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2017年5月23日 (火)

東京商工リサーチによる「労働基準関係法令の違反企業332社」企業実態調査の結果やいかに?

やや旧聞に属する話題ですが、5月17日に東京商工リサーチから「労働基準関係法令の違反企業332社」企業実態調査の結果が明らかにされています。昨今、就職戦線では売り手市場が続く中で、いわゆる「ブラック企業」に関する注目が高まっており、労働基準関係法令の違反企業がそのまま「ブラック企業」であると主張するつもりはありませんが、例の電通新入社員自殺事件も含めて、政府の働き方改革が進められているところ、図表を引用しつつ簡単に取り上げておきたいと思います。なお、基となるデータは厚生労働省から公表されている以下の文書です。pdfファイルを開けば300社余りの企業の実名がズラリと並んでいます。ページ番号は振っていないんですが、電通はp.15の東京労働局の4番目に出現します。

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ということで、上のテーブルは東京商工リサーチのサイトから 労働基準関係法令違反 一覧公表企業 産業別 を引用しています。まず、テーブルに入る前に、公表された334件のうち、違反した労働基準関係法令の内訳は、労働安全衛生法違反が211件59.1%に上っており、建設作業現場や製造現場などでの安全管理義務を怠ったことで事故が発生したケースが中心になっています。次いで、違法な長時間労働などの労働基準法違反が63件17.6%、賃金未払いや最低賃金を遵守しない最低賃金法違反が62件17.3%と続いています。上のテーブルから明らかな通り、産業別で最多は建設業で115社34.6%、次いで、製造業の76社22.8%、サービス業他68社20.4%の3産業が突出し、この3産業で全体の約8割を占めています。もっとも、全体の企業数なり何なりでスケーリングする必要があるのかもしれませんが、そのあたりは不明です。なお、建設業と製造業の合計191社では、労働安全衛生法違反が156社81.6%と8割に達しています。

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次に、上のグラフは東京商工リサーチのサイトから 労働基準法違反63社 産業別内訳 を引用しています。先ほどのテーブルが危険に関するものでしたが、上の円グラフは社会問題化している時間外労働の割増賃金未払いや36協定無視など、長時間労働に関する労働基準法違反の63社の産業別内訳です。製造業は引き続き2番目にランクインしてしまっていますが、この労働基準法違反では最多がサービス業他26社41.2%で4割を超えています。例の電通もこの中に含まれています。そして、製造業に次いで運輸業が12社19.1%と3番目に入っています。私はそれほどフォローしていませんが、ヤマト運輸の未払残業代はどうなったんでしょうか?

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最後に、上のグラフは東京商工リサーチのサイトから 労働基準関係法令違反 一覧公表企業 売上高別 を引用しています。公表332社のうち、売上高が判明した244社を売上高で見ると、1~5億円未満が77社31.5%ともっとも多く、次いで、1億円未満が58社23.7%、10~50億円未満が43社17.6%と続いています。売上高100億円以上も21社8.6%となっています。パナソニックの富山工場や日本郵便の新大阪郵便局も実名公表されています。ただ、売上高10億円未満の企業が約7割を占め、業績悪化や資金力の乏しさが労働基準関係法令の違反に直接、間接につながった可能性も示唆されていると、東京商工リサーチでは分析しています。

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