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2017年11月 2日 (木)

消費者態度指数は2か月連続で上昇し基調判断は「持ち直し」へ!

本日、内閣府から10月の消費者態度指数が公表されています。前月から+0.6ポイント上昇し44.5を記録しています。統計作成官庁の内閣府では基調判断を「ほぼ横ばい」から「持ち直している」へ上方修正しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

10月の消費者態度指数、4年1カ月ぶり高水準 株高が貢献
内閣府が2日発表した10月の消費動向調査によると、消費者心理を示す一般世帯の消費者態度指数(季節調整値)は前月比0.6ポイント上昇の44.5だった。上昇は2カ月連続。株価上昇などを受け心理が好転した。前月は0.6ポイント上昇の43.9だった。内閣府は消費者心理の基調判断を前月までの「ほぼ横ばいとなっている」から「持ち直している」へ上方修正した。
10月は日経平均株価が2万円を上回って上昇を続けたなか、資産効果などで消費者の心理が改善した。指数の水準は2013年9月以来4年1カ月ぶりの高さとなった。
指数を構成する意識指標は「暮らし向き」「収入の増え方」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」のすべてが前月を上回った。
1年後の物価見通し(2人以上世帯)については「上昇する」と答えた割合(原数値)は前月より1.3ポイント高い77.5%と3カ月連続で上昇した。「低下する」との見通しは2カ月ぶりに低下し、「変わらない」は横ばいだった。調査基準日は10月15日。調査は全国8400世帯が対象で、有効回答数は5858世帯(回答率69.7%)だった。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、消費者態度指数のグラフは上の通りです。ピンクで示したやや薄い折れ線は訪問調査で実施され、最近時点のより濃い赤の折れ線は郵送調査で実施されています。また、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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消費者態度指数については、先日の鉱工業生産指数と同じで、今年に入ってから隔月で上げ下げを繰り返していたんですが、9月10月と2か月連続で上昇を示しました。統計作成官庁である内閣府が基調判断を上方修正したのも理由のあることです。すなわち、引用した記事にもある通り、指数の水準は2013年9月以来4年1か月振りの水準に達していますし、加えて、消費者態度指数のコンポーネントである「暮らし向き」、「収入の増え方」、「雇用環境」、「耐久消費財の買い時判断」の4項目すべてが前月差でプラスを記録しています。もちろん、コンポーネントごとに温度差はあり、前月差では暮らし向きが+0.5ポイント、収入の増え方が+0.7ポイント、の2項目は標準的な上げ幅であるのに対して、雇用環境が+0.9ポイントと大きく上げた一方で、耐久消費財の買い時判断は+0.1ポイントに終わっています。耐久消費財の買い替えサイクルの復活とそれに伴う価格下落のストップが何らかの影響を及ぼしている可能性はありますが、家計消費の源泉である所得を稼ぎ出す雇用環境に対するマインド向上は評価すべきだという気がします。最後に、報道にある株高の影響は、当然に考えられるんですが、どこまでの寄与があったのか、なかったのか、記者会見で統計作成官庁からのリップサービスだけでは、何ともいえない気がします。

来週あたりに、いくつかのシンクタンクから冬季ボーナスの予想が明らかにされることと思いますが、なかなか強いマインドを背景にボーナスがたんまり出ると消費は活気づきそうな気もします。先日10月20日付けで、ニッセイ基礎研の「中期経済見通し」を取り上げた際にも強調しておいたように、現在の消費の低迷は、家計の節約志向や将来不安に伴う過剰貯蓄ではなく、可処分所得の伸び悩みが原因である、と私は考えています。所得のサポートがあれば、消費はさらに伸びると考えるべきです。

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