商業販売統計に見る小売販売は緩やかな回復を示す!
本日、経済産業省から5月の商業販売統計が公表されています。小売業販売額は季節調整していない原系列の統計で前年同月比+2.0%増の11兆7590億円、季節調整済みの系列で前月比▲1.6%減を記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。
5月の小売販売額、2.0%増 自動車販売の好調映す
経済産業省が29日発表した5月の商業動態統計(速報)によると、小売業販売額は前年同月比2.0%増の11兆7590億円だった。7カ月連続で前年実績を上回った。季節調整済みの前月比では1.6%減少した。経産省は小売業の基調判断を「持ち直しの動きがみられる」で据え置いた。
業種別では、自動車小売業が前年同月比7.0%増加した。新型車の販売好調を映した。燃料小売業は8.7%増えた。原油価格の持ち直しを背景に石油製品の価格が上昇した。
大型小売店の販売額は百貨店とスーパーの合計で0.6%減の1兆5881億円だった。既存店ベースでも0.6%減少した。衣料品の販売低迷が響いた。コンビニエンスストアの販売額は3.6%増の9965億円だった。
いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、商業販売統計のグラフは下の通りです。上のパネルは季節調整していない小売販売額の前年同月比増減率を、下のパネルは季節調整指数をそのまま、それぞれプロットしています。影を付けた期間は景気後退期です。

消費の代理変数となっている小売業販売額については、昨年2016年11月から前年同月比で見て半年余りプラスを続けています。特に最近時点では、3月+2.1%増、4月+3.2%増、5月+2.0%増を記録しています。ただ、季節調整済みの系列による前月比は、今年2017年1月から4月までプラスだったんですが、5月は反動減もあって▲1.6%と減少に転じています。季節調整していない原系列の前年同月比で見て、5月の最新統計の業種別では、燃料小売業が+8.7%増、自動車小売業が+7.0%増、医薬品・化粧品小売業が+6.3%増、織物・衣服・身の回り品小売業が+2.5%増、などを示しており、逆に、各種商品小売業(百貨店など)が▲1.6%減、無店舗小売業が▲0.5%減となっています。特に、自動車販売については、消費増税後の反動減がようやく終息し、循環的な回復局面に入っていると考えています。ただ、足元では自動車販売台数が少しオーバーペース気味であり、目先は増加のテンポが鈍化する可能性があるように見ています。
消費の先行きについても、足元での株高などを受けて消費者のセンチメントは決して悪くないと私は考えており、ボーナスも含めて所得面でのサポートがあれば消費は堅調に推移する可能性が高いと受け止めています。
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