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2017年11月22日 (水)

リクルートジョブズによるアルバイト・パートと派遣スタッフ平均時給やいかに?

来週の雇用統計の公表を前に、ごく簡単に、リクルートジョブズによる非正規雇用の時給調査、すなわち、アルバイト・パートと派遣スタッフの募集時平均時給の10月の調査結を見ておきたいと思います。

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ということで、上のグラフを見れば明らかなんですが、アルバイト・パートの平均時給は引き続き2%台で堅調に推移していて、特に10月統計では1,021円と2006年1月の統計開始以来の過去最高水準を記録した一方で、派遣スタッフの平均時給は1年間ややマイナスを記録する月が多く、すなわち、昨年2016年9月から今年2017年8月までの12か月のうち10か月で前年同月比マイナスとなっていましたが、直近のデータでは2017年9月は+2.6%、10月も+2.4%とジャンプアップしています。地域的には、関東、東海、関西で、少なくとも9月統計で大きくジャンプアップし10月統計はプラスながら9月よりは伸び率が縮小、という点で、特に大きな差はありません。でも、9~10月の足元で、東海圏の伸び率が高い一方で、関西圏は低い伸び率にとどまっています。まあ、従来からそうだといえば、そうなんですが、特に9~10月の足元ではこれが目立っている気がします。職種としてはデザイナー、Web関連、編集・制作・校正などのクリエイター系が+3.4%増と特に大きな伸びを示すとともに、医療介護・教育系が▲1.1%減と下げ幅を拡大しています。ボリュームの大きな職種だけに、全体への影響も小さくありません。給与水準が低い一方で求人ボリュームの大きな医療介護系が、全体としての派遣スタッフ給与の足を引っ張っているとの分析もありましたが、地域別、職種別の特徴、というか、格差が拡大したんではないかという見方も成り立つような気がします。

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ついでながら、国際通貨基金(IMF)の今週のグラフ Chart of the Week で高齢化社会において女性の労働参加がさらに必要 Chart of the Week: Women Workers Wanted in Japan とのコラムが取り上げられています。グラフを引用すると上の通りです。高齢化社会への解決策 Solution については "Encourage women to take on more full time work and have children." とされていて、一見して相反するこの2つの解決策、すなわち、フルタイムの職に就くことと子供を持つことは両立して可能である、と結論しています。

最後の最後に賃金や賃上げに関して、ニッセイ基礎研から「目指すべき賃上げ率は4%」と題するリポートが11月20日に出されています。私は、あっけにとられることもなく、あきれた顔をすることもなく、もちろん、苦笑することもなく、まったくその通りであるとほぼほぼ完全に4%に合意します。「ほぼほぼ」をつけたのは、ひょっとしたら、賃金水準が従来のトレンドに追いつくまで5%とか、6%でもいいくらいだと考えているからです。「賃上げの要求水準が低い」というのも、その通りだと思います。

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