発足1か月のトランプ政権に対する米国民の評価やいかに?
1月20日の就任式以来ほぼ1か月を経過し、米国のトランプ大統領に関する世論調査結果が2月16日付けでピュー・リサーチ・センターから In First Month, Views of Trump Are Already Strongly Felt, Deeply Polarized と題して明らかにされています。もちろん、pdfの全文リポートもアップされています。サマリーを別にして以下の4部構成ですが、今夜の記事では最初のサマリーからグラフを引用しつつ簡単に取り上げておきたいと思います。
- Early public attitudes about Donald Trump
- Views of Trump's executive order on travel restrictions
- Views of Islam and extremism in the U.S. and abroad
- Attitudes toward increasing diversity in the U.S.
まず、上のグラフはピュー・リサーチのサイトから Trump has robust GOP backing, almost no crossover support を引用しています。レーガン米国大統領以降の数代に渡る米国大統領のこの時期の支持率は過半を超えているのが通常のような気もしますが、現在のトランプ大統領だけはわずかに支持率39%に低迷しています。大統領就任しょっぱなから支持率39%なわけです。特に2点指摘しておきたいのが、直前のオバマ前大統領の支持率から比べて、大きく低迷している点と、民主党と共和党の両党の党員・支持者間で極めて深刻な開きがあり、大統領野党の民主党からの支持がほとんどない点です。
次に、上のグラフはピュー・リサーチのサイトから Disapproval of Trump's refugee policy, broad criticism of how it was executed を引用しています。大きな注目を集めている難民政策とイスラム圏7か国からの入国停止に関する大統領令の支持率の調査結果です。入国停止に関しては、連邦控訴裁判所で効力を停止されていることは広く報じられているところです。民主党と共和党のそれぞれの支持率で特に大きな開きが出ています。グラフからは読み取れませんが、特に女性からの不支持が高いようです。
最後に、上のグラフはピュー・リサーチのサイトから Early impressions: Fewer view Trump as trustworthy, well-informed compared with Obama, Bush or Clinton を引用しています。実行力 (ability to get things done) だけはそこそこのスコアを示しているものの、信頼性 (Trustworthy) をはじめとして、直前のオバマ前大統領とはほぼダブルスコアの差をつけられ、直前4代のクリントン元大統領以降では実行力も含めて最低のスコアを記録しています。
ただし、グラフは引用しませんが、経済状況については改善が見られるとの評価が出始めています。何といっても、"It's the economy, stupid!" を大統領選挙のスローガンにして当選したクリントン元大統領のような例もありますから、経済が上向けばトランプ大統領に対する支持も上がる可能性はあるんではないか、と私は予想しています。
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