企業向けサービス物価(SPPI)上昇率は着実にプラス圏内を続ける!
本日、日銀から1月の企業向けサービス物価指数(SPPI)が公表されています。前年同月比上昇率で見て、ヘッドラインSPPIは+0.5%、国際運輸を除くコアSPPIも+0.4%と、徐々に上昇幅が拡大しています。でも、誤差範囲かもしれません。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。
企業向けサービス価格、1月は前年比0.5%上昇 貨物輸送が上昇
日銀が23日発表した1月の企業向けサービス価格指数(2010年平均=100)は103.0で、前年同月比で0.5%上昇した。43カ月連続で前年同月を上回り、プラス幅は昨年12月の確報値(0.5%)から横ばいだった。外航貨物輸送が前年比8.2%上昇となるなど、原油価格の上昇を受けた貨物運賃の持ち直しが寄与した。前月比では広告などが低下し、0.5%下落した。
対象の147品目のうち、価格が上昇したのは53、下落した品目は49だった。上昇品目数が下落を上回るのは16年9月以来。
テレビ広告は0.9%下落した。昨年にスポーツ特番などが寄与した反動が出た。ホテルなどの宿泊サービスは2.5%上昇となった。
日銀は企業向けサービス価格の先行きについて「価格改定期の4月がどう出るのかがポイント」(調査統計局)と説明した。
いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、SPPI上昇率のグラフは以下の通りです。サービス物価(SPPI)と国際運輸を除くコアSPPIの上昇率とともに、企業物価(PPI)上昇率もプロットしてあります。SPPIとPPIの上昇率の目盛りが左右に分かれていますので注意が必要です。なお、影をつけた部分は景気後退期を示しています。
何分、粘着性が強い物価ですから、企業向けサービス物価(SPPI)についても前年同月比で見て+0.5%近辺で膠着しているように見えます。でも、ここ半年ほどで中身はかなり違って来ています。一例ですが、昨年はオリンピック開催年ということもあり、広告の上昇率が高かった一方で、今年に入って広告料金は失速し始め、1月にはとうとう前年同月比でマイナスに転じています。逆に、国際商品市況の石油価格の低下が燃料費に波及して長らくマイナスを続けてきた運輸・郵便が1月に入ってプラスに転じています。広告などの需要面からのプル要因がやや鈍化を見せ始めている一方で、石油価格などの供給面からのプッシュ要因が出始めているわけです。ただし、総じて人手不足ながら賃金がそれほど上昇しておらず、人件費の比率高いサービス物価の上昇も鈍っていることは確かです。日銀当局の指摘にある通り、4月からの価格改定に注目すべきなんでしょうか?
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