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2017年5月22日 (月)

輸出入ともに順調に拡大する貿易統計をどう見るか?

本日、財務省から4月の貿易統計が公表されています。季節調整していない原系列の統計で見て、輸出額は前年同月比+7.5%増の6兆3292億円、輸入額は+15.1%増の5兆8474億円、差引き貿易収支は+4817億円の黒字を計上しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

4月の貿易収支、3カ月連続黒字 4817億円 半導体関連など好調
財務省が22日発表した4月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は4817億円の黒字だった。貿易黒字は3カ月連続。QUICKがまとめた市場予想の中央値は5153億円の黒字だった。アジア向けの製造装置や部品など半導体関連を中心に輸出が引き続き伸びた。前年と比べた資源価格の回復などを背景に輸入も増加し、差し引きでの黒字額は縮小した。
輸出額は前年同月比7.5%増の6兆3292億円と5カ月連続で増加した。4月の為替レート(税関長公示レートの平均値)は1ドル=110.92円と前年同月に比べ小幅な円高で、輸出への悪影響があったものの、海外景気の改善を背景にした輸出数量の伸びなどが寄与した。財務省は「前年同月は熊本地震が発生したことから、反動増が出ている可能性もある」とみている。前月(12.0%)に比べると伸び率は鈍化した。
半導体などの製造装置が韓国向けIC製造用をはじめ好調だったほか、中国向けの鉄鋼の伸びも目立った。地域別では中国向け輸出が14.8%増となった。対米国も2.6%増、対欧州連合(EU)は2.2%増となりともに前年同月を上回った。
輸入額は15.1%増の5兆8474億円だった。資源価格の回復に伴い、サウジアラビアからの原油・粗油、オーストラリアからの石炭などが増加した。原粗油の輸入は数量ベースでも10.8%増と4カ月ぶりに増えた。中東情勢が不透明性を増す中でエネルギーの調達先を多様化する動きもあるといい、米国からの液化石油ガスの輸入も大幅に増加した。

いつもの通り、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、貿易統計のグラフは以下の通りです。上下のパネルとも月次の輸出入を折れ線グラフで、その差額である貿易収支を棒グラフで、それぞれプロットしていますが、上のパネルは季節調整していない原系列の統計であり、下は季節調整済みの系列です。輸出入の色分けは凡例の通りです。

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貿易指数の前年同月比で見て、輸出入ともに昨年2016年10月以降は、中華圏の春節効果でマイナスに振れた時期を除いて、ほぼ数量ベースで前年同月比を上回って推移しています。世界経済の順調な回復・拡大とともに、我が国経済も緩やかながら回復・拡大を継続していることが貿易統計から見て取ることができると私は受け止めています。この間、引用した記事にもある通り、やや為替が円高に振れたこともあって、輸出数量の伸びは前年同月比で見て、2月+8.3%増、3月+6.6%増から4月は+4.1%増とプラス幅が縮小している一方で、輸入数量はコンスタントに+4~6%増を記録しています。基本的には、世界経済は我が国を含む先進国も、新興国も、途上国も、ほぼ回復ないし拡大の局面にあり、季節調整していない原数値なんですが、輸出数量指数と輸入数量指数の両方が、米国向け、欧州(EU)向け、中国を含むアジア向けのすべてで4月統計では前年同月比でプラスを示しています。ただ、上のグラフのうち下のパネルの季節調整済みの系列の輸出額が3月4月と2か月連続で減少を示していますが、2月の中華圏の春節効果による輸出の激増がもたらしたイレギュラーな結果であり、3-4月とも昨年12月や今年の1月を上回っていますので、私はそれほど懸念していません。むしろ、国際商品市況における石油価格の上昇に伴って、季節調整していない原系列の輸入について、3-4月は価格指数が前年同月比でほぼ+10%ほど上昇し、金額指数でも両月とも約+15%の上昇を示しており、貿易収支の黒字がやや減少気味となっています。私はそれほど気にしていないんですが、石油価格の上昇とともに貿易収支が赤字に舞い戻る可能性が高まっているのも事実です。

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輸出をいくつかの角度から見たのが上のグラフです。上のパネルは季節調整していない原系列の輸出額の前年同期比伸び率を数量指数と価格指数で寄与度分解しており、まん中のパネルはその輸出数量指数の前年同期比とOECD先行指数の前年同月比を並べてプロットしていて、一番下のパネルはOECD先行指数のうちの中国の国別指数の前年同月比と我が国から中国への輸出の数量指数の前年同月比を並べています。ただし、まん中と一番下のパネルのOECD先行指数はともに1か月のリードを取っており、また、左右のスケールが異なる点は注意が必要です。輸出額はハッキリと回復ないし拡大を示しており、その背景はOECD先行指数に見られる海外経済の回復による我が国輸出への需要拡大です。先進国も中国もいずれも景気は回復しており、我が国からの輸出も拡大の方向にあります。たっだ、何度も繰り返していますが、不透明な要因は米国のトランプ政権の通商政策、というか、通商政策をはじめとするそもそもの政策遂行能力です。それから、次々と出て来る北朝鮮のミサイル発射が通商にどういった影響を及ぼすのかは、エコノミストにはまったく予測不能です。

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