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2017年1月11日 (水)

景気動向指数の改善はどこまでホンモノか?

本日、内閣府から昨年2016年11月の景気動向指数が公表されています。CI一致指数は前月比+1.6ポイント上昇の115.1を示した一方で、CI先行指数は+1.9ポイント上昇の102.7を記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

11月の景気一致指数、1.6ポイント上昇 2年8カ月ぶり高水準
内閣府が11日発表した2016年11月の景気動向指数(CI、10年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が前月比1.6ポイント上昇し115.1だった。3カ月連続で上昇し、14年3月の117.8以来2年8カ月ぶりの水準に達した。原油価格の上昇に伴い商業販売額(卸売業)が大きく伸びた。鉱工業用生産財出荷指数や商業販売額(小売業)も上昇した。
内閣府は一致指数の動きから機械的に求める景気の基調判断を「改善を示している」に据え置いた。前月から比較可能な8指標のうち6つがプラスに寄与した。
数カ月先の景気を示す先行指数は1.9ポイント上昇の102.7になった。上昇は2カ月連続。鉱工業用生産財在庫率指数や日経商品指数、最終需要財在庫率指数などが寄与した。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、下のグラフは景気動向指数です。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた期間は景気後退期を示しています。

photo

先月の統計公表時はOECDのPISAと重なって、グラフを示しただけだったんですが、先月2016年10月統計から統計作成官庁である内閣府では景気の基調判断について9月統計の「足踏み」を10月統計から「改善」に1ノッチ引き上げており、今月11月統計でも据え置かれています。ほぼ基調判断は定義で決まるんですが、「改善」の定義は原則として3か月以上連続して、3か月後方移動平均が上昇しており、かつ、当月の前月差の符号がプラス、ということですので、これを先月公表時から満たすこととなったわけです。11月統計を詳しく見ると、一致指数でプラスの寄与が大きいのは、寄与度が大きい順に、商業販売額(卸売業)(前年同月比)、鉱工業用生産財出荷指数、生産指数(鉱工業)となっており、逆にもっともマイナス寄与度が大きいのは耐久消費財出荷指数となっています。ただし、卸売業の商業販売統計は、引用した記事にもある通り、国際商品市況の石油価格の上昇に伴う名目値の伸びですので、ホントに景気動向と考えるのかどうかは疑問が残らないでもありません。同様に、先行指数の寄与度を見ると、プラス寄与は大きい順に、鉱工業用生産財在庫率指数、日経商品指数(42種総合)、最終需要財在庫率指数、となっており、逆にマイナス寄与は、消費者態度指数がもっとも大きくなっています。内部留保を溜めまくっている企業部門と、そのあおりを受けて賃上げがかなわずに消費が伸び悩んでいる家計部門がクッキリと分かれた形に見えなくもありません。ただ、一致指数に採用されている商業販売額(小売業)(前年同月比)は3か月連続でプラス寄与を示していますので、最近時点での消費者態度指数の改善と明日公表の景気ウォッチャーなどを総合して、消費もそろそろ底入れに向かっている可能性はあると私は考えています。

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