコア財に含めています。念のため。

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日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスではコアCPIで見て前年同月比▲0.3%の下落でしたが、統計の実績では▲0.2%でしたし、春ころにはゼロないしプラスに転ずると見込むエコノミストが多そうな気がします。しかし、私はそう単純ではなかろうと受け止めています。というのも、石油価格下落の直接の影響はかなりの程度に剥落したんですが、他方で、その波及が間接的に現れている可能性がアチコチに見受けられるからです。例えば、直接の影響を見るとして、全国のコアCPI前年同月比上昇率に対する寄与度ベースで、エネルギーはもっともマイナスが大きかったという意味で直近のボトムは2016年3月の▲1.13%から、最新統計の12月には▲0.34%まで、ほぼ+0.8%ポイントの押し上げ要因となっていますが、逆に、コア財寄与度は2016年2月の+0.29%から12月には▲0.08%まで、▲0.4%ポイント近くの押し下げ要因となっており、エネルギー価格の下落率縮小の半分くらいを相殺してしまっています。同時に、食料は2016年2-3月の+0.42%から12月には+0.12%まで寄与度が縮小しており、これも▲0.3%ポイント押し下げ要因となっています。エネルギーの物価押上げ寄与度をコア財と食料でかなりの程度に相殺してしまっているわけですから、上のグラフに見られる通り、青い折れ線グラフのコアCPI上昇率のマイナス幅が縮小している一方で、食料とエネルギーを除くコアコアCPIの上昇率のプラス幅も大きく縮小し、上昇率がゼロに近づいているのが見て取れます。基本的には、年央までにコアCPI上昇率はゼロないしプラス領域に達する可能性が高いと私も考えていますが、国際商品市況における石油価格下落の影響の剥落が、エネルギー価格の下落をストップさせる一方で、ラグを伴ったエネルギー価格低下の波及効果がコア財に現れ始めており、石油価格にシンクロした物価上昇につながるという単純な構図ではないことは留意しておくべきでしょう。

最後に、3月3日公表の2017年1月の全国CPIから、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」指数の公表を開始すると、総務省統計局のサイトで明らかにされています。世間一般では、生鮮食品を除く総合をコアCPIと称して、広く参照されているところですが、新たな指標の公表に伴い、世間一般がどのように対応するかを見極めつつ、私のこのブログでも考えたいと思います。要するに、まあ、世間一般に従おうかと考えているわけです。

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