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2017年12月21日 (木)

帝国データバンクによる「2018年の景気見通しに対する企業の意識調査」やいかに?

やや旧聞に属する話題かもしれませんが、ちょうど1週間前の先週12月14日付けで、帝国データバンクから「2018年の景気見通しに対する企業の意識調査」の結果が明らかにされています。もちろん、pdfの全文リポートもアップされています。まず、帝国データバンクのサイトから調査結果の概要を4点引用すると以下の通りです。

調査結果
  1. 2017年の景気動向、「回復」局面だったと判断する企業は21.2%となり、前回調査(2016年11月)から15.5ポイント増加。4年ぶりに2割台へ回復。他方、「踊り場」局面とした企業は49.0%と3年ぶりに5割を下回り、「悪化」局面は9.2%と4年ぶりの1ケタ台に減少
  2. 2018年の景気見通し、「回復」を見込む企業は20.3%で、2017年見通し(前回調査11.0%)から増加。「踊り場」局面を見込む企業は前回より増加したものの、「悪化」局面を見込む企業(12.3%)は前回より減少した。景気の先行きについて、1年前より上向いていくと見通す企業が増加している
  3. 2018年景気への懸念材料は「人手不足」(47.9%、前回調査比19.5ポイント増)が最高となり、「原油・素材価格(上昇)」「消費税制」が続いた。特に中東や東アジア情勢などを受けて「地政学リスク」(19.1%)が急増。前回トップだった「米国経済」(14.1%、同27.7ポイント減)は大幅に減少した
  4. 景気回復のために必要な政策、「個人消費拡大策」「所得の増加」が4割台、「個人向け減税」が3割台で、消費関連がトップ3を占めた。次いで「法人向け減税」「年金問題の解決(将来不安の解消)」が続いた。「出産・子育て支援」や「介護問題の解決」を重要施策と捉える企業も2割前後。また、正社員が「不足」している企業では3社に1社が「雇用対策」を求める

ということで、やや冗長ながら、包括的に取りまとめられている印象です。来年の景気見通しについてはエコノミストとしても興味あるところ、図表を引用しつつ簡単に取り上げておきたいと思います。

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まず、上のグラフはリポートから、景気見通しの推移を引用しています。来年の景気見通しはここ2~3年と比較して、景気の「回復局面」との回答の比率が高いのもさることながら、「悪化局面」との回答が極めて少なくなっています。もちろん、地域や業界により差はあるものと思いますが、個別の回答からも、BREXITや日銀総裁の交代、あるいは、人手不足などを懸念材料に上げる意見が見られたものの、大雑把に悪くないと感じている企業が多そうな気がします。

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次に、上のグラフはリポートから、2018年の懸念材料を引用しています。もちろん、懸念材料がないわけではなく、上の2点、すなわち、人手不足と原油・資源価格はよく理解できるところです。3番目の消費税制はまだ先のお話かもしれませんが、4番目の地政学リスクも北朝鮮の動向が不透明なだけに不気味な気もします。昨年時点では5.7%に過ぎなかったわけですから、大きくジャンプしています。他方、米国経済はトランプ政権の政策運営はかなり安定してきた気はしますが、米国連邦準備制度理事会(FED)の利上げについては、私はまだ懸念が残ります。

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最後に、上のグラフはリポートから、今後の景気回復に必要な政策を引用しています。複数回答で40%超を占めているのは、「個人消費拡大策」と「所得の増加」となっています。企業サイドで何を考えているのか、私にはまったくわけが判らなくなりました。4番目の法人減税くらいであれば、政府の専管事項だという気もしますが、企業で賃上げをためらっている中で、政策的に消費を拡大させ、所得を増加させるとの見方は、社会的な存在としての企業の存在理由を危うくしかねません。主流派の経済学で、企業は利潤最大化を目的とする組織体だとされているのは事実かもしれませんが、国民の所得を増加させて消費を喚起させるために、企業として何が出来るか、もっとしっかり考えていただくよう願いたいものです。

ケネディ米国大統領の発言で、1961年1月の就任演説の名文句を以下に引用しておきたいと思います。

"Ask not what your country can do for you; ask what you can do for your country."

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