ダボス会議が始まり、世界経済フォーラム Grobal Risks Report 2017 やいかに?
遅ればせながら、なんですが、世界経済フォーラムの主宰するダボス会議が昨日1月17日から始まっており、その前段階で1月11日に Grobal Risks Report 2017 が明らかにされています。景気回復のペースが歴史的に鈍化していることを指摘しつつ、いくつかのリスクについて分析います。図表を引用しつつ簡単に取り上げておきたいと思います。
まず、Grobal Risks Report 2017 からヘッドラインともいうべき The Global Risks Landscape 2017 のグラフを引用すると上の通りです。例年と同じように、横軸が発生の蓋然性、縦軸がダメージですから、右上に位置するほぼ一般的に「危ない」ということになり、左下はそれほどでもない、というように解釈できようかと思います。ですから、異常気象や自然災害が発生の蓋然性が高く、しかもインパクト大きいリスクとして認識されています。マーカが緑色なのは環境問題のカテゴリです。ほかに、社会問題のカテゴリを表す赤いマーカの難民問題、地政学のカテゴリのオレンジ色のマーカのテロリストの攻撃、技術問題のカテゴリを示す紫色のマーカのサイバー攻撃などが目立っています。他方、経済問題のカテゴリである青いマーカでは雇用問題や金融危機などが見受けられますが、先ほどのいくつかのリスクに比べてやや後景に退いているような印象です。
次に、というか、最後に、同じく Grobal Risks Report 2017 p.44 から Figure 3.1.1: Perceived Benefits and Negative Consequences of 12 Emerging Technologies を引用すると上の通りです。技術進歩の光と影、と言いましょうか、横軸が利益、縦軸が否定的な結果をもたらす確率となっており、このグラフで言えば、右下に位置するほど利益が大きく否定的な影響が少ない、ということになり、逆は左上に位置すれば利益が少ない割にはリスクが大きく、また、右上に位置すれば「諸刃の剣」的に利益も大きいがリスクも大きく、まあ、少し言葉は違うかもしれませんが、ハイリスク・ハイリターン型の技術と考えてよさそうです。そして、最初のカテゴリ、すなわち、利益が大きくリスクが小さい典型はエネルギの採掘・保存・輸送となっています。シェール革命などが念頭にあるのかもしれません。そして、左上の利益が少ない割には危ない技術の典型がジオエンジニアリング、地球工学と称されることもありますが、私は専門外ながら、降雨をもたらしたりする技術ではないかと思います。よく知りません。そして、「諸刃の剣」型の危ないが利益も大きそうな技術の典型が人工知能(AI)とロボットであろうと示唆されています。まあ、そうなんでしょうね。うまく使えれば大きな利益が見込める一方で、雇用が奪われるだけでなく、もっと、何と言うか、現時点では予想もつかないタイプの不都合が生ずる可能性もあります。
ダボス会議は1月20日までの予定だそうです。
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