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2017年11月10日 (金)

来週公表予定の1次QE予想は7四半期連続のプラス成長か?

先週火曜日の鉱工業生産指数(IIP)や雇用統計などで、ほぼ必要な統計が出そろい、来週の11月15日に7~9月期GDP速報1次QEが内閣府より公表される予定となっています。すでに、シンクタンクなどによる1次QE予想が出そろっています。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、web 上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインの欄は私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しています。可能な範囲で、足元の7~9月期以降の景気動向を重視して拾おうとしています。明示的に取り上げているシンクタンクは、テーブルの上から4機関、すなわち、日本総研、大和総研、みずほ総研とニッセイ基礎研なんですが、続く2機関、第一生命経済研と伊藤忠経済研のリポートにも何らかの先行きに関する言及があり、ほとんど1次QE予想だけで終始していたのは三菱系2機関だけでした。いずれにせよ、より詳細な情報にご興味ある向きは一番左列の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、ダウンロード出来たりすると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちにAcrobat Reader がインストールしてあって、別タブが開いてリポートが読めるかもしれません。なお、どうでもいいことながら、前回までリポートがオープンにされていた三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所については、「レポートを閲覧いただくには、当社の口座およびオンライントレードの契約が必要」ということになったらしく、私には利用可能でなくなってしまいました。悪しからず。

機関名実質GDP成長率
(前期比年率)
ヘッドライン
日本総研+0.4%
(+1.6%)
10~12月期を展望すると、国内需要については、高水準の企業収益を背景に、設備投資が底堅く推移するとみられるほか、個人消費も、雇用所得環境の改善や株価の上昇に伴う資産効果などを下支えに、再び緩やかな増加基調に復帰する見込み。輸出も、世界的な設備投資意欲の改善などを背景に、増加基調が続く見通し。新型スマートフォン関連の電子部品の需要動向や、自動車メーカーの不正検査問題が、サプライヤーを含めた企業の生産活動に与える影響などが懸念されるものの、底堅い内外需を背景に、プラス成長となる見込み。
大和総研+0.2%
(+1.0%)
先行きの日本経済は、基調として足下の緩やかな拡大が継続するとみている。個人消費を中心とした内需は一進一退ながら堅調な推移が続くと同時に、世界経済の回復を背景とした外需の拡大が日本経済の成長を支えるだろう。ただし、FedやECBの出口戦略に伴う外需の下振れリスクには警戒が必要である。
みずほ総研+0.2%
(+0.9%)
10~12月期以降を展望すると、海外経済の回復を背景に輸出の増勢が続くとともに、内需も再び増加基調に復することで、日本経済は緩やかな回復基調を維持するとみている。
ニッセイ基礎研+0.4%
(+1.5%)
先行きについては、輸出が底堅さを維持する中、企業収益の改善を背景に設備投資の伸びが高まることが予想される。一方、名目賃金の伸び悩みや物価上昇に伴う実質所得の低迷から家計部門は厳しい状況が続きそうだ。2017年度中は企業部門(輸出+設備投資)が経済成長の中心となる可能性が高い。
第一生命経済研+0.4%
(+1.6%)
4~6月期の段階では、輸出の牽引力が落ちてきた一方で内需の回復力が増してきたとの声も聞かれたが、7~9月期と均してみれば、結局のところ輸出は海外経済の回復を背景に引き続き増加、個人消費は緩やかな持ち直しにとどまるといった形になる。企業部門主導での成長が続いているという評価になるだろう。先行きもこうした構図が続くとみられ、輸出と設備投資を中心にした企業部門主導の景気回復が続くとみられる。
伊藤忠経済研+0.5%
(+2.2%)
今後も輸出は拡大基調を維持し景気回復を後押しする一方、設備投資の拡大は循環的にピークアウトする可能性もあるため、日本経済が回復基調を維持するためには個人消費の復調が不可欠であり、その条件が賃金の十分な上昇である状況に変化はない。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング+0.4%
(+1.5%)
2017年7~9月期の実質GDP成長率は、前期比+0.4%(年率換算+1.5%)と7四半期連続でプラスとなったと見込まれる。景気が持ち直していることを確認する結果となろうが、内需の伸びは弱く、外需主導での成長となった模様である。
三菱総研+0.4%
(+1.6%)
2017年7-9月期の実質GDPは、季節調整済前期比+0.4%(年率+1.6%)と7四半期連続のプラス成長を予測する。前期の反動もあり内需は横ばいにとどまるものの、好調な輸出を背景に外需が増加したと予想する。

ということで、多くのシンクタンクでは7四半期連続のプラス成長と、順調な景気拡大を見込んでいるようです。ただし、成長の牽引役については、今年2017年4~6月期は外需寄与度がほぼほぼゼロの内需主導型の成長を達成した後に、7~9月期では、逆に、内需の寄与度がほぼほぼゼロで外需主導型の経済成長になっているのが特徴的であり、シンクタンクによっては温度差があるんですが、7~9月期の外需主導型成長について批判的なシンクタンクがある一方で、4~6月期と7~9月期をならしてみてOKとするシンクタンクがあるのも確かです。上のテーブルに取り上げたシンクタンクの中でいえば、前者の典型は三菱UFJリサーチ&コンサルティングであり、後者の典型は第一生命経済研です。どちらに重点を置くかについては、エコノミストの考え方次第なんですが、四半期ごとに経済成長の内容を吟味する考え方はそれなりに重要な気もしますが、少しやり過ぎのキライもあるのかもしれません。いずれにせよ、目先の先行きについても緩やかながら回復・拡大基調が継続するという見方が多いように私は受け止めています。ただし、家計の消費は停滞気味であり、企業部門主導の成長が見込まれています。
下のグラフは、いつもお世話になっているニッセイ基礎研のサイトから引用しています。

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