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2017年7月26日 (水)

9回の反撃及ばず横浜に連敗して3位転落!

  RHE
横  浜030010020 6110
阪  神000010211 591

昨夜は投手陣の好投に援護なく、今夜は得点しても投手陣が崩れ、いずれにせよ、投打がかみ合わず横浜に連敗して3位転落でした。
今夜は9回の反撃で盛り上がりましたし、確かに、ロジャース選手の加入で得点力アップは実感したんですが、当面の敵である横浜との勝負どころに弱くて負け続けては、どうにもなりません。先発小野投手の2回の3失点が重かった気もします。

まだまだ続く消化試合も、
がんばれタイガース!

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企業向けサービス物価(SPPI)は6月統計でも引き続き堅調にプラス圏内で推移!

本日、日銀から6月の企業向けサービス物価指数(SPPI)が公表されています。ヘッドラインSPPI上昇率は+0.8%、国際運輸を除くコアSPPIも+0.7%と、前月からほとんど変化なく、引き続き、+1%を少し下回るプラス圏内で推移しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

6月の企業向けサービス価格、前年比0.8%上昇 はがきの値上げで
日銀が26日に発表した6月の企業向けサービス価格指数(2010年平均=100)は103.7で、前年同月比で0.8%上昇した。前年比での上昇は48カ月連続。上昇率は5カ月連続で横ばいで、前月比では0.1%下落した。はがきの値上げを受けて運輸・郵便価格が上昇し、指数全体を押し上げた。
はがきは日本郵便が6月1日に郵便料金を52円から62円に10円値上げした影響が出た。値上げの背景には人手不足による人件費の上昇や郵便物の減少がある。
一方で、宿泊サービス価格は上昇幅を縮小した。インバウンド(訪日外国人)需要は好調だが、全国的なホテルの建設ラッシュや近畿地方での民泊利用の増加といった供給要因が価格を押し下げた。
企業向けサービス価格指数は輸送や通信など企業間で取引するサービスの価格水準を総合的に示す。対象の147品目のうち、前年比で価格が上昇したのは81品目、下落は30品目だった。上昇から下落の品目を引いた差は51品目で、5月の確報値(48品目)から3品目拡大した。
日銀によると「人手不足による人件費の上昇を価格に転嫁する動きが今後も出てくるかを注視したい」(調査統計局)という。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、SPPI上昇率のグラフは以下の通りです。サービス物価(SPPI)と国際運輸を除くコアSPPIの上昇率とともに、企業物価(PPI)上昇率もプロットしてあります。SPPIとPPIの上昇率の目盛りが左右に分かれていますので注意が必要です。なお、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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上のグラフからは判りにくいかもしれませんが、ヘッドラインのSPPIの前年同月比上昇率は今年2017年2月から直近統計の6月まで、ほぼ半年近くに渡って+0.8%を続けています。日銀の物価目標が生鮮食品を除くコア消費者物価(CPI)で+2%ですから、これに比較してかなり上昇率が足りないような印象を受けるんですが、エコノミストの間ではそうは考えられていません。SPPI上昇率の+0.8%というのはかなり高い、というのが私を含めた多くのエコノミストの受け止めではないかと思います。すなわち、原辞の2010年基準のSPPIが利用可能なのはバブル経済直前の1985年からなのですが、消費税率が引き上げられた1997年度や2014年度を例外とすれば、ヘッドラインのSPPI上昇率が+0.8%を超えていたのはバブル経済崩壊直後の1993年3月までさかのぼらねばなりません。ですから、ここ数か月のヘッドラインSPPI上昇率はほぼ四半世紀振りの高さであるといっても過言ではありません。この+1%を少し下回るSPPI上昇率に対して、企業物価(PPI)のヘッドラインである国内物価は現状では約+2%なわけで、CPI換算ではまだ時間がかかるとはいえ、日銀物価目標に着実に近づいているというのが、私の感想です。先行きについては、サービス物価ですから、国際商品市況における石油価格よりもひょっとしたら為替の影響の方が大きいかもしれませんが、国内の人手不足を背景に、引き続き堅調に推移すると私は見込んでいます。先の7月の「展望リポート」で物価目標達成が先送りされましたが、少なくとも方向としては、物価を目標とした現在の日銀金融政策は間違っているわけではない、と考えるべきです。

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2017年7月25日 (火)

わずか2安打で先発岩貞投手を援護できず横浜に完敗!

  RHE
横  浜000000100 141
阪  神000000000 020

打線が援護できず、岩貞投手が筒香選手の一発に沈み横浜に完敗でした。
スコアからは投手戦といえますし、実際にそうだったんですが、実際には点差以上の差があったように感じました。これで、横浜と同率2位となりました。もはや、当面の敵は広島ではなく横浜か?

まだまだ続く消化試合も、
がんばれタイガース!

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日経BP社「第18回環境ブランド調査」の結果やいかに?

とても旧聞に属する話題ですが、7月13日付けで日経BP社から「第18回環境ブランド調査」の結果が明らかにされています。主要560企業ブランドにつき、全国の消費者2万300人から環境ブランド指数を構成する4つの指標「環境情報接触度」、「環境コミュニケーション」、「環境イメージ」、「環境評価」の結果を得て指数化しています。昨年トップのトヨタ自動車から、今年はサントリーは首位を奪回しています。なお、サントリーは2011~15年まで5年連続でトップでした。100位までのランキングは以下の通りです。

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私の直観的な理解ながら、上位には食料や飲料、自動車、総合小売り業などが入っているようです。消費者を対象にしたアンケート調査結果ですから、当然ながら、BtoBの企業はいていません。高炉を持っているような製鉄会社、エチレン・プラントを主力とするような化学会社などです。そういったところこそ環境に対する負荷、特にCO2排出などが大きそうな気がするんですが、いかがなものでしょうか。それとも、環境ブランドとしては下位に沈んでいるんでしょうか?

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2017年7月24日 (月)

IMF「世界経済見通し改定」やいかに?

本日、クアラルンプール時間の午前11時に国際通貨基金(IMF)から「世界経済見通し改定」World Economic Outlook Update, July 2017 が公表されています。ヘッドラインとなる世界経済の成長率は今年2017年が+3.5%、来年2018年が+3.6%とともに4月時点から据え置かれています。

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まず、IMFのサイトから世界経済の成長率見通しの総括表を引用すると上の通りです。4月の「世界経済見通し」World Economic Outlook から大きな変更はありませんが、米国の成長率は2017年+2.3%から+2.1%に、2018年+2.5%から+2.1%に、それぞれ下方修正されています。どうしてかというと、財政政策が先に想定していたほど拡張的ではない "fiscal policy will be less expansionary than previously assumed" ということだそうです。他方、国別の数字は上げませんが、フランス、ドイツ、イタリア、スペインなどの多くのユーロ圏諸国の成長率は2017年の成長予測が上方修正されています。2017年1-3月期の成長率が予想以上に良好で、想定よりも強い国内需要のモメンタムが示されていると指摘されています。私のややひねくれた見方を示せば、フランス大統領選挙でのEU支持派の勝利という政治的な動向も影響しているんではないか、という気がしています。そして、我が日本については、2017年の成長見通しがやはり+0.1%ポイント上方修正されて+1.3%と見込まれており、来年2018年は4月時点の見通しから変わらず+0.6%で据え置かれています。なお、2018年の成長率見通しが2017年から大きく縮小するのは、2017年の成長率が過去にさかのぼった統計の見直し "a comprehensive revision of the national accounts" によるものであると、4月の「世界経済見通し」に明記されている通りです。ですから、ゼロ・パーセント台半ばが我が国の成長率の実力というか、潜在成長率であると考えるべきです。中国などの新興国についても4月時点から大きな変更はありません。
最後に、先行きリスクについては、短期的なリスクは概ね均衡状態にある一方で、中期的には依然として下振れリスクに傾いている "Short-term risks are broadly balanced, but medium-term risks are still skewed to the downside." と指摘しています。また、私の解釈としては、主として米国の金融引き締めの影響についてだろうと思うんですが、世界的な金融引き締めが予期していたよりも急速に行われたり、先進国・地域が保護主義へとシフトしたりした場合は、新興国市場からの資本流出が再び加速することになる "a shift toward protectionism in advanced economies could reignite capital outflow pressures from emerging market" リスクも指摘しています。

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2017年7月23日 (日)

先発メッセンジャー投手の豪打と好投でヤクルトに完勝!

  RHE
阪  神001000400 5100
ヤクルト000000000 061

先発メッセンジャー投手の先制ホームランと好投でヤクルトに完勝でした。
中盤までは、相変わらず打てない打線だったんですが、7回ラッキーセブンに中谷選手のホームランが飛び出し、梅野捕手のセーフティ・スクイズもお見事で、さらに、上本選手のダメ押しスリーベースも快心の当たりだったように見受けられました。投手陣は8回まで零封のメッセンジャー投手をクローザーのドリス投手がつないで、東京ヤクルトに完封勝ちでした。

まだまだ続く消化試合も、
がんばれタイガース!

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2017年7月22日 (土)

わずかに4安打でヤクルトの連敗脱出を大いにアシスト!

  RHE
阪  神020000000 240
ヤクルト22000200x 671

序盤から能見投手が失点を重ね、ヤクルトの連敗脱出をアシストしてしまいました。
相変わらず、バントも出来ず、得点機に弱い打線、さらに、能見投手はそろそろ限界ですかね。ここまで勝てないともう復活はないかもしれません。それにつけても、早くも7月にして消化試合ですからのんびりしたもんです。

明日のナイターものんびりと、
がんばれタイガース!

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今週の読書はかなり経済書があって計6冊!

今週の読書は経済書もタップリと計6冊。以下の通りです。

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まず、藤井聡『プライマリー・バランス亡国論』(育鵬社) です。著者は都市社会工学専攻の京都大学教授ですが、現在は内閣官房参与として、ご専門の防災・減災ニューディール担当だけでなく、幅広く公共政策に関して現在の安倍内閣をサポートしているようです。本書ではタイトル通り、財政政策から幅広く経済ア制作一般について取り上げ、特に、基礎的財政収支=プライマリー・バランス(PB)を2020年度に黒字化との財政政策目標について、この目標は2010年の民主党政権の菅内閣のころのものであり、過度に財政を黒字化することから日本経済にはマイナスであり、もちろん、デフレ脱却にも逆行し、財政再建の目標と相反して、財政赤字を増加させかねないと主張しています。リフレ派のエコノミストである私の考えともかなりの程度に一致しており、実際に、民主党政権下で与野党合意した10%への消費税率引き上げについては、第2段階目の10%への引き上げが何度か先送りされたものの、第1段階での2014年4月時点での8%への引き上げで大きなダメージがあり、まだ消費が消費税引き上げ前の状態に戻っていないのも事実です。もちろん、放漫財政に堕することは避けねばならないとしても、現時点で、日銀の異次元緩和の下で量的緩和のために国債が大量に日銀に市場で買い上げられている状況では、我が国政府債務のサステイナビリティには特に問題もなく、過剰に消費税率を引き上げてまで財政再建に取り組むのは行き過ぎであり、従って、フローとしてのプライマリー・バランスの黒字化ではなく、ストックとしての政府債務残高のGDP比を安定させることをもって政府目標とすべき、というのは本書の主張です。ついでに、企業や政府の債務によって経済が成長する、とも主張されています。まったく私のその通りだと考えます。私の基本的な経済政策スタンスとして、ほぼほぼ100%本書の趣旨に賛同する、という前提の下で、いくつか指摘しておきたい点があります。というのは、第1に、1947年の第1回経済白書で「家計も企業も政府も赤字」という有名な表現がありますが、マクロ経済学的に家計部門、企業部門、政府部門、海外部門の4セクターの貯蓄投資バランスを純計するとゼロになります。データの制約がなければ、世界各国の貿易収支の純計がゼロになるのと同じ理屈です。ですから、政府や企業が債務を発生させて投資を行い、経済を成長させるためには何らかの貯蓄の原資が必要になります。第2に、私もその昔に大学の教員で出向していた際に、財政の持続可能性に関する紀要論文を取りまとめ、政府の目標とすべきはフローの財政バランス化、あるいは、ストックの政府債務残高か、と考えを巡らせましたが、やはり、ストックの政府債務残高の方が内生性が高く、すなわち、政府が政策変数として操作できるのはフローの財政バランスであって、その結果としてストックの政府債務残高が内生的に決まる、としか考えようがありませんでした。まあ、金融政策では、通常の場合、オペレーションを操作して金利を目標にするわけですから、本書のように内生性が高くても政府債務残高を目標にすべきという議論は十分に成り立ちますが、まずは、毎年の予算における財政バランスに目が行くのもあり得ることだという気はします。

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次に、田代毅『日本経済 最後の戦略』(日本経済新聞出版) です。著者はよく判らないんですが、経産研の研究者ということのようです。博士号の学位は取得していないのでポスドクでもなさそうですし、大学の教員でもないようです。よく判りません。とはいうものの、本書の主張もかなり幅広いものの、現在の政府の経済政策を多くの点でサポートしている分析を展開しています。特に、浜田教授がシムズ論文に触発されて、デフレ脱却における財政政策の役割を主張し始めていますが、本書の著者は明確に物価水準の財政理論 (Fiscal Theory of Price Level, FTPL)を支持しています。ただ、私も本書のタイトルにひかれて読み始めましたが、実は、日本経済の現在のパフォーマンスの低さは政府債務の累積から生じていると、私の目からは論証希薄でアプリオリに前提した上で、いかに債務の負担を軽減するか、というお話に終始しているようです。債務以外の成長論や金融財政政策以外の幅広い経済政策を取り上げているわけではありません。逆に、債務の重責からの脱却についてはとても幅広く考察を巡らせています。例えば、金融抑圧、資産課税、民営化などの政府資産売却、デフォルトや債務再編、インフレなど、普段あまりメディアや学界などでは議論されない選択肢があることを提示しています。官庁エコノミストとしては、実際の政策としては、手を付けにくい選択肢であるといわざるを得ません。また、ほぼ政府債務だけを成長の阻害要因としていますので、それ以外の人口動態とか通商政策などには目が向けられていません。ですから、第6章の財政余地の使い道などについても明確ではなく、子育てや少子化対策、あるいは、家族の支援などの高齢者への社会保障ではない社会保障、あるいは、インフラ整備などへの使途が考えられるんですが、そのあたりの分析は物足りないものがあります。また、債務危機に関してギリシアが何度か取り上げられていますが、私は内国通貨で発行されている国債については、日本の場合はサステイナビリティにはほとんど問題ない、と認識していますので、やや的外れな印象もありました。ただ、経済成長と財政再建はトレードオフではないと主張し、タブーを恐れず、あらゆる政策手段・目標を総動員して長期停滞から脱出すべく、クルーグマン教授の用語でいえば「脱出速度」を上げ、同時に、債務問題を解決するための手立てを探るという知的な取り組みはなかなかのものがあります。債務整理以外の問題が何も取り上げられていないのはやや物足りませんし、結論がややありきたりかもしれませんが、それなりにあらゆる選択をを考慮する頭の体操にはよさそうな気がします。繰り返しになりますが、官庁エコノミストには議論すらムリそうな主張も数多く含まれています。

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次に、 谷口明丈・須藤功[編]『現代アメリカ経済史』(有斐閣) です。アメリカ経済史学会のメンバー17人が序章と終章を除く17章のチャプターごとに執筆した本です。タイトルそのまんまなんですが、副題は『「問題大国」の出現』とされています。17章をズラズラと並べるわけにもいきませんから、4部構成となっていて、第1部 経済と経済政策、第2部 金融市場と金融政策、第3部 企業と経営、第4部 社会保障・労働と経済思想、となっているんですが、最後の第17章のように、苦しい配置になっているチャプターもあります。年代の範囲は1929年の大恐慌やニュー・ディールあたりから、2008年のリーマン・ショックまでをカバーしています。ハッキリいって、チャプターごとに精粗まちまちで、マルクス『資本論』やレーニン『帝国主義論』が参考文献に出るようなチャプターもあれば、歴史かどうか疑わしい、例えば、第17章などもあります。チャプターごとに読者の方でも参考になったり、興味を持てたりするかしないか、いろいろとありなんだろうと思いますので、私のようにそれなりの時間をかけて通して読むというよりも、ひょっとしたら、興味あるチャプターを拾い読みするべきなのかもしれません。なお、私の場合、第1部では反トラスト政策の変遷が興味ありましたが、スタンダード・オイルの成立などを考えると、1929年からではなく1880年ころから追って欲しかった気もします。第2部の金融は概ね出来がよかったです。第3部はともかく、第4部は経済史のカテゴリーに収まり切らない気もしましたが、現在の米国の経済的な格差を考えると、もっと注目していい分野かもしれません。伝統的なマルクス主義的経済史の考えによれば、原始共産制から始まって、古典古代の奴隷制、中世の農奴制、そして、近代以降のブルジョワ資本主義から、革命があるとすれば、社会主義や共産主義に歴史は進むんでしょうが、米国の場合は、おそらく、近代資本主義からいきなり始まるんではないかという気がします。最後に、経済史の範疇ではありませんが、教育についてはもっと掘り下げた歴史的な分析が欲しい気がします。500ページを超えるボリュームで、さすがの私も読み切るのにかなり時間がかかってしまいました。ただ、悲しいながら、ノートを取りながらていねいに読むタイプの学術書ではありません。これも、ハッキリいって、学術書としての出来はそれほどオススメ出来ません。

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次に、小林由美『超一極集中社会アメリカの暴走』(新潮社) です。著者はよく判らないながら、金融機関でエコノミストをしていたようです。もう定年近い私よりもさらに年長の方のようです。10年ほど前に『超・格差社会アメリカの真実』というタイトルの本も出版されているようですから、米国における格差について長らく着目されているようです。ただ、経済学的な鋭い分析はありませんので、一般読者には判りやすい可能性がある一方で、例えば、エコノミストの目から見たりすれば、ややデータに基づく検証が少なくて情緒的な印象が残るかもしれません。出だしが、「0.1%」対「99.9%」ですから、ウォール街を占拠せよのオキュパイ運動の1%をさらに情緒的に細かくした印象を私は持ちました。こういった経済学的ではなく、単なる表現上の強調には私は感心しません。現在の米国で所得や富が一極集中しているのは、エコノミストでなくてもかなり多くの人々がすでに知っている、というか、少なくとも日本人でも知識としてはあるわけですから、本書のようにその実態を伝えないのであれば、著者のようにメディアから知ることのできる一般論を羅列するのではなく、ジャーナリスト的にもっと取材に基づく確固たる事実を、たとえバイアスがあったとしても、もっと個別の事実を集めるべきだったような気がします。昨年お米国大統領選挙で、あるいは、民主党の予備選挙でサンダース候補があそこまで食い下がった要因、そして、何よりもトランプ米国大統領が当選した背景など、格差とどのような関係にあり、本書のチャプターのタイトルを用いれば、ウォールストリートの強欲資本主義、あるいは、シリコンバレーの技術革新、などなどとどのような関係を見極めるべきか、知りたいところです。私自身は本書の著者の主張と相通ずるところがあり、現在の米国の混乱や不安定、典型的にはトランプ大統領誕生を支えた移民に対する排斥感情など、こういった考えは現在までの政治の怠慢、ないし、不作為から生じており、政治がキチンと向き合えば、そして、政府が適切な政策を採用すれば、完全なる解決とまではいわないにしても、それなりの緩和措置は可能なハズだと、本書の後半の底流をなしていますし、私もそう考えています。しかし、現時点では、英国がEU脱退を国民投票で決めたり、米国にトランプ大統領が誕生した一方で、フランスのマカロン大統領の当選のように、ポピュリズム一色で反民主主義的な傾向が一直線に進むわけではありません。米国だけを見ていれば、本書のように「メガトレンド」と感じてしまうのかもしれませんが、まだまだ先進国の中にも捨てたものじゃない国は残っています。

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次に、野中郁次郎『知的機動力の本質』(中央公論新社) です。著者は、旧日本軍の敗因を分析したベストセラーである『失敗の本質』の著者の1人であり、一橋大学の名誉教授です。本書は中公新書で出版された『アメリカ海兵隊』の続編だそうですが、私は余りにも専門外なので読んでいません。ということで、タイトルがとても魅力的だったので借りて読みましたが、要するに、米国海兵隊の提灯持ちをしているだけのような気がします。米国海兵隊のどこが知的であり、どこが機動的なのかはまったく理解できませんでしたし、当然、知的であったり、機動的であったりする要因も見当たりませんでした。まあ、米国海兵隊が世界水準からみても最強の軍隊のひとつである点は、専門外の私でもほのかに理解できる気がしますし、その強さについて歴史的な観点も含めた分析も有益かもしれませんが、これが我が国の企業経営に役立つ、米国海兵隊が我が国企業のロールモデルになる、とは私のようなシロートからは考えられません。せいぜいが、精神論的な役割くらいではないでしょうか。まずもって、私が奇異に感じるのは米国海兵隊というのは戦闘や武力行使を行う集団であって、政治や外交の一部としての戦争を行う集団ではない、と私は考えています。シビリアン・コントロールを持ち出すまでもなく、クレマンソーではないですが、「戦争は将軍に委ねるにはあまりに重大な問題だ」ということであり、戦争を遂行するのはあくまで政治家であり、戦争の中の戦闘行為を行うのが軍隊である、と私は考えています。そういった観点は本書にはまったく見られません。逆に、とぼけたことに、消防士がいるから火事があるのではないとうそぶいていますが、戦争は軍隊があるから誘発される場合があり、なぜなら、戦争は単なる戦闘行為ではなく、武力をもって行う政治や外交の延長だからです。繰り返しですが、米国海兵隊が最強の軍隊のひとつである認めるにやぶさかではないものの、知的であるのは戦闘行為の基になる戦争を遂行する政治や外交レベルが知的なのだからであり、機動的なのは先進工業国である米国の製造業が軍隊を機動的に運送する手段を提供するからです。いずれも米国海兵隊に付属する特徴かもしれませんが、本書のように米国海兵隊を政治や外交、あるいは、国内産業から切り離して論ずるのは意味がないと私は考えています。昨日金曜日夜の時点でアマゾンの書評も意見が分かれており、星5ツが2人、途中がなくて、星1ツが1人です。私は星1ツの書評に同意する部分が多いような気がします。

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最後に、荒居蘭ほか『ショートショートの宝箱』(光文社文庫) です。30のショートショートが収録されています。作者もほぼほぼシロートに近い駆け出し作家から、それなりに名の知れた小説家まで、とても幅広く、もちろん、作品の傾向も星新一もどきのSF、あるいは、ホラー、ちゃんと完結していないもののミステリ、さらに、青春や家族や恋愛やといったフツーの小説のテーマまで、極めてバラエティ豊かに収録しています。たぶん、涙が止まらないといった泣けるお話はなかったように思いますが、心温まるストーリー、思わず吹き出すような滑稽さ、ほっこりしたり、ジーンと来たり、やや意外な結末に驚いたり、1話5分ほどで読み切れるボリュームですから、深く感情移入することはできない可能性もありますが、ごく日常の時間潰しにはもってこいです。電車で読んだり、待合わせや病院の待ち時間に楽しんだり、夜寝る前のひとときなど、私のような活字中毒の人間が細切れの時間を有効に活用するためにあるような本だという気がします。スマホではなく、読書で時間潰しする人向けです。また、私はごく平板に読み切ってしまいましたが、お気に入りの作品を探すのもひとつの手かもしれません。

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2017年7月21日 (金)

NTTデータ経営研究所「AI/ロボットによる"業務代替"に対する意識調査」の結果やいかに?

昨日、7月20日にNTTデータ経営研究所から「AI/ロボットによる"業務代替"に対する意識調査」の結果が明らかにされています。2045年ともされるシンギュラリティに向かって、とても興味あるテーマです。オックスフォード大学や野村総研でもいくつか研究成果が明らかにされていて、このブログでも取り上げたことを記憶しています。まず、NTTデータ経営研究所のサイトから【調査結果 概要】を6点引用すると以下の通りです。

【調査結果 概要】
  • 「仕事はまるごと消えない。テクノロジー代替は3割程度で、7割の仕事が"手元に残る"」、「将来的に自分の仕事を代替するのは、テクノロジーよりもむしろ"自分以外の人間"」と考える傾向
  • 「コミュニケーションや創意工夫が必要な仕事は、引き続き人間が行うだろう」、一方で、「手順とルールが決められた業務は自動化されるだろう」と考える傾向
  • テクノロジーによる業務代替。過半数が"ポジティブ"
  • 「業務へのシステム、AI、ロボット等による人間の仕事の代替について、どのように感じますか」
    →「非常に楽しみであり効果に期待している」「期待をもっている」などのポジティブな回答が59%
  • AI・ロボット化に対して具体的な準備を行っているのは9%
  • さらにその中から、「環境変化に強い、上位7.7%の人物像」が判明。このグループは異動や転職等の環境変化にも適応する傾向、また、所属する職場での貢献実感が高く自己肯定感が強い

もう少しコンパクトに取りまとめて欲しい気もしますが、まあ、判りやすくはあります。上に引用した通り、結果はかなり楽観的で、ポジティブなようです。ということで、とても興味深いテーマですから、グラフをいくつか引用しつつ論点を絞って簡単に取り上げておきたいと思います。

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まず、リポートから 図表2-2. 自業務の、テクノロジー代替余地に関する認識 を引用すると上の通りです。最初に引用した【調査結果 概要】にもあった通り、「仕事はまるごと消えない。テクノロジー代替は3割程度で、7割の仕事が"手元に残る"」ということなんだろうと思います。このブログの2016年1月7日付けで取り上げたところですが、野村総研がオックスフォード大学グループの手法により日本で試算したところ、日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能、との結果を得ていますので、この50%近い数字に比較すれば、ポジティブというか、根拠なく楽観的な気もします。また、図表の引用はしませんが、もう少し具体的な業務内容に関してテクノロジーでの代替可能性を考えると、第1に、手順とルールが決められた業務は自動化されるだろう、第2に、人とのコミュニケーションが発生する業務は、引き続き人が行うだろう、第3に、創造的な仕事も、引き続き人が行うだろう、といった調査結果が示されています。

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次に、リポートから AI/ロボット等の自動化テクノロジーに関する感情 に関して、いくつかの図表をまとめて引用すると上の通りです。全体の結果として、ポジティブな「期待派」とネガティブな「抵抗派」の円グラフとともに、棒グラフで性別・年収別・年齢別の期待派と抵抗派の内訳を示しています。全体では期待派の方が多いところ、性別では男性が期待派が多いにもかかわらず、女性では抵抗派の方が多くなっています。年収別では高所得の方が期待派が多い一方で、低所得では抵抗派が目立ちます。ただし、年齢別には大きな差は見られません。なお、グラフは引用していませんが、正社員では期待派が多い一方で、派遣社員・契約社員では抵抗派の方が多くなっていたりします。
最後に、グラフは引用しませんが、この調査結果でもっとも楽観的と考えられるのは、AI/ロボット等のテクノロジーによる自動化により、削減された労働時間をいかに有効に活用するかについての回答で、「プライベートを充実させる」や「早く帰宅する」という趣旨の回答を答えた人は全体の74.2%に上ります。さらに、AI/ロボット等のテクノロジーによる自動化に対する対策については、9%のみが対応している一方で、91%は対策は取っていません。まあ、そうなんでしょうね。

本日、内閣府から「財政経済白書」が公表されています。かつては、このブログでもがんばって当日中に取り上げたこともあるんですが、最近時点では取り逃している場合が多くなっています。新聞やテレビなどの大手メディアでも注目している人気の白書ですから、このブログでは今年も遠慮しておきたいと思います。

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2017年7月20日 (木)

2か月振りに黒字を記録した貿易統計における輸出の先行きやいかに?

本日、財務省から6月の貿易統計が公表されています。季節調整していない原系列の統計で見て、輸出額は前年同月比+14.9%増の5兆8514億円、輸入額は+17.8%増の6兆547億円、差引き貿易収支は▲2034億円の赤字を計上しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

6月の貿易収支、2カ月ぶり黒字 4399億円 1~6月は3期連続黒字
財務省が20日発表した6月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は4399億円の黒字だった。貿易黒字となるのは2カ月ぶり。QUICKがまとめた市場予想の中央値は4880億円の黒字だった。半導体製造装置や自動車などの輸出が好調に推移したが、石炭などをはじめとした輸入額の伸びが上回り前年同月の黒字幅(6864億円)は下回った。
輸出額は前年同月比9.7%増の6兆6075億円と7カ月連続で増加した。6月の為替レート(税関長公示レートの平均値)が1ドル=110.91円と前年同月に比べ円安だったことに加え、数量ベースでも堅調に推移した。
韓国向けのIC製造装置が好調だったほか、米国向けの自動車や台湾向けの鉄鋼板製品の伸びなども目立った。地域別では対米国が7.1%増、対欧州連合(EU)が9.6%増、対アジアが13.6%増といずれも増加した。
輸入額は15.5%増の6兆1676億円となった。資源価格が前年同月から上昇しているのに伴い、石炭や液化天然ガス(LNG)、原粗油の輸入額が増加した。石炭は主要な輸入先であるオーストラリアをサイクロンが襲った影響などで価格が高くなっているうえ、数量ベースでも19.8%増加した。
併せて発表した2017年1~6月の貿易収支は1兆444億円の黒字だった。半期ベースで3期連続の黒字となったが、資源関連の輸入額の増加によって前年同期と比べ黒字幅は4割縮小した。輸出額は前年同期比9.5%増の37兆7872億円、輸入額は12.2%増の36兆7428億円となった。輸出について、財務省は昨年発生した熊本地震からの反動増も「少なからず出ているのではないか」とみている。

いつもの通り、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、貿易統計のグラフは以下の通りです。上下のパネルとも月次の輸出入を折れ線グラフで、その差額である貿易収支を棒グラフで、それぞれプロットしていますが、上のパネルは季節調整していない原系列の統計であり、下は季節調整済みの系列です。輸出入の色分けは凡例の通りです。

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まず、貿易収支については、季節調整していない原系列の統計では、4月黒字、5月赤字、6月黒字となった一方で、季節調整済みの系列では4~6月の3か月とも黒字ながらも、一貫して黒字幅は縮小を続けました。ひとつには国際商品市況における石油などの資源価格の動向に起因する輸入額の増加が要因なんですが、少なくとも、我が国の輸入価格指数に見る原油価格については、昨年2016年1~3月期にほぼ底を打って上昇に転じた後、今年2017年1~3月期に上昇局面を終えて、その後は小幅な動きになっています。大雑把に直近時点で高止まりしているカンジですが、ここ2~3か月はそれなりに安定して推移していると評価できます。それにしても、輸入物価が上昇しているんですから、我が国から見て交易条件が悪化しているわけです。また、引用した記事にもある通り、昨年4月の熊本地震からの反動による輸入増も一定のボリュームがあったようです。先月と同じように、鉱物性燃料の6月の輸入額について前年同月比を計算すると+31.1%であり、5月の+40%超よりやや伸び率は鈍化したものの、このブログでも私が何度か主張した通り、輸入については「要るモノは要る」というのが私の考えであり、特に、そのモノが鉱物性燃料であれば輸入せざるを得ないわけですから、我が国のマクロ経済には何ら問題なはいと考えています。

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輸出をいくつかの角度から見たのが上のグラフです。上のパネルは季節調整していない原系列の輸出額の前年同期比伸び率を数量指数と価格指数で寄与度分解しており、まん中のパネルはその輸出数量指数の前年同期比とOECD先行指数の前年同月比を並べてプロットしていて、一番下のパネルはOECD先行指数のうちの中国の国別指数の前年同月比と我が国から中国への輸出の数量指数の前年同月比を並べています。ただし、まん中と一番下のパネルのOECD先行指数はともに1か月のリードを取っており、また、左右のスケールが異なる点は注意が必要です。中国や欧州をはじめとする海外経済の順調な回復・拡大に応じて、我が国の輸出数量も拡大を示しています。上のグラフのうちの一番上のパネルを見ても、最近数か月では輸出額の伸びのうち、青い価格の寄与よりも赤い数量の寄与の方が大きくなっているのが見て取れます。下の2つのパネルからも、先進国や中国のOECD先行指数の上昇に伴った我が国からの輸出の拡大が示されています。

  実質GDP消費者物価指数
(除く生鮮食品)
 
消費税率引き上げの
影響を除くケース
 2017年度+1.5~+1.8
<+1.8>
+0.5~+1.3
<+1.1>
 4月時点の見通し+1.4~+1.6
<+1.6>
+0.6~+1.6
<+1.4>
 2018年度+1.1~+1.5
<+1.4>
+0.8~+1.6
<+1.5>
 4月時点の見通し+1.1~+1.3
<+1.3>
+0.8~+1.9
<+1.7>
 2019年度+0.7~+0.8
<+0.7>
+1.4~+2.5
<+2.3>
+0.9~+2.0
<+1.8>
 4月時点の見通し+0.6~+0.7
<+0.7>
+1.4~+2.5
<+2.4>
+0.9~+2.0
<+1.9>

最後に、貿易統計を離れて、上のテーブルは日銀金融政策決定会合で示された「展望リポート」から政策委員の大勢見通しを引用しています。日銀のインフレ目標である「2%程度に達する時期は、2019年度頃になる可能性が高い」(p.4)と、目標達成時期は後送りされました。

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2017年7月19日 (水)

去年も今年も大事なところで広島に勝てずに優勝は絶望か!

  RHE
広  島000002183 14151
阪  神020000100 372

中盤まで接戦ながら8回のマテオ投手のリリーフで試合が壊れました。去年も今年も大事なところで広島に勝てずに優勝は絶望になった模様です。
帰宅した時点ですでに中盤から終盤の競り合いの見応えある試合でした。先発小野投手もよく投げました。しかし、さすがに酷使に次ぐ酷使の勝ちパターンのリリーフ陣が崩れてしまいます。8回には試合が壊れ、今の阪神打線では追いつけない点差になってしまいました。次々と出るケガ人、7月にして早くも疲れの見える投手陣、相変わらずここぞという場面で打てない打線、キャンプで何をしていたのかが問われます。

消化試合はのんびりと、
がんばれタイガース!

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野村総研による国内100都市を対象とした成長可能性ランキングやいかに?

とても旧聞に属する話題ながら、7月5日に野村総研がランキングによる都市の持つ「成長可能性」の可視化というタイトルでNRIメディアフォーラムを開催したタイミングで、国内100都市を対象に成長可能性をランキングした結果を明らかにしています。野村総研が提唱する産業創発力の観点から現状と将来のポテンシャルを分析した「成長可能性都市ランキング」が明らかにされています。当日の配布資料もpdfでアップされていて、詳細な情報の入手が可能となっています。今夜のところは、地図でプロットされたトップテンのランキングの画像だけ引用しておきます。

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上の画像は、総合ランキングでみた成長可能性の高い上位都市を地図に落としています。要するに、現状でのランキングといえます。見れば明らかな通り、東京都区部がトップ、2位が福岡市、3位が京都市となっています。東京都区部は文句なしでしょうが、福岡市は空港・港湾・新幹線へのアクセスや多様性に対する許容度などが評価されています。京都市は文化財やアートとのふれあい、国際的な開放度、都市内の公共交通機関の充実などがアドバンテージとして上げられています。まあ、そうなんでしょうが、よく調べれば、そういった都市はもっとありそうな気もします。名古屋市がトップテンに入っていないのも、少し違和感があります。

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次に、上の画像は、ポテンシャルランキングでみた成長可能性の高い上位都市のトップテンです。ここで、東京都区部や大阪市などが軒並み抜けるのに対して、福岡市がトップに躍り出ます。そして、地図を見れば明らかな通り、ポテンシャルでは西高東低の分布となっています。というか、トップテンについては九州に多く集中しており、沖縄も含めれば九州・沖縄でトップテンのうち6都市を占めています。しかしながら、トップの福岡市については、例えば、ビジネス環境が整っているにもかかわらず独自の産業が少ない点を上げて、伸びしろが大きいと判断されたようで、少し疑問に感じないでもありません。まあ、私なんぞが思いつきもしない観点がたくさんあるんだろうという気はします。

最後に、評価視点別ランキングとして、4点目に人材の多様性・充実という観点があるんですが、トップが東京都区部で2位が京都市と、大学ランキングみたいなんですが、九州というか、関西から西の地方は、この項目に弱点があります。ようやく5位に福岡市が入っているだけで、あとは首都圏に名古屋圏に関西圏となっています。地方の活性化のためには進学・教育や仕事の面で人を引きつける必要があると考えられ、こういった弱点を克服しつつ地方再生が進むんだろうと思います。

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2017年7月18日 (火)

首位攻防第2戦は広島にボロ負けして昨夜の勝利が元の木阿弥!

  RHE
広  島051200100 9120
阪  神000000032 571

昨夜は何とか辛くも逃げ切って、優勝のためには3連勝が絶対条件のこの首位攻防戦でしたが、広島にボロ負けして元の木阿弥でした。
7時半過ぎに帰宅した時点ですでに中盤に入っており、先発岩貞投手の姿はマウンドになく、現在の阪神打線ではどうしようもないほどの点差がついていました。収穫はロジャース選手の初安打初タイムリーくらいで、加えて、終盤8~9回の反撃が明日につながることを期待したいと思います。

もう負けられない。
がんばれタイガース!

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東京商工リサーチによる「女性役員比率」調査の結果やいかに?

やや旧聞に属する話題かもしれませんが、先週7月10日付けで東京商工リサーチから2017年3月期決算の上場企業2,430社「女性役員比率」調査の結果が明らかにされています。2017年3月期決算の上場企業2,430社の役員総数は2万8,465人に上るうち、女性役員は957人で全体のわずか3.3%にとどまっています。グラフを引用しつつ、簡単に取り上げておきたいと思います。

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まず、上の円グラフは2017年3月期決算の上場企業2,430社すべての女性役員比率です。繰り返しになりますが、上場企業2,430社の女性役員比率は3.3%で極めて低く、しかも、女性役員が1人もいない企業が1,682社(69.2%)と7割近くを占めます、このゼロを含めて、上のグラフに見られる通り、女性役員比率10%未満が2,088社(85.9%)に上っています。他方、わずかに1社ながら、50%以上の企業もあったりします。お化粧品製造のシーボンで、女性比率は60%だそうです。

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次に、やや粗めの業種別の女性役員比率のグラフは上の通りです。もう少し細かい業種で見る女性役員の構成比では、最高が保険業の12.4%で11社の役員総数169人のうち女性役員は21人でした。以下、石油・石炭製品は5.77%で役員総数104人のうち女性役員6人、医薬品は5.74%で役員総数523人、女性役員30人、空運業は5.3%で役員総数56人、女性役員3人、サービス業は5.2%で役員総数2,043人、女性役員108人と続いています。一方、最低は鉄鋼の1.5%で役員総数517人、女性役員8人だそうです。逆に、女性役員がゼロの企業の構成比は、最高がゴム製品で85.7%の12社、次いで、電気機器で82.0%の165社、建設業で81.7%の112社、金属製品で81.5%の53社、鉄鋼で81.4%の35社となっています。石油・石炭製品を別にすれば、極めて大雑把に、いわゆる重厚長大産業で女性役員比率が低く、女性の活躍の場の多い保険業などの非製造業で女性役員比率が高いのかもしれません。

政府見解の受け売りに近いんですが、一般的に、女性が企業の意思決定に関わることで多様な価値観が企業の経営に反映され、多様な価値観を受容する組織ではイノベーションが促進される場合が多いと考えられています。そういった観点から、また、働く女性の処遇からも、女性役員比率の上昇が望まれそうな気がします。

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2017年7月17日 (月)

ウルトラの夏、広島との首位攻防第1戦を競り勝つ!

  RHE
広  島001000000 160
阪  神00020000x 2100

オールスター明けのウルトラの夏、広島との首位攻防第1戦は競り勝って4連勝でした。
序盤は3回の押し出しで先制され、やや重苦しい立ち上がりでしたが、4回ウラに下位打線で逆転し、そのまま、強力リリーフ陣で競り勝ちました。糸井選手の退場は心配ですが、西岡選手の復帰は心強い限りです。

優勝のためには広島戦は3連勝で、
がんばれタイガース!

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マクロミル・ホノテによる「働く大人の夏休み事情」やいかに?

やや旧聞に属する話題かもしれませんが、マクロミル・ホノテから7月4日付けで「働く大人の夏休み事情 (2017年版)」と題してアンケート調査結果が明らかにされています。まず、マクロミル・ホノテのサイトからTOPICSを4点引用すると以下の通りです。

TOPICS
  • 会社員の夏休み、理想は平均9.5日間、現実は平均5.7日間
  • 夏休みの予定、「お出かけ・旅行」が61%で最多、次いで「家でゆっくり過ごす」45%、「帰省」35%
  • お出かけや旅行で重視するポイント、1位「予算」66%、2位「グルメ」52%、3位「のんびりできる」48%。Instagramユーザーは、「良い景色・絶景」もポイントに!
  • 家での過ごし方は、多い順に、「睡眠」63%→「TV」59%→「読書」35%→「ネット」30%

ということで、エコノミストにとっても、それなりに興味ある話題ですので、図表を引用しつつ簡単に見ておきたいと思います。

photo

まず、上のグラフはマクロミル・ホノテのサイトから 夏休み取得予定日数(最大連休)と、理想の夏休み期間 を引用しています。夏休みを取得する予定はないとする回答者が20%に上るものの、理想としては65%が「1週間以上」と回答し、平均は9.5日間であったのに対して、実際にとれる休みの平均は6.2日間だったそうです。理想と現実の間にはこれくらいの差があるのかもしれません。

photo

グラフの引用は省略しますが、その夏休みの予定について、最多は「お出かけ・旅行」で61%。次いで「家でゆっくり過ごす」45%、「帰省」35%ということになっています。我が家の場合、下の倅がもう1年大学受験生をしていますので、上の倅の単独行を別にすれば、受験生を放り出して親が勝手に出かけるのもはばかられ、家にいることになりますので、上のグラフはマクロミル・ホノテのサイトから 夏休みの家での過ごし方 (上位5位) を引用しています。まあ、こんなカンジなんでしょうね。私は自転車で行ける範囲の近場、例えば、プールや図書館などには出かけたいと考えています。

最後に、ディムスドライブでも同じように「夏休みの計画」に関するアンケートが実施され、結果が明らかにされています。ほかにもいっぱいありそうな気がしますが、取りあえず、ご参考まで。

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2017年7月16日 (日)

エコノミスト誌によるビッグマック指数やいかに?

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英国エコノミスト誌の最新号において、世界各国の購買力平価を計測するひとつの指標であるビッグマック指数が明らかにされています。今年初めからの変化も含めて、上のグラフの通りです。
スライドが右にあるほど自国通貨が米ドルに比べて高く評価されていて、逆に、左にあるほど低く評価されているわけです。本文から引用すると、日本円については、"The latest version of the index shows, for example, that a Big Mac costs $5.30 in America, but just ¥380 ($3.36) in Japan. The Japanese yen is thus, by our meaty logic, 37% undervalued against the dollar." ということになります。

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2017年7月15日 (土)

今週の読書は小説中心に計5冊にペースダウン!

今週の読書は先週から少しペースダウンして、小説もあって計5冊です。以下の通りです。

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まず、米倉誠一郎『イノベーターたちの日本史』(東洋経済) です。著者は一橋大学などの経営誌の研究者ですが、すでに第一線を退いています。本書では、明治期からの我が国の近代史におけるイノベーターを跡付けています。そして、その上で、日本や日本人がクリエイティブではなく、いわば猿マネで経済発展してきた、とまではいわないまでも、独創的なイノベーションには弱くて、欧米で開発された独創的なイノベーションを日本的システムに適用する場面で強みを発揮する、という見方を否定し、独創的なイノベーターが我が国にもいっぱいいた事実を発掘しています。典型的には、財閥という経済組織をどう考えるか、なんですが、本書の著者はマネージメントに秀でた人材が希少だった点を重視し、そういった人材をいろんな産業分野で活用するという点で財閥はイノベーティブであった、と結論しています。確かにそうだったがもしれません。優れたマネージャーという希少な人材を財閥本社で雇用し、必要な場面に応じて銀行や商社や石炭や繊維やといったコングロマリット内の各産業でその希少な人材の活躍の場を与える、という点では財閥という経済組織も合理的かもしれません。しかし、他方で、当時の日本では優秀なマネージメント能力ある人材もさることながら、やっぱり、資本が不足、というか、希少だったんではないかという気がします。技術を体化させた資本、といってもいいかもしれません。その点は理研コンツェルンの大河内所長の研究室制をGMのスローン社長が始めた事業部制と同じ理念であると指摘し、技術のイノベーターとして取り上げています。まあ、経営のマネージメント能力と、そのマネージメントの対象となる生産現場の技術、この両者がそろって初めて物的な生産能力に体化させることができるわけですから、こういった面で秀でたイノベーターが存在する点は歴史上でも重要な観点ではないかと思います。ただ、そういったマネージメントや技術が世界経済の中において、生物学的なニッチを探す点も重要かと思います。生物学的なニッチは経済学的には比較優位の観点で発見されるわけですので、日本のイノベーターが本書の指摘するように世界的な視野で活躍していた事実は大いに注目すべきであろうと思います。

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次に、鈴木荘一『明治維新の正体』(毎日ワンズ) です。著者はすでに一線をリタイアした民間の歴史研究家です。特に、アカデミックなバックグラウンドがあるわけではありませんから、新たな資料を発掘して歴史の別の面や新たな面にスポットを当てるというよりは、ご自分の独自解釈で歴史を見直す方向のようです。まあ、根拠はそれだけ薄弱かもしれませんが、個人の独創性に応じてかなり大きな解釈の幅ができそうな気がします。それはいい点かもしれません。ということで、著者の問題意識は、現時点における教科書的な明治維新の歴史解釈は、「勝てば官軍」の通り、戊辰戦争で勝った薩長の側の歴史解釈であって、ホントに正しいかどうかは再検討の余地がある、ということのようです。幕府や敗者の側からの見方を提供しようとするものであり、まあ、その点はいわゆる時代小説の小説家と共通した問題意識のような気がします。典型的には、NHKの大河ドラマになった「八重の桜」みたいなものだと考えておけばいいんではないかと思います。ですから、薩長の西郷や大久保や公家では岩倉などを重視するんではなく、最後の将軍である徳川慶喜の足跡を追ったりしています。しかし、問題点は2つあり、ひとつは、例えば国際法の解釈などのように、現時点での常識から150年前の歴史を解釈しようとしており、当時の常識とは決定的にズレを生じています。アヘン戦争は今から思えば英国のゴリ押しだったのかもしれませんが、例えば、日清戦争語の三国干渉のような他の列強の反発も招かず、スンナリと香港租借などが決まったわけですし、その当時としてはあり得る国際紛争解決方法だったのかもしれません。第2に、進歩の側の視点の欠如です。といえば、いわゆるホイッグ史観なんですが、同時に、マルクス主義的な史観でもあります。進歩という概念を活かせば、佐幕派は進歩に抵抗する旧主派であり、薩長を始めとする西南雄藩は進歩の側といえます。個々のマイクロな個人の動きではなく、マクロの歴史の進歩も同時に把握しておきたいものです。従って、明治維新ですから、こういったいわば「負けた側からの歴史観」も様になりますが、太平洋戦争でこれをやったら保守反動そのものとなって、大いに反発を呼ぶものと覚悟すべきです。

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次に、冲方丁『十二人の死にたい子どもたち』(文藝春秋) です。作者はご存じの売れっ子小説家であり、『マルドゥック・スクランブル』などのSF小説、『天地明察』をはじめとする時代小説などをものにしていますが、本書は作者初めての現代長編ミステリだそうで、2016年下半期の直木賞候補作でしたが、受賞はご案内の通り、恩田陸『蜜蜂と遠雷』でした。ということで、本書では、集団自殺、というか、安楽死するために12人の子供、というか、ティーンの少年少女が集いと称して、廃病院に集まったところ、すでに、1人の少年が死んでいて殺人ではないかと推測され、そこから、この少年は一体何者なのか、誰が彼を殺したのか、このまま計画を実行してもいいのか、といった論点につき、この集いの原則である全員一致にのっとり、12人の子供達は多数決を採りつつ、延々と議論を続けます。そして、評決は徐々に集いの方向性を変更させていき、さらに、議論が続く中で、それぞれの少年少女が安楽死を希望した動機が明らかにされ、それがまた少年少女らしく、なかなか非合理的なものだったりして、それはそれなりにユーモアであったりもするんですが、12人の少年少女の中でも大人の感覚でそう感じる子供もいて、しかも、ゼロ番と称された初めからベッドに横たわっていた少年に関する驚愕の事実が次々と明らかにされ、最後はこれまた驚愕のラストを迎えます。というか、ラストについては途中から十分想像できるんではないか、という気もしますが、いずれにせよ、12人以外のゼロ番の少年については、誰かが、単数でも複数でも、1人か何人かが議論の中で虚偽を申し述べているわけで、割合と初期の方で、「自分が殺した」と明らかにする「自称犯人」もいたりするんですが、その謎解きという意味でミステリとこ作品を称しているんだろうという気がします。思春期のティーンが死にたいと思い、その上で、議論と多数決によって状況が目まぐるしく変わっていくストーリーの中で、ミステリの謎解きとその基礎を提供する濃密な会話劇一体となって、とても面白い作品に仕上がっているんですが、さすがに、私のような読解力や理解力に限界のある読者には、年齢の離れたティーンの会話が何と12人もの人数で交わされるんですから、混乱を生じてしまいます。せいぜいが数人、本書の半分の5-6人であればいいのかもしれませんが、文字だけで濃厚な会話を追うのは私にはムリでした。おそらく、映像化される可能性の高い作品ではないかという気がしますが、テレビのドラマならパスする可能性が高いものの、ひょっとしたら、映画化されれば見ようという気になるかもしれません。

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次に、瀧羽麻子『松の内家の居候』(中央公論新社) です。作者はそれほど有名な小説家とも思えませんが、左京区シリーズなどは私も読んでいます。どうして左京区シリーズかというと、作者は我が母校の京都大学の後輩であり、しかも経済学部の卒業生だたからです。不勉強な私に関しては、京都大学経済学部出身の小説家は、この作品の作者とホラーやミステリの売れっ子作家の貴志祐介しか知りません。法学部であれば、法月綸太郎や万城目学、教育学部であれば綾辻行人などなど、その道の文学部を別にしても、我が母校の京大も、いろいろと小説家は排出していますが、そのうちの1人だったりします。ということで、この作品は純文学とエンタメの中間的な位置づけなんだろうという気がしますが、ストーリーは以下の通りです。すなわち、生後100年死後10年を迎えた著名小説家が、70年前かつて30歳の時に居候した実業家の家に、その小説家の孫を名乗る人物が現れ、かつてはノーベル文学賞の候補にも擬された大小説家は極めて多作であったにもかかわらず、その実業家宅に居候していた1年間だけは作品がなく、原稿がどこかに残されているかもしれない、と主張して、何と居候を始めます。そして、結論からいうと、その原稿は発見されますが、とても絶妙な取扱いをされます。そのあたりがミソになっていて、家族のあり方や、実業家宅ですので企業経営者の心構えなどが、折に触れて家族の物語として語られつつ、とてもあたたかいストーリーを構成しています。なお、ノーベル文学賞候補にも擬せられた文豪の名は楢崎春一郎とされていて、強く谷崎潤一郎を連想させます。ただ、惜しむらくはラストがとてもアッサリと終わっていて、何かもっと工夫できないものかという気はします。そのあたりを克服すれば、ひょっとしたら直木賞候補に上げられる可能性もあります。まあ、現状では可能性は低い気もしますが…

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最後に、首都圏鉄道路線研究会『沿線格差』(SB新書) です。著者の研究会の構成員は基本的に鉄道オタクということになっており、氏名や略歴なども明らかにされています。なお、私は未読ですが、同じ出版社から最近『駅格差』という新書も出版されています。ということで、首都圏の主要鉄道路線について、平均通過人員・乗客増加率・接続路線など、9項目に及ぶ評価基準を基に、勝ち組10路線と負け組8路線、さらに、ランキング順位まで明らかにしています。すべてを明らかにしておくと、勝ち組第1位が京急本線、以下、第2位東海道線、第3位東急東横線、第4位小田急線、第5位総武線、第6位中央線、第7位京王線と京成線、第9位京葉線、第10位東急田園都市線、までが勝ち組で、負け組は、第11位都営三田線、第12位埼京線、第13位東西線、第14位東武東上線、第15位西武新宿線、第16位相鉄本線と常磐線、そして、最下位が第18位西武池袋線、となっています。その昔に私が京都から東京に出て来た時、鉄道路線については時計回りの法則、というのがありました。それに近い印象があります。すなわち、30年超のその昔の時計回りの法則では、路線ごとの平均所得だったと思うんですが、東横線をトップとし、時計回りに平均所得が低下して行く、という法則で、東横線の次が、田園都市線、その次が小田急線、京王線、中央線で平均を記録し、その後は平均を下回って、西武新宿線、西武池袋線、東武東上線、埼京線、東武伊勢崎線、そして、京成線で底を打つ、というものでした。今から考えると、本書でトップにランクされた京急線が抜けているような気がしますし、地下鉄線が入っていなかったように記憶しているんですが、まあ、当時の私にはこんなもんだとしか理解できませんでした。なお、どうでもいいことながら、私が役所に就職した最初は西武新宿線に住んでいたりしました。本書の著者がどこまで本気なのかは別として、読者がシリアスに受け取る必要もなく、軽い読み物として時間潰しには役立ちそうな気がします。

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2017年7月14日 (金)

NTTデータによる2017年上半期「ソーシャルヒット番付」やいかに?

昨夜に続いて、やや旧聞に属する話題かもしれませんが、イマツイが、2017年上半期のソーシャルヒット番付を発表、と題して、6月28日付けでNTTデータから2017年上半期「ソーシャルヒット番付」が明らかにされています。私もすべてをフォローしているわけではありませんが、取りあえず、以下の画像だけ引用しておきます。番付に登場するモノが何かについては、このブログの管理者ではなく、Googleにでも聞いてみることをオススメします。

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2017年7月13日 (木)

トランプ大統領は米国の評価を低下させているのか?

とても旧聞に属するトピックですが、私がよく参照している米国の世論調査機関ピュー・リサーチ・センターから6月26日付けで、U.S. Image Suffers as Publics Around World Question Trump's Leadership と題するリポートが明らかにされています。オバマ前大統領に比べて、現在のトランプ大統領の評価が低く、それがひいては米国の評価の低下にもつながりかねない、という論調を示しています。かなり多くの国を調査対象にしていて、もちろん、欧州や日本を含むアジアの主要国も入っていますので、図表を引用しつつ簡単に取り上げておきたいと思います。

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まず、上のグラフはリポートから引用しており、オバマ前大統領末期とトランプ現大統領初期の比較、米国大統領に対する信任と米国の見方についての結果です。大統領交代とともに米国大統領への信認はまったく逆転した感があります。米国そのものに対する好意的な見方が減少しているのも見て取れます。以下のグラフすべてに共通して、世界37か国からの回答結果です。

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次に、上のグラフもリポートから引用しており、オバマ前大統領とトランプ現大統領のそれぞれに対する信頼感の差を算出しています。スウェーデンから始まって、軒並みオバマ前大統領の方をトランプ現大統領よりも高く評価する国が並んでいるんですが、一番下の2国、すなわち、イスラエルとロシアだけはトランプ現大統領の方を高く評価しています。極めて大雑把には、成熟した民主主義体制下にある先進国の方がオバマ前大統領の方をより高く評価している傾向が読み取れます。我が日本は▲54ポイント差でオバマ前大統領の方を高く評価しており、平均的な水準よりもややトランプ現大統領に厳しい部類のような気がします。

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次に、上のグラフはリポートから引用しており、国別・地域別の米国への見方を示しています。"Views of the U.S. vary across regions" とのタイトル通りで、地域により、また、地域内でも国により、米国への好感度は大きく差があり何ともいえません。ただ、上のグラフは "Views of the U.S." と米国を対象としているのに対して、グラフの引用はしませんが、別に、"Views of Americans" の調査結果のグラフも同じページにあり、米国に対する好感度よりも米国民に対する好感度はかなり上回っている印象があります。また、これもグラフの引用はしませんが、米国の大衆文化、すなわち、音楽、映画、テレビに対する好感度はごく一部の例外を除いて、世界的にかなり高くなっているとの調査結果も示されています。国と国民と文化、特に大衆文化は少し違いがありそうです。

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最後に、上のグラフはリポートから引用しており、トランプ現大統領に対する地域別・国別の信頼感を示しています。ロシアを除く欧州とイスラエルを除く中東諸国と中南米ではトランプ大統領への信認はかなり低く、アジアでは国により大きな差があるものの、おおむね信頼感は高くない一方で、アフリカでも国により差は見られますが、唯一地域としてトランプ大統領に対する信認が50に達しています。我が国では72vs24で不信任が信任を上回っており、世界全体の74vs22とのトリプル・スコアとほぼ近い比率を示しています。世界的にトランプ大統領への信頼感が低くなっている現状が見て取れます。

米国のオバマ前政権に対する評価として、2008年の初当選の大統領選に続く2010年の中間選挙で、まるで当時の日本のような議会でのねじれ現象が生じて、優柔不断で決めきれない印象を持った人もいたかもしれませんが、他方で、トランプ政権になれば「前のオバマ政権はよかった」という意見がとてもたくさん出るだろう、と指摘するエコノミストも少なくありませんでした。まったく、その通りかもしれません。

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2017年7月12日 (水)

中日を2タテして巨人戦から3連勝でオールスター休みに入る!

  RHE
中  日200002000 460
阪  神01000301x 5110

オールスター休みに入る前の前半戦最終戦は、中日に競り勝って3連勝でした。
7時半過ぎに帰宅した時点で、秋山投手の先発ながら4-1と負けていて、今日はダメかと思わないでもなかったんですが、6回ウラの攻撃で3点を取って同点に追いつき、その後は勝ちパターンのリリーフ陣を惜しげもなくつぎ込み、そのかいあって8回は大和選手の決勝打で競り勝ちました。

オールスター明けの広島戦は、
がんばれタイガース!

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企業物価(PPI)上昇率は前年同月比+2%強でそろそろ頭打ちか?

本日、日銀から6月の企業物価 (PPI)が公表されています。ヘッドラインとなる国内物価の前年同月比上昇率は前月統計と同じ+2.1%を記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

6月の企業物価指数、2.1%上昇 6カ月連続で前年上回る 伸び率は頭打ち
日銀が12日に発表した6月の国内企業物価指数(2015年平均=100)は98.4で、前年同月比で2.1%上昇した。6カ月連続で前年を上回った。原油や天然ガスなどの国際商品価格の前年比での上昇を製品価格に転嫁する動きが続いた。ただ、伸び率は頭打ちで、前月比では横ばいだった。
燃料の天然ガスや原油の1~3月期の価格高を反映し、電力価格が値上がりした。北海道の秋サケの不漁が原因でいくらの価格も上がった。一方で、原油価格の足元での下落を背景に石油・石炭製品などの価格は下がり、上昇分を打ち消した。
円ベースの輸出物価は前年比で5.6%上昇し、前月比では0.8%下落した。輸入物価は前年比で11.9%上昇し、前月比では1.6%下落した。前月比での原油安や外国為替市場での円高の進行が影響した。
企業物価指数は企業同士で売買するモノの価格動向を示す。公表している744品目のうち、前年比で上昇したのは353品目、下落したのは300品目だった。上昇と下落の品目差は53品目と、5月の確報値(72品目)から減少した。
日銀の調査統計局は「サービス価格とは異なり、人手不足による人件費の上昇を財の価格に転嫁する動きは見られない」と分析している。

いつもながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。次に、企業物価(PPI)上昇率のグラフは上の通りです。上のパネルから順に、国内物価、輸出物価、輸入物価別の前年同月比上昇率、需要段階別の上昇率を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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ヘッドラインの国内物価の前年同月比上昇率は先月や先々月と同じ+2.1%ですから、引き続き堅調な推移と考えていますが、現在の+2%の国内物価上昇率はかなりの部分を国際商品市況における石油価格や資源価格の上昇の寄与によるものですから、例えば、上のグラフの下のパネルに見られる通り、石油を含む素原材料価格がすでにピークアウトした今後の物価の推移に注目すべきであり、金融政策よりも石油価格の動向に敏感な物価ですから、年度後半には物価上昇率がピークアウトする可能性も否定できません。ただ、先月や今月のPPI統計を見る限りは、4月の年度替わりの価格改定期の値上げがいくぶんなりとも浸透し、その流れを引き継いでいるように見受けられます。PPIの外数でSPPIなんですが、運輸サービスなどで順調に価格転嫁が進めば、PPIの上昇やひいては賃金上昇にもプラスなんではないかと私は考えています。輸入物価と素原材料価格はヘッドラインとなる国内物価の先行指標と考えられるんですが、上のグラフのうちの下のパネルの素原材料の上昇率はまだまだ高いものの、ピークアウトしつつある印象ですし、輸入物価上昇率もまだ2桁ながら5月+12.5%から6月は+11.9%へ伸びが鈍化しているのも事実です。消費者物価(CPI)への本格的な転嫁は少し先になりそうで、PPIとCPIには当然のラグがあり、PPI上昇率が鈍化すればCPIの伸びも停滞する、ということになる可能性が高いと考えるべきです。そして、そのCPIの伸びが鈍化する時期において、日銀の物価目標である+2%に達している可能性は低いんではないかと懸念しています。

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2017年7月11日 (火)

日銀「さくらリポート」に見る各地域の景気の現状やいかに?

昨日午後、四半期ごとの支店長会議に合わせて日銀から「さくらリポート」が公表されています。以下のテーブルの通りです。

 2017年4月判断前回との比較2017年7月判断
北海道緩やかに回復している回復している
東北緩やかな回復基調を続けている緩やかな回復基調を続けている
北陸緩やかに拡大している緩やかに拡大している
関東甲信越緩やかな回復基調を続けている緩やかな拡大に転じつつある
東海緩やかに拡大している緩やかに拡大している
近畿緩やかに回復している緩やかな拡大基調にある
中国緩やかに回復している緩やかに拡大しつつある
四国緩やかな回復を続けている緩やかな回復を続けている
九州・沖縄緩やかに回復している地域や業種によってばらつきがみられるものの、緩やかに拡大している

上のテーブルを見れば明らかなんですが、北海道、関東甲信越、近畿、中国、九州・沖縄の5地域で総括判断を引き上げている一方で、残り4地域では総括判断に変更なしです。総括判断が上方修正された地域の背景については、生産が、海外向けの電子部品・デバイスや生産用機械を中心に増加していることや、個人消費が、耐久消費財や高額品の販売堅調などから上向いていること、などが上げられています。全体として、「海外経済の緩やかな成長に伴い、輸出が増加基調にある中で、労働需給が着実に引き締まりを続け、個人消費の底堅さが増しているなど、所得から支出への前向きな循環が強まっている」と結論しています。
なお、トピック分析では、前回の4月リポートから、やや遅れて別冊で公表されるスタイルになり、6月にさくらレポート別冊として「各地域における女性の活躍推進に向けた企業等の取り組み」と題するリポートが明らかにされています。今回はどうなるのでしょうか?

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2017年7月10日 (月)

停滞する機械受注と強気な景気ウォッチャーと震災前の水準に戻った経常収支!

本日、内閣府から5月の機械受注が、また、6月の景気ウォッチャーが、加えて、財務省から5月の経常収支が、それぞれ公表されています。機械受注では変動の激しい船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注の季節調整済みの系列で見て前月比▲3.6%減の8055億円だった一方で、景気ウォッチャーでは現状判断DIが前月から+1.4ポイント上昇して50.0を、先行き判断DIも+0.9ポイント上昇して50.5を、それぞれ記録し、また、経常収支は季節調整していない原系列の統計で1兆6539億円の黒字を計上しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

機械受注、5月3.6%減 判断8カ月ぶり下げ、非製造業が低調
内閣府が10日発表した5月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標とされる「船舶・電力除く民需」の受注額(季節調整値)は、前月と比べ3.6%減の8055億円だった。2カ月連続の前月割れで、QUICK算出の市場予想(1.6%増、中央値)を大幅に下回った。非製造業の低迷が続く。内閣府は基調判断を「持ち直しの動きに足踏みがみられる」から「足踏みがみられる」へ、8カ月ぶりに下方修正した。
非製造業が5.1%減と3カ月連続で前月を下回った。「通信業」は次世代投資が立ち上がる前の端境期にあるといい、29.5%減だった。鉄道の設備更新の一巡などにより「運輸業・郵便業」は21.7%減となった。「金融業・保険業」は59.2%増だが、4月の38.5%減という大幅な落ち込みから反動で増えた面が大きい。内閣府は「企業が投資に慎重な様子がうかがえる。目先、投資意欲を刺激する要因が見当たらず、同じ傾向が続く可能性は高い」(経済社会総合研究所)と指摘する。非製造業の受注額は4473億円と、2015年8月以来の小ささとなった。
一方、製造業は1.0%増と4カ月連続で伸びた。スマートフォン向け半導体製造装置などの堅調が続くほか、自動車の需要が北米で改善している。製造業全体の受注額は内閣府の従来の見通しを上回って推移しているもようだ。受注額は3656億円と16年12月の高さへ迫っている。
非製造の低迷が続くが、内閣府の従来想定よりは底堅い推移だという。4~6月期の「船舶、電力を除く民需」の季節調整値見通しは現状、前期比5.9%減となっているが、減少幅は縮小する公算という。
6月の街角景気、3カ月連続改善 基調判断は据え置き
内閣府が10日発表した6月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、街角の景気実感を示す現状判断指数(季節調整済み)は前月比1.4ポイント上昇の50.0だった。上昇(改善)は3カ月連続。住宅関連や自動車小売業を中心に消費者の需要の高さに対する実感がみられたほか、企業動向や雇用関連の指数も伸び、景況感の分かれ目となる50を2016年12月以来、半年ぶりに上回った。
部門別では、家計動向、企業動向、雇用の全てが改善した。企業動向では製造業、非製造業ともに前月比1.1ポイント上昇した。家計動向では小売りと住宅が上昇した。飲食やサービスは悪化したものの、小幅な低下にとどまったため「おおむね横ばいと評価している」(内閣府)という。
2~3カ月後を占う先行き判断指数は50.5となり、前の月から0.9ポイント上昇した。上昇は3カ月連続。家計動向と企業動向がともに改善した。家計動向ではボーナス商戦や訪日外国人需要への期待が聞かれたほか「新型車効果が続き、新車販売が好調に推移する」(東北・乗用車販売店)との見方もあった。半面、雇用は人材派遣業で人手不足への懸念がみられるなどし、前月調査から低下した。
内閣府は基調判断を「持ち直しが続いている」で据え置いた。判断を維持した理由として、内閣府は指数が上昇基調にあることから「下げる理由はない」とした上で「さらに一段押し上げるようなイベントがあるかというと今のところは見当たらない」としている。先行きについても「人手不足に対する懸念もある一方、引き続き受注や設備投資などへの期待がみられる」から変更しなかった。
経常黒字1兆6539億円に縮小 5月、貿易収支が赤字に
財務省が10日発表した5月の国際収支状況(速報)によると、海外との総合的な取引状況を示す経常収支は1兆6539億円の黒字だった。黒字は35カ月連続。黒字額は前年同月(1兆7576億円)に比べて1037億円縮小した。原油価格の持ち直しを背景に輸入が増加し、貿易収支が赤字に転化したことが響いた。
貿易収支は1151億円の赤字で、前年同月(308億円の黒字)から悪化した。原油価格の上昇で液化天然ガス(LNG)や石炭、原粗油などの輸入が増加し、輸入全体は15.8%増えた。自動車や鉄鋼の好調を映し、輸出も12.9%増加したが、輸入の影響が上回った。
サービス収支は421億円の黒字と前年同月(819億円の黒字)から黒字幅を縮小した。ソフトウエアのロイヤルティーなど知的財産権使用料の支払いが増えたことが響いた。
第1次所得収支は1兆9243億円の黒字と前年同月(1兆8936億円の黒字)に比べて黒字額を拡大した。海外から受け取る債券利子など証券投資収益の黒字額が拡大した。

いつもながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。ただし、統計3つの記事を並べましたので、やたらと長くなってしまいました。次に、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は、次の景気ウォッチャーとも共通して、景気後退期を示しています。

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引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスではコア機械受注の季節調整済みの系列のベースで増加が見込まれており、予測レンジの下限でも▲1.6%減でしたから、かなり大きなマイナスと私は受け止めています。加えて、前月統計でも▲3.1%減を受けての5月統計でしたから、機械受注、ひいては設備投資が先行き伸び悩む可能性が取りざたされても不思議ではありません。ですから、統計作成官庁である内閣府の基調判断も「持ち直しの動きに足踏み」から「足踏み」に下方修正されています。私の直観でも、上のグラフから明らかな通り、かなり横ばいに近い印象だという気もします。大雑把な産業別では、製造業が今年2017年1月の大幅なマイナスの後、2月から5月まで4か月連続のプラスで推移している一方で、非製造業は3か月連続のマイナスとなっています。人手不足の高まりから非製造業での省力化や合理化のための設備投資が進むという見方もあっただけに、やや拍子抜けな気もします。加えて、コア機械受注の外数ながら、5月統計では外需が▲5.2%減と大きく減少していえるのも、外需はコア機械受注の先行指標だけに少し気がかりです。ただ、もともと4~6月期のコア機械受注の見通しは前期比▲5.9%減ですから、こんなもんだという気もします。例えば、4~5月平均の受注実績は1~3月期と比べて▲3.5%減にとどまっており、見通しから少し上振れていたりします。評価の難しいところながら、もちろん、前月比マイナスが続いたせいもあって悲観的な見方が広がるのも当然で、日銀短観などで示された設備投資計画が単純に実行されるわけではないことは留意すべきです。

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続いて、景気ウォッチャーのグラフは上の通りです。現状判断DIと先行き判断DIをプロットしています。いずれも季節調整済みの系列です。色分けは凡例の通りです。また、影をつけた部分はいずれも景気後退期です。現状判断DIに着目すると、3つのコンポーネント、すなわち、家計動向関連、企業動向関連、雇用関連のすべてのDIが上昇を示しています。ついでながら、先行き判断DIについては、雇用関連のDIがマイナスとなっていますが、6月統計で雇用関連は現状判断DIが前月差+3.0とジャンプした後、先行き判断DIがその反動で▲1.8の低下を示しているんだろうと思います。話を現状判断DIに戻すと、企業関連でも製造業・非製造業ともに前月から上昇しています。現状判断DIで特に前月からの上昇幅が大きいのは、雇用関連+3.0上昇とともに、家計関連+1.2上昇のうちの小売関連の+2.2上昇と住宅関連+2.7上昇です。ただ、飲食関連やサービス関連は前月からマイナスを記録しており、家計が全般的に上向きとはいえ、それほど単純な評価は下せないような気もします。いくつか理由を見ると、南関東で「3か月前と比較して、商品単価、購入単価共に落ち込みが少なくなってきている。特に、服飾雑貨や衣料品の商品単価が前年を上回るようになっており、好調であった消耗品以外の衣料品などにもやや消費意欲が出てきたようである(百貨店)。」との声があり、また、東海では「今月は、問い合わせ、成約件数共に多く、とにかく良く売れている(乗用車販売店)。」などの意見も目につきました。

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次に、経常収支のグラフは上の通りです。青い折れ線グラフが経常収支の推移を示し、その内訳が積上げ棒グラフとなっています。色分けは凡例の通りです。上のグラフは季節調整済みの系列をプロットしている一方で、引用した記事は季節調整していない原系列の統計に基づいているため、少し印象が異なるかもしれません。経常収支については、引用した記事の雰囲気がやや悲観的で、5月統計については季節調整していない原系列で見ると、貿易収支が赤字に転じて経常収支がその影響で黒字幅を縮小させた、ということになっており、確かに統計上はその通りですが、先月の統計発表後にお示しした6月9日付けのブログのグラフにある通り、経常黒字の対GDP比はすでに4%近くに上昇して来ており、対外不均衡は日本の黒字方向に拡大しているトレンドとなっていることから、このまま経常黒字が拡大するのがいいのか悪いのかについては議論が分かれるところかもしれません。経常収支の水準は、極めて大雑把に、四半期ベースで5兆円、年ベースで20兆円に回帰しており、震災後の赤字基調はすでに克服しているものと多くのエコノミストは考えています。この先、直近統計のように国際商品市況において石油価格などの資源価格が上昇して経常収支が黒字幅を縮小させたり、あるいは、赤字に転じる可能性もあり得ますが、我が国製造業の国際競争力が為替相場も込みで落ちていないのであれば、それほど問題と考える必要はないんではないかと私は考えています。また、季節調整済みの系列では5月の経常収支は黒字であり、先月4月よりもむしろ黒字幅は拡大しています。あくまで参考意見なんですが、5月についてはゴールデン・ウィークの日並びによって季節調整がゆがむ可能性がありますので、どこまで信頼できるかは別問題です。

最後に、日銀では四半期に1度の支店長会議が開催されており、本日午後に「さくらリポート」が公表されています。日を改めて取り上げたいと思います。

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2017年7月 9日 (日)

糸原内野手のサヨナラ打で連敗ストップ!

  RHE
読  売000210003 670
阪  神002130001x 7120

ボロボロの負けゲームが2試合続いた後、糸原選手のサヨナラ打で何とか巨人に辛勝でした。
スカイAでテレビ観戦をしていたんですが、ベンチワークや捕手のリードなど、実に的確ながら、極めて細かい指摘があり、試合の大きな流れは、最後まで、どちらに転ぶか判らない、というだけでした。ほとんど何も解説していないに等しい気がしてしまいました。私は9回表のジャイアンツの攻撃が終わった段階で長風呂に入ってしまい、最後の勝利のシーンは見逃してしまいました。誠に残念。

次の中日戦こそ、
がんばれタイガース!

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先週の読書はほとんど経済書がなく計7冊!

通常の読書感想文をアップする土曜日に、昨日の場合は米国雇用統計が割って入り、読書感想文が日曜日にずれたこともあって、計7冊とやや多くなってしまいました。ただ、極めてめずらしいことに、経済書がなく、小説もほとんどなく、教養書や専門書が大部分でした。来週は大きくペースダウンする予定です。

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まず、セザー・ ヒダルゴ『情報と秩序』(早川書房) です。著者はチリ生まれのヒスパニック系で、博士号は物理学で取得し、経済複雑制指標のデータの提供などもしています。マサチューセッツ工科大学(MIT)の准教授だそうです。英語の原題は Why Information Grows? であり、2015年の出版です。非常にユニークなのは、情報の定義であり、物理的な原子の配列と考えているようです。ですから、宇宙の中の幾つかのポケット、例えばこの地球では新しい物質が次々と作り出されて、本書の著者の意味で情報が成長しているわけです。あるいは、情報が増加しているといってもいいようなきもします。ただ、この定義は明示的に本書に現れるわけではありません。というのも、少なくとも私が考える上で2点の大きな弱点があるからです。第1に、原子の配列という意味で情報という言葉を使う例として高級車を上げていて、高級車でなくても普通の自動車でいいんですが、厳密な意味で、同じ原子の配列を持つ物質というのはありえません。例えば、白いプリウスと紺色のプリウスは、私達は同じカテゴリの自動車と認識するんですが、原子の配列は明らかに異なります。第2に、生物、特に動物の場合の生死観から見て疑問があります。すなわち、生きている人間と死んだ後の人間は色違いの自動車よりも原子の配列が近いような気がしますが、生死の境で大きな差を感じるのは私だけでしょうか。ですから、本書でも著者自身が認めているところですが、情報の成長や低下とエントロピーの増加や減少が、同じ方向を向いている場合と異なる場合がありえます。本書の論旨からすれば大きな弱点といわざるを得ません。ただ、著者が経済成長の本質を問うている点は、エコノミストとして、というか、開発経済学を専門分野とするエコノミストとして、やや目から鱗が落ちる気がしました。情報は均一に分布しているわけではなく、個人、企業、国家といった知識やノウハウの集積の単位のインタラクティブな関係の中でネットワークを形成し、その中でどのような位置にあるのかを分析すれば、それぞれのレベルで経済の動態を記述できるはず、というのは、その通りだと思います。もっとも、極めて複雑怪奇なモデルになりそうな気もします。でも、それが解ければ経済発展の謎、景気循環や成長の原動力なども解明できるはずです。でも、それが実際にはできていないのが現実かもしれません。最後に、参考まで、特に後半で経済を扱う際に、「計算能力」という言葉が頻出しますが、「情報処理能力」と置き換えていいんでしょうか、ダメなんでしょうか。やや気にかかります。

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次に、マイケル・オースリン『アジアの終わり』(徳間書店) です。著者は、ご本人によるあとがきによれば、歴史学者ということで、大学の教員の経験もある一方で、現在は保守系シンクタンクの日本部長だそうです。英語の原題は The End of the Asian Century となっており、2016年の出版です。1993年、私は南米にて外交官をしていましたが、世銀から『東アジアの奇跡』 East Asia Miracle が出版され、それに対して、クルーグマン教授が反論したりしていましたが、本書は東アジアに限定せず、「インド太平洋地域」なる広い定義のアジアの終わりを宣言しています。すなわち、本書の著者本人ではないんですが、p.29 でアジアのリスクマップで5つのリスク領域を示し、その後、経済改革、人口動態、政治革命、政治共同体、戦争の抑止のそれぞれでアジアがいかに失敗しているかを、これでもかというくらいに実例を上げつつ論じています。まあ、中国における経済停滞や海洋進出や環境破壊、北朝鮮の軍事的挑発行為、インドとパキスタンの核開発競争、などなど、アジアが決して未来を切り開く地域であるばかりではなくlそれなりに、経済的な不安定や政治的な脅威をもたらすようになった事実はその通りかという気がします。そして、その大元の原因は民主主義の未成熟にあるという見方については、私も大いに同意します。なお、本書では韓国が成熟した民主主義国と見なされているようですが、大統領の政権交代とともに全色の大統領がここまでバッシングされる現状は、民主主義としてまだまだ未成熟な面が残されていると私自身は考えていますので、ご参考まで。ただ、私の見方ですが、西欧や米加を意味する北米については、成熟した民主主義国であって、世界の中でも安定した政治経済を要している点はいうまでもなく、日本についてもご同様なんですが、残されたアフリカ、中南米と比較してアジアが政治経済の安定性についてひどく見劣りがするかといえば、私はそんなことはないと考えています。一例として、米国が世界の警察官という国際公共財を提供できなくなって、もっとも大きな影響を被るのはアジアよりもむしろ中南米ではないか、という気もします。もちろん、アフリカに比較してアジアが政治や経済の安定性で劣っているとも思われません。という意味で、ややバランスを失した内容ではないか、という気もします。

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次に、山本一成『人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?』(ダイヤモンド社) です。著者は、佐藤天彦名人を連破した現在最強の将棋プログラムであるポナンザの作者です。そして、本書は、その開発にまつわるエピソードとともに、機械学習、深層学習、強化学習などについて、極めてわかりやすく解説しています。その上で、「知能とは何か」、また、「知性とは何か」といった問いに対して明確な回答を示す意欲作でもあります。加えて、グーグル・グループが開発したアルファ碁についても、巻末の対談で簡単に取り上げて解説をしています。なお、著者は将棋についてはアマチュア5段だそうで、肝滅のアルファ碁に関しての対談では囲碁についても造詣の深いところを示しています。ということで、知能とは探索と評価であると指摘しており、人工知能についても当然ご同様です。その昔の博覧強記という表現をそのままスケールアップしているような気がします。ただ、コンピュータにおいては評価関数は明示する必要があり、人間の場合はおそらくかなりの程度に経験に裏打ちされた直感なんだろうという気がします。それにしても、人工知能の学習能力というのは恐るべきものであり、将棋ソフトの場合はディープラーニングを使っておらずとも、機械学習だけでこのレベルに達するわけですし、シンギュラリティが噂されている2045年には指数関数的な能力向上によって、どのような世界が広がっているのか、私はとても楽しみですが、その前に人間としての寿命が尽きる可能性があります。とはいえ、プロの将棋や囲碁の棋士に生じていることが、比較的高級な職業の一般人にも生じる可能性が本書でも極めて暗示的に提示されています。例えば、医師、弁護士、会計士、教師などです。私のようなキャリアの公務員も人工知能(AI)に取って代わられる可能性もあるかもしれません。ともかく、難しい理論的実践的なテーマながら、著者が自分自身で納得したエピソードだけをわかりやすく取り上げており、逆から見て、専門家の目には部分的にしても不正確な表現もあったりするのかもしれませんが、私のようなシロートにはとても判りやすかったです。ポナンザやアルファ碁だけでなく、幅広いAI一般についても理解が進んだ気がします。巻末の対談で若手の囲碁のプロ棋士が、将来はバーチャル・リアリティ(VR)を駆使してアルファ碁に囲碁を教えてもらえそうで、とても楽しみ、みたいな発言をしています。人によっては反発しそうなフレーズですが、私は大いに同感です。ともかく、この本を読むと、AIやコンピュータと人類の将来の共存に楽観的な味方ができるようになり、明るい期待がもてそうな気がしてくるのは少し不思議な気がします。

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次に、牧久『昭和解体』(講談社) です。著者は日経新聞社会部記者を務めたジャーナリストであり、本書は国鉄の分割・民営化を歴史的に跡付けたリポートです。というよりは、私が読んだ印象では国鉄解体ではなく、国労解体に近い受け止めを持ちました。マルセイと称された生産性向上運動の裏側で大っぴらに進んだ組合潰しの動きから始まって、最後は国労が支えた総評の解散や社会党の事実上の消滅まで、いかに国鉄と時の政権が国労を解体すべく戦略的に動いたかがよく理解できるかと思います。ただ、企業として経済活動を効率的に遂行する経営体として、当時の30万人を超える国鉄組織が巨大に過ぎたのは事実かもしれません。そして、本書で国体護持派と称されている国鉄内部の当時の経営層が、鈴木政権から中曽根政権に引き継がれた臨調の結論に際して、民営化を許容しつつ分割に反対するという方向違いの戦略を持ったのも、何となく判る気もする一方で、やはり、作戦ミスだったように受け止めています。同時に、本書で3人組と称される改革派も、やっぱり、国労潰しというか、いわゆる労使協調路線ではない労働組合に対する極めて不寛容な姿勢をうかがい知ることができました。国鉄は国民に必要不可欠な運輸サービスを提供する一方で、親方日の丸と称された非効率な業務遂行がなされ、組合が人事などの事実上の経営まで踏み込んだ組織運営に介入するなど、不都合な事実がたくさんあったことも事実で、当然の帰結のひとつとして大きな累積赤字を計上することから改革が始まっています。ただ、本書の指摘はいくつかうなずける点も少なくないながら、批判的に読むべきは現在の時点からの視点で書かれている点は留意すべきです。およそ、日本経済全体の生産性がそれほど高くなく、まだマルサス的な過剰人口や貧困を懸念すべき発展段階にあった日本経済の当時の実情について考慮することなく、現時点からの視点で当時の国鉄を批判することは決して正当性を持ち得ません。そしてもうひとつ、本書に通底する労働組合潰しの考えが、現在の賃金の上がらない社会をもたらした可能性についても忘れるべきではありません。例えば、Galí "The Return of the Wage Phillips Curve" においては、明確に労働組合の存在や活動が賃金上昇へのプラスの作用を前提しています。国鉄改革という名目で労働組合の活動を抑制する経済社会を作ったのであれば、賃上げを犠牲にするという結果をもたらした可能性もあります。キチンと検証しているわけではありませんが、決してフリーランチは存在しないわけで、何を犠牲にして何を取ったのかは考えておくべきではないでしょうか?

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次に、ウルリッヒ・ベック『変態する世界』(岩波書店) です。著者はドイツ人の社会学者であり、ミュンヘン大学やロンドン・スクール・オブ・エコノミクスなどの研究者を務めていました。2015年1月に亡くなっています。本書は共同研究者だった奥さまが編集の上出版されています。私は何となく、マルクスが残したメモから『資本論』第2-3巻を編集したエンゲルスのことを思い出してしまいました。ということで、書き出しが「世界の蝶番が外れてしまっている」であり、以前にはまったく考えられなかったよう、とんでもない出来事が起こり、資本主義の成功、というか、社会主義の大失敗により、副次的効果の蓄積が世界を旧来の通念では理解不能なものに変えてしまい、もはや変動ではなく変態が起こっている、として、リスクや不平等、コスモポリタニズムなどの観点から世界を読み解き、それらから生成する新しい21世紀の世界像を確立すべく試みています。その試みが成功したとは私は受け止めていませんが、それなりに面白い試みかもしれません。もっとも、変化ではなく変態であるというのは、社会科学者らしい定義のない言葉遊びですし、国家を飛び越えてコスモポリタン的な世界をそのまま国家の枠を超えて把握しようというのは、例えば、経済における多国籍企業の活動の解明のような趣きもあり、エコノミストでも理解できる範囲かもしれません。ただ、決定的に私が違和感を覚えたのは、歴史観の欠如です。経済学では経路依存性と称しますが、訳者のあとがきにあるように、国家が中心にあって、その国家の連合体である世界がその回りを回っている世界観から、世界を中心に据えて、その世界の周りを国家が回るコスモポリタン的転回も判らなくはないんですが、その言葉の由来である「コペルニクス的転回」ではもともと、太陽の周りを地球が回っているのが正しかったわけで、その真実の発見が大きな世界観の変更につながったんですが、世界と国家の関係は歴史的に見てどうだったのか、また、資本主義が成功し冷戦が終わる前はどうだったのか、一部に主権国家としてウェストファリア条約までさかのぼっていながら、そのあたりの歴史感覚の欠如が惜しまれます。どこにも明示されていませんが、変態という用語を用いているんですから、いくぶんなりとも、ヘーゲル的な弁証法的歴史観なんだろうという気がして、そこは私と同じなんだろうと暗黙のうちに前提して読み進んでいたりしました。まあ、ベック教授本人の原稿がなく、残されたメモかを編集して本書を編んでいるわけですから、当然に限界はあります。それを理解しつつ、本書を金科玉条のようにではなく、批判的に読めるレベル読書子にオススメします。

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次に、ビー・ウィルソン『人はこうして「食べる」を学ぶ』(原書房) です。著者はフード・ジャーナリストというジャンルの職業があるようです。ただ、女性らしく、というか何というか、食べ物に関する作業の場であるキッチンに関する著作などもあるようです。英国出身であり、本書の英語の原題は First Bite: Hoe We Learn to Eat であり、2015年の出版です。ということで、本書の最大の主張は食べるということは、本能ではなく、ましてや文化でもなく、学習の結果だということです。もちろん、それは現時点での食の基本であり、少し前までの飢餓が広範に存在し餓死の可能性がまだあった時点あるいは場所のお話ではなく、飽食とまではいわないまでも、十分な食品が入所可能な現在の先進国におけるお話です。その昔や、あるいは、現在であっても低開発国のお話ではありません。すなわち、カロリー摂取という観点からは不足なく、むしろ、肥満や生活習慣病の方が餓死などよりもリスクが高い、というバックグラウンドでのお話です。まあ、クジラを食べるのが文化と称している日本人もいますから、そのあたりは限界があります。その上で、肥満を防止したり、塩分の摂り過ぎを回避し、ジャンクフードではなく野菜や果物を十分に摂取する基礎が学習であると主張しているわけです。第8章ではこの観点から、日本食が極めて高く評価されています。当然です。現在の大手の食品会社の極めて印象的な宣伝に接しつつ、また、食品店やスーパーマーケットの食品売り場で買い物をするにつけ、正しい食生活、というか、健康的な食生活を維持するためには、それなりの学習が必要だということは理解できると思います。欲望のままに食生活を送るのではなく、何らかの科学的な根拠に基づく食生活、食育という言葉に合致するような食生活を現代人は必要としているのかもしれません。私も50歳になってから2年ほど単身赴任生活を送りましたが、もっぱや栄養バランスは牛乳に頼っていた気がします。また、普通のスーパーマーケットよりも、また、通常のレストランよりも、大学生協はそういった健全な食生活に熱心に取り組んでいる気がしました。もっとも、この分野に詳しくないので、気がしただけかもしれません。

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最後に、三浦しをんほか『短編少女』(集英社文庫) です。収録作品は順に、三浦しをん「てっぺん信号」、荻原浩「空は今日もスカイ」、道尾秀介「やさしい風の道」、中島京子「モーガン」、中田永一「宗像くんと万年筆事件」、加藤千恵「haircut17」、橋本紡「薄荷」、島本理生「きよしこの夜」、村山由佳「イエスタデイズ」となっています。アンソロジーですから、上質な短編作品を集めており、ついつい、何度も読むハメになっています。半分くらいは読んだ記憶があるような気がします。最後の作品はジャズの定番スタンダード曲なんですが、私は歌詞があるとは知りませんでした。ヘレン・メリルのアルバムが紹介されていますが、そのうちに聞いてみたい気がします。

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2017年7月 8日 (土)

なすすべなく巨人にまたまたボロ負けして甲子園で連敗!

  RHE
読  売300003101 8140
阪  神100000000 161

またまた、大差をつけられてなすすべなくジャイアンツにボロ負けでした。
7時半過ぎに帰宅したところ、すでに3-1と負けていて、リリーフした藤川投手が3失点し、試合を壊してしまいました。その後も、タイガース打線が沈黙を続けた一方で、ジャイアンツ打線は阪神の負けパターンのリリーフ陣から着実に加点し、最後は大差がつき、連夜のボロ負けでした。セリーグは広島の独走か?

明日は3タテは勘弁で、
がんばれタイガース!

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6月の米国雇用統計は連邦準備制度理事会(FED)の金融正常化を支持するか?

日本時間の昨夜、米国労働省から6月の米国雇用統計が公表されています。非農業雇用者数の増加幅は市場の時zんコンセンサスであった+170千人増を大きく上回って+222千人増となった一方で、失業率は前月から+0.1%ポイント上がって4.3%を記録しています。いずれも季節調整済みの系列です。まず、New York Times のサイトから最初の6パラだけ記事を引用すると以下の通りです。

U.S. Job Growth Picks Up the Pace, but Wages Lag Behind
Automobile sales may be slowing, e-commerce is putting the squeeze on bricks-and-mortar stores, and overall economic growth is limp. But the labor market has nevertheless managed to charge ahead.
Employers added an impressive 222,000 jobs in June, the government reported on Friday. Although the jobless rate ticked up slightly to 4.4 percent, it was because some people who had dropped out of the labor force were lured back.
But the hunger for workers and mounting complaints of labor shortages have raised a vexing question: Why isn't the heightened demand for workers driving up pay?
The Federal Reserve pointed to that conundrum in the updated report on the American economy it sent to Congress on Friday. "Despite the broad-based strength in measures of employment," it said, "wage growth has been only modest, possibly held down by the weak pace of productivity growth in recent years."
The Fed's report reflected its overall confidence in the country's economic direction, which has led it to begin raising interest rates for businesses and consumers after years of holding them near zero to encourage investment and risk-taking. After increasing its benchmark rate last month, the Fed is expected to do so at least once more before the year's end.
One of its aims is to head off any inflation that might result from a tight job market that prompts employers to offer higher pay to get the workers they need. Yet prices have been rising at a slow pace, and sluggish wage growth suggests that the fear may be premature.

長くなりましたが、金融政策動向も含めて、包括的によく取りまとめられている印象です。続いて、いつもの米国雇用統計のグラフは下の通りです。上のパネルは非農業部門雇用者数の前月差増減の推移とそのうちの民間部門、下のパネルは失業率です。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。全体の雇用者増減とそのうちの民間部門は、2010年のセンサスの際にかなり乖離したものの、その後は大きな差は生じていません。

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米国経済の好調さが裏付けられた雇用統計だったと評価できます。6月統計の非農業部門雇用者数が大きく伸びただけでなく、直近の4-5月分もそれぞれ33千人、14千人ずつ上方修正されていて、4-6月の3か月の平均で毎月+194千人の雇用増とほぼ+200千人近い水準を達成しています。失業率も6月統計では前月より僅かに上昇したものの、ほぼ完全雇用水準にあります。なお、米国連邦準備制度理事会(FED)では完全雇用の失業率を4%台半ばと見なしているといわれています。ですから、FEDの金融政策の方向性としては、年3回程度とされる利上げをサポートするのに加えて、利上げだけでなく、9月ころから資産圧縮が開始されるといわれており、これも特に延期する必要はなさそうです。こういったいわゆる金融の正常化は雇用統計からは支持されていると考えるべきです。

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ということで、時間当たり賃金の前年同月比上昇率は上のグラフの通りです。ならして見て、底ばい状態を脱して少し上向きに転じた印象ながら、もう一段の加速が見られません。バーナンキ前議長の下で、FEDは事実上のインフレ目標政策を取っており、物価上昇率の動向は気がかりなところです。明らかに、リーマン・ショック前の+3%台には戻りそうに見えません。ただ、一時の日本や欧州のように底割れしてデフレに陥ることはほぼなくなったと私は受け止めています。

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2017年7月 7日 (金)

ジャイアンツの先発マイコラス投手に手も足も出ず巨人にボロ負け!

  RHE
読  売200010101 5130
阪  神100000000 150

先発ルーキー小野投手は早々に打ち込まれ、マイコラス投手に手も足も出ずジャイアンツにボロ負けでした。
8時過ぎに帰宅したところ、すでに大きく負けていて、その後もタイガース打線が沈黙を続けた一方で、ジャイアンツ打線は阪神の負けパターンのリリーフ陣から着実に加点し、最後は大差がつき、ボロ負けでした。

明日は能見投手を援護して、
がんばれタイガース!

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一致指数が下降した景気動向指数と賃金がわずかに上昇した毎月勤労統計!

本日、内閣府から5月の景気動向指数が、また、厚生労働省から4月の毎月勤労統計が、それぞれ公表されています。景気動向指数のうち、CI先行指数は前月比+0.5ポイント上昇の104.7を、CI一致指数は逆に▲1.6ポイント下降の115.5を、それぞれ記録しています。毎月勤労統計からは、景気動向に敏感な製造業の所定外労働時間指数は季節調整済みの系列で前月から▲0.7%減を、また、現金給与指数のうちのきまって支給する給与は季節調整していない原系列の前年同月比で+0.7%増を、それぞれ記録しています。なお、消費者物価が上昇を示していますので、消費者物価でデフレートした実質賃金は前年同月から+0.1%増となり、5か月振りにプラスの伸びを示しました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

5月の景気一致指数、2カ月ぶり低下 自動車関連の落ち込みで
内閣府が7日発表した5月の景気動向指数(CI、2010年=100)によると、景気の現状を示す一致指数は前月比1.6ポイント低い115.5となり、2カ月ぶりに低下した。前の月に自動車関連の生産や出荷が堅調だった反動が出た。
一致指数を構成する指標で、前月と比べられる7つの指標のうち、5指標が押し下げ要因となった。自動車関連が落ち込み、耐久消費財出荷指数や鉱工業生産指数などが低下した。生鮮食品の販売減が響き、小売業の商業販売額も減少した。
内閣府は、一致指数の動きからみた基調判断を「改善を示している」とし、8カ月連続で据え置いた。
数カ月先の景気を示す先行指数は0.5ポイント上昇の104.7だった。上昇は2カ月ぶり。
実質賃金、5月は0.1%増 5カ月ぶり増加 毎月勤労統計
厚生労働省が7日発表した5月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月に比べて0.1%増加した。増加は5カ月ぶり。名目賃金が0.7%伸びたものの、消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)が前年同月比0.5%上昇し、上昇を抑えた。
名目賃金にあたる現金給与総額は前年同月比0.7%増の27万241円だった。2カ月連続で増加し、伸び率は昨年7月(1.2%増)以来10カ月ぶりの高水準だった。
内訳をみると、基本給にあたる所定内給与が0.9%増加し、2000年3月(0.9%増)以来17年2カ月ぶりの大きな伸び率だった。残業代など所定外給与は0.7%増、ボーナスなど特別に支払われた給与は1.6%減少した。
パートタイム労働者の時間あたり給与は2.0%増の1108円だった。パートタイム労働者比率は30.18%で、前年同月に比べて0.14ポイント低下した。厚労省は賃金動向について「基調としては緩やかに増加している」との見方を示した。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。でも、2つの統計を並べるとついつい長くなってしまいます。続いて、下のグラフは景気動向指数です。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた期間は景気後退期を示しています。

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5月のCI一致指数はやや下降を示しましたが、3か月後方移動平均も7か月後方移動平均もまだ上昇を続けており、引用した記事にもある通り、統計作成官庁である内閣府では基調判断を「改善」に据え置いています。基調判断は、昨年2016年10月に「足踏み」から「改善」に上方改定されており、半年余り据え置かれているわけです。CI一致指数を構成するコンポーネントを詳しく見ると、5月指数では、商業販売額(卸売業)(前年同月比)と投資財出荷指数(除輸送機械)はプラス寄与となりましたが、耐久消費財出荷指数、生産指数(鉱工業)、鉱工業用生産財出荷指数、商業販売額(小売業)(前年同月比)などがマイナス寄与を示しています。鉱工業生産指数(IIP)と連動性の高いCI一致指数ですから、単月では5月はマイナスになりましたが、上のグラフを見ても理解できる通り、トレンドとしてはまだ上昇中であると考えてよさそうです。なお、CI先行指数を詳しく見ると、もっとも大きなマイナス寄与を示したのが中小企業売上げ見通しDIであり、その次がマネーストック(M2)となっています。規模別では大企業よりも中小企業の方が景気に敏感であり、先行性あることから、今後の景気のゆくえについては中小企業に着目すべきなのかもしれません。ただ、私は所得についてはトリクルダウンは生じず、お金持ちが豊かになれば、徐々に所得の低い層にも裨益する、というのはまったく信じられませんが、企業規模の波及経路については大企業から徐々に規模の小さい企業に波及することは十分あり得ると考えており、為替が安定し、海外経済が順調な現状では、中小企業から景気が反転する可能性は決して大きくないものと考えています。もっとも、その小さい可能性の原因となる可能性があるのは人手不足です。人手不足から非正規雇用に依存していた規模の小さな企業経営が苦しくなる可能性はあり得るものと考えます。要するに、人手不足で非正規雇用の安い労働力に依存していた企業については、正規雇用を活用しつつ生産性を向上させることに失敗すれば、あるいは、淘汰される可能性が残ります。

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続いて、毎月勤労統計のグラフは上の通りです。上から順に、1番上のパネルは製造業の所定外労働時間指数の季節調整済み系列を、次の2番目のパネルは調査産業計の賃金、すなわち、現金給与総額ときまって支給する給与のそれぞれの季節調整していない原系列の前年同月比を、3番目のパネルはこれらの季節調整済み指数をそのまま、そして、1番下のパネルはいわゆるフルタイムの一般労働者とパートタイム労働者の就業形態別の原系列の雇用の前年同月比の伸び率の推移を、それぞれプロットしています。いずれも、影をつけた期間は景気後退期です。なお、賃金についてはかなり長期の季節調整済みの系列が公表され始めていますが、どうも世間一般ではまだ季節調整していない原系列の統計の前年同月比を名目賃金上昇率として見て、さらに、消費者物価(CPI)の前年同月比でデフレートして実質賃金として見る、というエコノミスト間の慣行が残っており、当ブログでも、世間一般の動向を見極めつつ対応いたしたいと思います。ということで、景気に敏感な所定外労働時間は5月に▲3.3%の減産を示した生産と整合的に、製造業の季節調整済みの前月比で▲0.7%になっています。賃金は、現金給与総額・きまって支給する給与ともに、名目で前年同月比+0.7%、実質で+0.1%の伸びを示しています。なかなか賃金の伸びが渋いんですが、今日の日経新聞の経済教室でも、東大の渡辺先生が価格硬直性が先進国の中でも突出して大きいとの分析結果を明らかにしていますが、賃金もご同様な気がします。ただ、引用した記事にもある通り、人手不足から雇用を確保するためにパートタイム比率がじわじわと低下し始めています。我が国賃金の伸び悩みは、いわゆるシンプソン効果でパートなどの非正規雇用比率の上昇による寄与がそれなりに大きく、個別の賃金上昇とともにフルタイム正規雇用が増加すれば、マクロでの賃金上昇につながる可能性が高く、大いに期待したいと思います。賃金と物価はニワトリとタマゴですから、ともに手を携えて上向きになることが十分にあり得ます。

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2017年7月 6日 (木)

インテージの調査結果から猛暑の夏は何が売れるか?

今週に入って、月曜日は特に暑くて35度に達する猛暑日でしたが、今日まで梅雨も明けないうちに連日30度の暑い日が続いています。エコノミストとしては消費の先行きなどを考える上で、猛暑になると何が売れるのかについて興味があるところ、やや旧聞に属する話題ながら、6月20日にネット調査大手のインテージから「猛暑になると何が売れるのか? 独自データで消費への影響に迫る」と題しるリポートが明らかにされています。図表を引用しつつ、簡単に取り上げておきたいと思います。

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まず、上のグラフは、インテージのリポートから、「観測史上最も暑い夏」として記録に残っている2010年夏に販売金額が伸びたカテゴリを引用しています。見れば明らかな通り、トップの香辛料のほか、上位にはスポーツドリンク、日焼け止め、美容・健康ドリンク、制汗剤、アイスクリームなどが上がっており、いずれも前年比で1.2倍を超えています。この次に、リポートではなぜか、夏に向けた「汗の匂い対策」になるんですが、それはすっ飛ばして、「猛暑」と聞いて、買いたくなるもの、行きたくなる場所は次の通りです。

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ということで、繰り返しになりますが、上のグラフは、インテージのリポートから、「猛暑」と聞いて、買いたくなるもの、行きたくなる場所を引用しています。私の場合、買いたくなるものはアイス・かき氷はその通りなんですが、行きたくなる場所はトップがプールで、2番目は図書館かもしれません。でも、全体として判りやすくなっている気がします。

梅雨明け前の今週でもこれだけ暑いんですから、梅雨が明ければ今年は本格的な猛暑になるんでしょうか?

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2017年7月 5日 (水)

4番福留選手に精彩なく横浜に逆転負け!

  RHE
阪  神010000000 160
横  浜00021001x 4121

横浜先発のルーキー濱口投手に打線が抑え込まれ、横浜に逆転負け勝でした。
7時半過ぎに帰宅したところ、ちょうど4回ウラに横浜に逆転されるシーンをバッチリと見てしまい、続く5回表にフォアボールをもらいながら、5番大山選手がボテボテのピッチャーゴロのゲッツーで同点逆転のチャンスをフイにしたところでした。その後も打線は点を取れず沈黙したままで、踏ん張っていた負けパターンのリリーフ陣が8回に失点して、3点差でクローザーが来ては万事休すでした。

明日は秋山投手を援護して、
がんばれタイガース!

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東京商工リサーチによる「役員報酬1億円以上開示企業」調査の結果やいかに?

先週は3月決算の上場企業の株主総会が数多く開催されましたが、6月30日付けで東京商工リサーチから「役員報酬1億円以上開示企業」調査の結果が明らかにされています。役員報酬1億円以上を受け取った役員の個別開示を行った上場企業は221社で開示人数は457人でした。社数は2015年3月期の212社から、また、人数は414人からそれぞれ増加を示しており、過去最多を更新したそうです。個別開示トップはソフトバンクグループのニケシュ・アローラ元副社長の103億46百万円で、歴代役員報酬額の最高額を更新しています。以下、トップテンは下のテーブルの通りです。

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なお、同様の調査結果は東洋経済オンラインでも見かけました。「年収1億円超」の上場企業役員530人リストです。トップは同じアローラ元副社長なんですが、当然ながら、いろいろと違いが見かけられます。ご参考まで。
先週末は私にもボーナスが出て、それなりの幸福感に浸っていたんですが、まあ、私のような公務員とは桁違いですね。経済的な合理性のある報酬だということは理解しつつも、今さらながらに思い知らされました。

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2017年7月 4日 (火)

国民生活基礎調査に見る貧困率の動向やいかに?

やや旧聞に属する話題かもしれませんが、6月27日付けで厚生労働省から昨年2016年調査の国民生活基礎調査の結果が公表されています。昨年度の国民生活基礎調査は3年に1度の大規模調査でしたので、相対的貧困率が利用可能となっています。2009年、2012年の時点では16%台に上昇し高止まりしていたんですが、2015年では15.6%にやや低下を示しています。下のグラフの通りです。

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繰り返しになりますが、2009年16.0%、2012年16.1%だった貧困率が、2015年では15.6%にやや低下を示している一方で、子どもの貧困率については、2012年の16.3%から2015年には13.9%に一気に低下しています。低下の理由は不明なんですが、もしも、2013年に成立した「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が役立っているとすれば喜ばしいことではないかと受け止めています。なお、子どもと大人は17歳以下と18歳以上で区分けしています。ただし、▲2.4%ポイントの低下というのはかなり大きな数字ですが、詳細な引用はしないものの、母子家庭などの大人1人で子どものいる現役家庭の貧困率は50%を超えるなど、まだまだ貧困や格差が厳しい状況にある点は変わりありません。高齢化の進展とともに、格差の拡大は見かけ上しかたないとしても、我が国の将来を担う子供達については高齢者以上に十分な社会保障や福祉が行き渡るような社会の実現が待たれます。
なお、今年2017年に公表された国民生活基礎調査は、昨年2016年に実施され、さらにその前の2015年時点の状況を問うています。誤解のないよう、念のため。

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2017年7月 3日 (月)

業況感がさらに上昇し設備投資計画が上方修正された日銀短観から何が読み取れるか?

本日、日銀から6月調査の短観が公表されています。ヘッドラインとなる大企業製造業の業況判断DIは3月調査から+5ポイント改善して+17を記録し、本年度2017年度の設備投資計画は全規模全産業が前年度比+2.9%増と集計されています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

大企業製造業DI、14年3月以来の高水準 3期連続改善、日銀短観
日銀が3日発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)は、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業製造業でプラス17だった。前回3月調査(プラス12)から5ポイント改善した。改善は3四半期連続で2014年3月調査以来の高水準だった。世界的な景気拡大を反映した。業種別では石油・石炭製品や鉄鋼、非鉄金属業などの改善が目立った。為替相場が安定していることもあり、中小企業製造業のDIも改善した。
業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた値。6月の大企業製造業DIは、QUICKがまとめた市場予想の中央値であるプラス15を上回った。回答期間は5月30日~6月30日で、回収基準日は6月13日だった。
3カ月先の業況判断DIは大企業製造業がプラス15だった。米国での自動車販売の頭打ちやトランプ米政権の先行き不透明感などから、先行きには慎重な見方が強かった。
17年度の事業計画の前提となる想定為替レートは大企業製造業で1ドル=108円31銭と今の実勢レートより円高・ドル安だった。
大企業非製造業の現状の業況判断DIはプラス23と前回を3ポイント上回った。改善は2四半期連続。国内消費の底堅さが増す中で小売の景況感が改善した。都心の再開発が進み、建設関連は高水準を維持した。小売りや対個人サービスも改善した。3カ月先のDIは5ポイント悪化のプラス18だった。
中小企業は製造業が2ポイント改善のプラス7と07年3月以来の高水準だった。非製造業は3ポイント改善のプラス7だった。先行きはいずれも悪化した。
大企業全産業の雇用人員判断DIはマイナス16となり、前回(マイナス15)から低下した。DIは人員が「過剰」と答えた企業の割合から「不足」と答えた企業の割合を引いたもので、1992年2月(マイナス24)以来のマイナス幅となった。
17年度の設備投資計画は大企業全産業が前年度比8.0%増と、市場予想の中央値(7.4%増)を上回った。3月調査(0.6%増)からは増加幅が拡大した。

やや長いんですが、いつもながら、適確にいろんなことを取りまとめた記事だという気がします。続いて、規模別・産業別の業況判断DIの推移は以下のグラフの通りです。上のパネルが製造業、下が非製造業で、それぞれ大企業・中堅企業・中小企業をプロットしています。色分けは凡例の通りです。なお、影をつけた部分は景気後退期です。

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ということで、規模と製造業・非製造業を押しなべて、昨年12月調査や今年3月調査に続いて3期連続で今期も景況感が改善しつつ、しかし、先行きの来期はやや落ちる、という典型的な短観の統計としての「クセ」が出ています。さはさりながら、DIですので水準よりも方向性が重要ながら、水準もかなり高くなっています。ですから、このブログでも何度か強調している通り、企業部門の景況感はとても堅調です。前回調査の結果に続いて、個人消費の関連で小売業に着目すると、3月調査で+5の後、6月調査では+10にジャンプし、先行きも+11とさらなる上昇を示す可能性が示唆されています。小売業のマインドから個人消費の今後の方向も透けて見える気がします。さらに、事業計画の前提となっている想定為替レートについては、3月調査でも6月調査でも1ドル108年代で極めて安定しており、円安方向への動きも悪くはないんでしょうが、為替の安定は企業の活動計画や見通し立案の際にはそれなりに重要だという気がします。

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続いて、いつもお示ししている設備と雇用のそれぞれの過剰・不足の判断DIのグラフは上の通りです。設備については、後で取り上げる設備投資計画とも併せて見て、設備の過剰感はほぼほぼ払拭されたと考えるべきですし、雇用人員についても不足感が広がっています。特に、雇用人員については規模の小さい中堅企業・中小企業の方が大企業より採用の厳しさがうかがわれ、人手不足幅のマイナスが大きくなっています。テーブルは引用しませんが、6月調査と12月調査だけで実施される新卒採用計画では、2018年度大企業が+5.2%増、中堅企業が+6.0%増、中小企業が+11.8%増と計画しているようです。規模の小さい企業ほど新卒採用に積極的といえますが、大企業でも+5%増の計画なんですから、就活は売り手市場が続きそうです。ただ、調査事項にはないんですが、お給料が上がるかどうかも気にかかるところです。

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最後に、設備投資計画のグラフは上の通りです。今年度2017年度の全規模全産業の設備投資計画は3月調査で異例の▲1.3%減という高い水準で始まったんですが、6月調査では+2.9%増と順調に上積みされています。日銀・QUICKによる市場の事前コンセンサスは大企業ベースで+7.4%増だったところ、実際には+0.8%増だったわけですから、設備投資は期待できそうです。加えて、特に2016年度の大企業の設備投資の実績が、結局、▲2.1%減に終わったようですので、ある程度の2016年度過年度の設備投資の先送り分、というか、積み残し分も発生している可能性があります。この部分がそのまま先送りされる可能性もありますが、今年度2017年度に遅れて実行される可能性もあり、いずれにせよ、設備投資は計画段階では強気に出ているように受け止めています。

先行きについて考えると、まず、日銀の統計ですから、日銀金融政策への影響なんですが、ほとんどないと私は考えています。かなり景況感が上がって来たので、金融政策の方向性としては緩和よりは引締めを主張する向きもあるかもしれませんが、実体経済の物価がここまで目標と乖離している現状では、金融政策が引締め方向に修正される可能性はほぼほぼありません。逆に、景況感が上がって来ている現段階で、金融政策の追加緩和も考えにくいところです。次に、先行きリスクを考えると、日銀短観の景況感の統計としてのクセとして、来期を慎重に見るために先行きの景況感が下がる、というのがあり、国際商品市況における石油をはじめとする資源価格の動向、米国の国内経済や通商政策の動向など、リスクは海外にあるような気もします。でも、都議選の結果などを見れば、国内もリスクはないとはいえないように思えてきました。

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2017年7月 2日 (日)

競り合った試合をモノにしてヤクルトに連勝!

  RHE
ヤクルト000003010 4101
阪  神01000310x 5100

8連敗を昨日でストップし、今日は競った試合をモノにしてヤクルトに連勝でした。
3時過ぎに帰宅した時点で、1-0のリードも6回に逆転され、スクイズを決められたのを見て、ベンチワークの差が大きい気がしたんですが、そのウラにルーキー大山の活躍などで逆転して、ようやく打線に活気が出てきたような気がします。逆転した後は、終盤3イニングズは盤石のリリーフ陣で締めました。

次の横浜戦も、
がんばれタイガース!

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2017年7月 1日 (土)

ルーキー大山選手の決勝スリーランを能見投手と勝ちパターンのリリーフ陣が守って連敗脱出!

  RHE
ヤクルト000100000 151
阪  神00300000x 371

ルーキー大山内野手のプロ初ヒットが決勝スリーランとなり連敗脱出でした。
4時半過ぎに帰宅した時点で、先発能見投手はすでにマウンドを降りていたものの、大山選手のスリーランで3-1とリードしていて、終盤3イニングズは盤石のリリーフ陣が2点差を守り切りました。ただ、打線はまだまだの状態で、チャンスを作れども決定力なく、逆から見ると、ルーキーのスリーラン以外は得点なしなんですから、ツキの変わった今日の試合をきっかけに調子を上げて欲しいものです。

明日は岩貞投手を盛り立てて、
がんばれタイガース!

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今週の読書は中国本を含めて計7冊!

今週の読書は意外と経済書が少なく、教養書や専門書が多くなっています。期待の若手作家による純文学の小説を含めて、以下の通りの計7冊です。

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まず、吉岡桂子『人民元の興亡』(小学館) です。著者は朝日新聞のジャーナリストです。ですから、エコノミストの視点とは違って、かなりマイクロな視点からのルポルタージュと考えるべきです。もちろん、中央銀行関係者や経済学者などへの取材を通じてマクロな視点も確保していますが、少なくとも本書のアドバンテージはマイクロな視点であり、それをクロニクルにつなぎ合わせた人民元の歴史的な推移ということになろうかという気がします。ですから、マクロな金融政策的な視点、成長の加速やインフレの抑制といったトピックはほとんど本書では現れません。もっとも、通貨政策というか、為替政策についてはかなりの程度に政治の延長であり、場合によっては外交や安全保障ともリンクします。ジョージアの米ドルへのペッグなどは典型でしょう。そして、確信はありませんが、私の読後の感想として、本書の著者の意図も中国の通貨である人民元を通じて、中国という国丸ごと、あるいは、その市場をしている中国共産党の過去からの歴史と今後の方向性を考えるひとつのキーワードにしているような気もします。でも、この読み方にはそう大きな自信があるわけではありません。でも、そういった視点で本書を読み解くのも一案だという気がします。その他、歴史的な事実も含めて、いくつかの井戸端会議的に使えるトピックも散見されます。例えば、円や元やドルは「丸い」という意味であると本書にはありますが、実は、ポンドも含めて、これらの通貨単位は重さの単位でもあります。金なり銀なりの貴金属の本位金属の一定の重さをもって通貨単位としている場合が多いからです。また、通貨の記号については、ユーロの€は人工的に作ったものですが、英国のポンド£はともかく、米国のドル$の記号は中南米などでも使われています。私が大使館勤務をしていたころの1990年代前半のチリでも通貨単位ペソに対して$の記号を使っていました。また、東アジアについては、韓国ウォン₩は別として、本書でも指摘されている通り、日本円と人民元は同じ記号¥を使います。コンピュータ用語では、$をダラマークと呼ぶのに対して、¥はエンサインと呼びならわします。私はよく違いが判っていませんでした。でも、こういった記号まで含めて外交や安全保障と少なからぬリンクがありそうな気もします。

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次に、アニー・ジェイコブセン『ペンタゴンの頭脳』(太田出版) です。著者はジャーナリストであり、同じ出版社から邦訳がすでに2冊出ていて、2012年の『エリア51』と2015年の『ナチ科学者を獲得せよ!』です。前者については、私は読んだ記憶があります。日記を確認すると2012年7月に読んでいます。でも、なぜか、このブログの読書感想文ではアップしてありません。それはともかく、本書の英語の原題は Pentagon's Brain であり、2015年の出版です。邦訳タイトルはそのまま直訳だったりします。ということで、本書は第2次大戦後の水爆開発競争から始まります。そうです。我が国の第5福竜丸が被爆したビキニ環礁での水爆実験です。そういった戦後の米ソを中心とする冷戦構造の中で、1957年にいわゆるスプートニク・ショックの激震が走ります。人工衛星であり、何と、我が国を代表する小説家のひとりでもある村上春樹にも『スプートニクの恋人』をいう作品があったりします。本題に戻って、このスプートニク・ショックを一つの契機として、当時のアイゼンハワー大統領により設立されたのが高等研究計画局ARPAであり、その後、国防のDを頭に加えて、現在のDARPAになっています。潤沢な予算を得て、しかも、極秘裏に国防関係の研究を進める組織であり、本書では、ベトナム戦争、1980年代の特にレーガン政権期のスターウォーズ計画、1990年代の湾岸戦争、2001年9月11日のテロからの対テロ戦争、などなど、それぞれの時期を追って時系列的に米国の戦争や国防技術の発展を支えたDARPAの役割について、公開資料やインタビューなどで知り得る限りに詳しく追っています。ただ、その視点はあくまで批判的であり、DARPAの開発になる成果として、例えば、インターネットやGPSなど、平和利用されていて、世界的にも有益な結果をもたらしている研究成果には少し冷たい扱いがなされ、ベトナム戦争の枯葉剤、生物兵器の開発などなど、DARPAが担った戦争利用技術の暗黒面を強調しています。政府とある程度の緊張関係に置かれるべきジャーナリストとしては当然かもしれません。科学者においても、今週の日経新聞の経済教室で軍事研究と大学に関して論評がありましたが、日本学術会議の軍事的安全保障研究に対する結論を私は尊重すべきと考えていますし、そういった観点からも、なかなか有益な読書だった気がします。私のような専門外のエコノミストには、まるでSFの世界のような軍事技術に感じるんですが、こういった軍事技術が実用化されると怖い気もします。それにしても、550ページを超えるすごいボリュームです。

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次に、塚田穂高[編著]『徹底検証日本の右傾化』(筑摩選書) です。現在の内閣による改憲への方向付けだけでなく、国民レベルでもヘイトスピーチや排外主義的な主張が拡大している気がしますが、私のように国家公務員でありながら左派を自任する人間から見て、とても憂慮すべきトレンドであると考えています。この日本の右傾化に対して、徹底検証と銘打ちながら、てんでバラバラな方向を向いた著者21人が各チャプターを担当して編集されています。結果として、包括的に現在の右傾化を分析することには失敗しているとしかいいようがないんですが、チャプターによっては見るべき主張が含まれている論考も少しだけ、ホンの少しだけあったりします。例えば、改憲の直接のターゲットは第9条だとばかり私は思っていましたが、家族にあり方の基本となる第24条も重要であるとか、あるいは、一橋大学の中北教授が自民党の右傾化の原因を探った第5章では、有権者、というか、国民が右傾化しているわけではない、と結論されている点などは、私はとても重要だと受け止めています。特に後者の中北教授のポイントは何を意味しているのかといえば、選挙で支持されているのは右傾化した主張ではなく、景気をよくする自民党の経済政策なのだということは理解しておくべきです。クリントン大統領の選挙キャンペーンのように、"It's the economy, stupid." というわけです。現時点での国民の選択は、右派=好況+改憲、あるいは、左派=不況+護憲、であると、もちろん、極端な議論ですが、こうなっているわけです。そして、国民の多くはコインの裏側が改憲であることは薄々気づいていながら、背に腹は代えられず、改憲に目をつぶって好況を目指す、あるいは、好況を実現している政党を選択しているわけです。東京新聞の大澤真幸による書評で、国民の「消極的な容認」と称されている実態が、実はこれなんだと私は認識しています。ですから、左派は改憲を阻止しようと考えるのであれば、真っ向から改憲反対を訴えるだけでなく、経済政策こそ選挙を闘う上での主戦場であることを正しく認識し、日銀にデフレ的な金融政策を許容したり、財政を引き締めたりするのではなく、現在の安倍政権が実行しているような財政金融政策を旗印に掲げて支持を集めることが必要なのです。ついでながら、本書とは何の関係もないものの、こういった観点に立っている立命館大学の松尾匡教授が『この経済政策が民主主義を救う』で展開した主張に私は全面的に賛同します。

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次に、ジェニファー・ウェルシュ『歴史の逆襲』(朝日新聞出版) です。著者はカナダ出身の国際政治学者であり、現在は欧州大学院教授としてフィレンツェ在住らしいです。英語の原題は The Return of History であり、連戦終了後にフランシス・フクヤマが主導した「歴史の終わり」を念頭に置いて反論することを試みています。すなわち、「歴史の終わり」では、冷戦の終了、というか、ソ連の中央指令型の社会主義経済やそれを基礎とする共産主義の体制が終わりをつげ、世界はすべて自由民主主義の世の中になったことから、世界全体が政治体制の最終形態である自由民主主義となり、戦争やクーデター、あるいは、その基となる対立や分断は生じなくなる、と単純化して語られるわけですが、実はそうではなく、特に最近では対立的な構造で世界を分断するような動きがアチコチに見られる、という論調です。欧米先進国で幅広く観察されるポピュリズムの台頭、特に米国におけるトランプ政権の誕生、加えて、ISをはじめとする武装勢力による虐殺の横行やそれを避けるための大量難民の発生、さらに、冷戦への回帰を思わせるような大国ロシアの登場と周辺国への軍事介入、そして、最後は経済的な不平等の形で国内経済における国民の分断を取り上げています。もちろん、背景となる歴史観にはフクヤマと同じヘーゲル的な弁証法があるんだと思います。ですから、氷河期に対しる間氷期と同じような見方で、現在は一時的に分断が止揚されているだけである、との考えも随所にうかがわれます。中国の歴史みたいです。統一されては分裂し、また統一する、という繰り返しの中国史と同じで、分断されては一体化し、また分断が進む、という中で、フクヤマの指摘した「歴史の終わり」は一時的なステージに過ぎない、との主張のようです。ウーン、判らなくもないし、歴史は終わっていないという点については、私も同じヘーゲル的な弁証法に基づく歴史発展の立場を支持しますので、当然といえば当然なんですが、やや物足りない著作です。細かいことをいえば、例えば、ISなどの大量虐殺について、中世的な虐殺にまでさかのぼらなくても、20世紀のナチスのユダヤ人ホロコーストの蛮行があります。ナチスについて、まったく触れられていないのは理解できません。そして、何よりも私が物足りなく感じたのは、歴史は終わっていない点はいいとして、歴史の逆襲=returnとは人類にとっては進歩なのか、それとも、中世へ逆戻りするような逆行なのか、著者の評価はどうなのだろうか、という疑問です。私が読んだ実感では、ポピュリズムの台頭とか、ISによる蛮行とか、おそらく、著者の考えは、これらは後者の中世に逆戻りしかねない歴史の逆行であり、それを超克して進歩の方向を目指すべきである、というものではないか、と勝手ながら想像しているんですが、ホントにそうでしょうか。歴史が逆襲するとすれば、その歴史の逆襲は歴史の進む方向の逆回転なのでしょうか、それとも、それはそれとして歴史の進歩の方向に位置づけるべきなのでしょうか。そういった議論も欲しかった気がします。今週読んだ本の中で、もっとも印象的だったんですが、それだけに、感想文を長々と書き連ねた一方で、物足りなさも感じてしまいました。

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次に、山田邦紀『軍が警察に勝った日』(現代書館) です。著者はジャーナリストで、本書では1933年6月半ばの正午前に、大阪は天六の交差点で信号無視をした軍服姿の兵隊を警察官が交番に連れ込んで暴行した、というゴー・ストップ事件を掘り下げています。昭和に入って軍隊が幅を利かせるようになった一方で、軍に対しては必ずしも協力的ではない京都や大阪などの関西圏で起こった事件ですが、双方折り合わずに、半年近くも収拾に時間がかかった上に、詳細は非公表ながら全面的に軍の面目で終息しています。すでに中国大陸で戦端が開かれた戦時体制ながら、まだ対米開戦は先の話といった時期に、警察と軍の対立が全面的に軍が有利な状況で終息したわけですので、我が国が戦前の軍国主義化のプロセスの中で、ひとつのターニング・ポイントになった可能性があります。ただ、歴史に興味ある読書子でなければ、この事件は知らない人がほとんどではないかと私は想像しています。もはや100年近い昔の事件ですから、いかに敏腕ジャーナリストとはいえ、当事者はもちろん、目撃者などの関係者にインタビューすることはほぼほぼ不可能となっており、文字記録に当たることにより事件を再現しています。そして、本書でも著者が明記しているように、この事件は軍と警察の双方が声明を出してはメディアが報道するという形で進み、それなりに参照すべき情報は少なくなかった気もします。他方で、引用部分が多過ぎるという印象を持つ読者もいるかもしれません。読んでいて、軍人に違法行為は警察ではなく憲兵が取り締まる、というシステムへの理解が進まないながら、警官も軍人も決して一般庶民から尊敬されているわけではなく、むしろ、エラそうにする煙たい存在と見なされていただろうことが伺えますし、警察ですら軍に対しては「モノ申す」ことが段々と難しくなっていく戦時統制国家の走りのような世相も垣間見えます。なかなか興味深い昭和戦前の歴史書かもしれません。

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次に、国分良成『中国政治からみた日中関係』(岩波現代全書) です。著者は慶応大学の研究者から転じて、現在は防衛大学校長です。という経歴から、読む前にはやや日中関係に関しては中国に批判的なスタンスを想像していたんですが、私の想像が極端だったせいもあるかもしれないものの、まずまず常識的な範囲だったのではないかと思います。そこは岩波書店の刊行物ですから、ゴリゴリの右派的な内容はあり得ないのかもしれません。私にはよく判りません。従来から、私も不思議だったんですが、日中関係については、まあ、日韓関係も似たようなものかもしれませんが、メディアで取り上げられる際には、我が国の政治状況中心的な地動説、というか、要するに、私のようなシロートから見て、総理大臣や重要閣僚などが靖国参拝するかどうかで中国や韓国の態度が変わる、我が国の重要政治家の動きに対応して中国と韓国が受動的に対応する、という報道が多かったような気がする一方で、中国や韓国の国内政治情勢については、少なくとも私の接する報道においては軽視されていたような気がします。もちろん、そんなことはないわけで、国内政治の延長に外交があり、あるいは、もっといえば、平和的な外交の延長に戦争があるといった説もあるようですから、我が国の国内政治だけが日中関係や日韓関係を動かして来たわけではないことは明らかです。そういった観点から、本書では中国の国内政治から日中関係への波及を解説してくれています。特に、天安門事件後の1990年代の悪化した日中関係の中で、江沢民政権がどのような役割を果たしていたかがよく理解できた気がします。我が国と違って、政権交代がなく、トップの個人的な資質次第で独裁的な様相を呈しかねない中国の政治状況、さらに、政党間の政権を争っての政策立案がない代わりに、共産党内の派閥抗争や内部での権力闘争が重要になる中国という国との外交の難しさを感じた気がします。

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最後に、今週の読書唯一の小説で、今村夏子『あひる』(書肆侃侃房) です。著者はデビュー作となる「あたらしい娘」で太宰治賞を受賞し、「こちらあみ子」と改題して他の短編とともに出版した『こちらあみ子』の著作で三島由紀夫賞を受賞し、華々しいデビューを飾ったんですが、その後少し休養期間を置き、本書が昨年出版され、さらに今年『星の子』も出版され、ともに芥川賞候補にノミネートされています。本書は河合隼雄物語賞を受賞しています。ここまで受賞やノミネート歴を上げれば、注目の若手純文学作家ということができようかと思います。なお、『こちらあみ子』はすでに文庫本も出版されており、私も読んでいます。ということで、この作品の表題作の「あひる」は、両親がのりたまという名前のあひるを貰い受けたところから物語が始まり、学校帰りの小学生があひるを見るために家に立ち寄り、主人公の弟が町に出て独立した後の寂しさを紛らわせるため、両親が過剰といえるほどに小学生達をもてなします。おやつやゲームで接待し、また、あひるの具合が悪くなるたびに新しいあひるを連れ帰ったりしていたんですが、3匹目のあひるが死んで埋めたところに通りかかった小さい子から、3匹目のあひるだったことは子供達の間でバレバレだったことが明らかになります。でも、子供達への接待を続ける両親なんですが、町に出ていった弟の奥さんに子供が出来て、一家6人で暮らし始めてめでたしめでたし、というストーリーです。純文学ですのでネタバレを避けようという気も私にはありません。この作品は芥川賞受賞を逃しましたが、小川洋子さんが強く推していたのを記憶しています。文章として表現すべき出来事があり、それを正しい言葉で表現し、淡々としていながら力強く文章がストーリーを紡ぎ出し、登場人物と出来事を正しく伝えています。それでも、読みやすくスムーズに読み進むうちに、何か違和感のようなものを、私のような平々凡々たる人生とは何かが違い、文章として書き留めた上で多くの人に伝えるに足る何かがあることが、とても適切に読み手に伝わります。まさに素晴らしい純文学の作品です。

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