帝国データバンク「天候不順が企業に与える影響調査」の結果やいかに?
とても旧聞に属する話題ですが、9月8日付けで帝国データバンクから「天候不順が企業に与える影響調査」の結果が明らかにされています。東京における2017年8月の日照不足により、東京の家計消費支出は約189億2900万円、平年と比較して▲1.2%減少するとの試算が示されています。まず、帝国データバンクのサイトから結果の概要を3点引用すると以下の通りです。
調査結果 (要旨)
- 東京における2017年8月の日照不足により、東京の家計消費支出は約189億2900万円、平年と比較して1.2%減少すると試算される。飲料やアイスクリームなどの飲食料、住宅設備修繕、宿泊料、理美容サービス・用品の減少が目立つ
- 日照不足による経済波及効果は、全国でマイナス約406億9900万円と試算。産業別では、「対個人サービス」が最も高く、「商業」が続く。地域別では、「関東」が全体の86.5%を占めるものの、「近畿」や「中部」、「東北」など全国にマイナス効果が波及
- 2013年1月~2017年8月の「天候不順」を要因として倒産に至った企業は98社判明。業種別では「卸売業」が構成比41.8%を占め、細分類別では「野菜卸売業」が最多
推計には、総務省統計局の家計調査と国勢調査、さらに、気象庁の地点気象データに加え、経済産業省の地域間産業連関表などを用いた資産となっているようです。帝国データバンクからアップされているpdfの全文リポートからテーブルを引用しつつ簡単に取り上げておきたいと思います。
まず、上のテーブルはリポートから、東京都における家計消費支出への影響 を引用しています。夏の日照時間や気温などの影響を受けたアイスクリームが▲14億3300万円減少したほか、飲料は▲22億4900万円減少したことなどから、「食料」は購入機会増などの影響で増加した項目もあるが▲12億4700万円の減少と試算されています。「住居」も、屋外での日曜大工などに関連する設備修繕・維持への支出が▲90億1500万円減少したと見込まれています。また、宿泊料を含む「教養娯楽」が▲43億4400万円、理美容サービス・用品などへの支出も▲43億2300万円減少したとみられます。
次に、上のテーブルはリポートから、産業別と地域別の全国ベースの経済波及効果 を引用しています。産業別にみると、「対個人サービス」が▲94億8800万円で最も大きなマイナスの影響を受けるとみられるほか、以下、「商業」の▲64億6600万円、「飲食料品製造」の▲36億3400万円、「金属製品製造」の▲30億7500万円、「金融・保険・不動産」の▲30億4700万円などと、マイナスが続いています。個人が長雨により外出を控えることで、関連するサービスや商品への売上減少が、また、気温の低下飲料製造へのマイナスの影響が生じたとの推計結果が示されています。さらに、地域別に波及効果をみると、「関東」が▲351億9600万円のマイナス効果となり、全体の86.5%を占めているのは当然として、以下、「近畿」が▲13億3800万円、「中部」が▲11億9700万円などと、極めて大雑把に、経済規模の順で並んでいる気もします。
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