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2017年6月12日 (月)

3か月ぶりに減少した機械受注とプラス2%超が続く企業物価(PPI)上昇率をどう見るか?

本日、内閣府から4月の機械受注が、また、日銀から5月の企業物価 (PPI)が、それぞれ公表されています。機械受注では変動の激しい船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注の季節調整済みの系列で見て前月比▲3.1%減の8359億円だった一方で、PPIはヘッドラインとなる国内物価の前年同月比上昇率が+2.1%を記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

機械受注、4月は3.1%減 非製造業が不振
内閣府が12日発表した4月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標とされる「船舶・電力除く民需」の受注額(季節調整値)は、前月と比べ3.1%減の8359億円と3カ月ぶりに減少した。不動産や金融・保険業など非製造業がふるわなかった。QUICKの市場予想(1.0%減)にも届かなかった。
4月は官公需を除けば民需に大型案件が乏しく、非製造業の5.0%減が重荷になった。製造業は2.5%増と底堅く、中期的な受注の推移は「横ばい」(内閣府経済社会総合研究所)として、内閣府は機械受注の基調判断を「持ち直しの動きに足踏みがみられる」で据え置いた。
非製造業の受注額は2カ月連続で減少し、4715億円となった。前年同月(4759億円)も下回り、2015年11月以来の規模に縮小した。金融・保険業でシステム投資が鈍化しており「まとまった案件の受注がない」(内閣府)という。
半面、製造業の受注額は3618億円と16年12月以来の大きさ。前年実績も上回った。前月に受注した非鉄金属分野の大型案件がなくなった反動で伸び率は小幅だったが、同案件の影響を差し引くと前月実績を11%程度上回ったという。輸出向けを中心に、スマートフォンやモノをインターネットでつなぐIoT関連で半導体製造装置などが堅調で「最近の受注は上向いている」(内閣府)という。
4~6月期の「船舶、電力を除く民需」の季節調整値の見通しは前期比5.9%減となっている。
5月の企業物価指数、5カ月連続上昇 勢いは鈍化
日銀が12日に発表した5月の国内企業物価指数(2015年平均=100)は98.4で、前年同月比で2.1%上昇した。前年比での上昇は5カ月連続で、上昇率は前月(2.1%)から横ばいだった。国際商品市況の改善や原材料価格の上昇を製品価格に転嫁する動きが続いているものの、勢いは鈍化しつつある。
前月比では横ばいで7カ月ぶりに上昇が止まった。再生可能エネルギー賦課金や燃料費の上昇を受け、電力価格が上昇した。鉄鉱石の値上がりで鉄鋼価格も上がった。半面、4~5月の原油価格の下落を受け、石油・石炭製品が下落した。鉄くずも在庫の積み増しや値上げの一服で下落した。
円ベースの輸出物価は前年比で4.4%上昇し、前月比では1.0%上昇した。輸入物価も前年比で13.5%上昇し、前月比では2.2%上昇した。前年比のみならず前月比でも円安・ドル高が進行し、輸出入物価を押し上げた。
企業物価指数は企業同士で売買するモノの価格動向を示す。公表している744品目(都市ガスの自由化の影響で前月の746品目から2品目減少)のうち前年比で上昇したのは360品目、下落は283品目だった。上昇と下落の品目差は77品目で、4月の確報値(60品目)から拡大した。
日銀の調査統計局は「企業物価指数は国際商品価格の動向に左右される状況が続いている。各国の政治情勢や地政学リスク、中国の環境規制が商品市況に与える影響を注視したい」との見解を示した。

いつもながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。次に、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は、企業物価(PPI)とも共通して、景気後退期を示しています。

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引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスは▲1.0%減でしたから、これを下回り、2月+1.5%増、3月+1.4%増の2か月分がほぼ吹っ飛んだことになります。レンジの下限が▲3.5%げんでしたので、ほぼそれに近い印象です。ただ、もともと4~6月期のコア機械受注の見通しは前期比▲5.9%減ですから、こんなもんだという気もします。ですから、統計作成官庁である内閣府の基調判断も「持ち直しの動きに足踏み」で据え置かれているようです。でも、私の直観ではかなり横ばいに近い印象だという気もします。製造業は1月にドカンと大きく▲10.8%減を記録した後、2月から4月まではさすがに反動増もあって堅調に推移している一方で、非製造業は3~4月の2か月連続で前月比マイナスを続けています。機械受注は短期に振れる指標なので、あくまで印象論であって必ずしも正確とは限りませんが、為替や海外経済に支えられた製造業と伸び悩む内需に依存する非製造業の業況がクッキリと出ている可能性もあります。4月単月の統計ながら、外需が大きく伸びているのもそのあらわれかもしれません。いずれにせよ、全体として機械受注はそのバックグラウンドの設備投資とともに、横ばい圏内ながら堅調な先行きを見込んでいます。

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次に、企業物価(PPI)上昇率のグラフは上の通りです。上のパネルから順に、国内物価、輸出物価、輸入物価別の前年同月比上昇率、需要段階別の上昇率を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期を示しています。ヘッドラインの国内物価の前年同月比上昇率は先月と同じ+2.1%ですから、引き続き堅調な推移と考えていますが、現在の2%の国内物価上昇率はかなりの部分を国際商品市況における石油価格の上昇の寄与によるものですから、例えば、上のグラフの下のパネルに見られる通り、石油を含む素原材料価格がすでにピークアウトした今後の物価の推移に注目すべきであり、金融政策よりも石油価格の動向に敏感な物価ですから、年度後半には物価上昇率がピークアウトする可能性も否定できません。ただ、5月統計を見る限りは、4月の年度替わりの価格改定期に値上げがいくぶんなりとも浸透し、その流れを引き継いでいるように見受けられます。PPIの外数でSPPIなんですが、運輸サービスなどで順調に価格転嫁が進めば、PPIの上昇やひいては賃金上昇にもプラスなんではないかと私は考えています。

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