山中千尋 Monk Studies を聞く!
やや遅ればせながら、山中千尋 Monk Studies を聞きました。容易に想像される通り、セロニアス・モンクの曲をかなり多く取り上げています。アルバムの構成は以下の通りです。なお、最後の10曲目はアルバムのライナーノートには Will Henry Monk の曲とされているんですが、トラディショナル曲なのではないかと思います。
- Heartbreak Hill/Chihiro Yanamaka
- Pannonica/Thelonious Monk
- Nobody Knows - Misterioso/Chihiro Yanamaka - Thelonious Monk
- New Days, New Ways/Chihiro Yanamaka
- In Walked Bud/Thelonious Monk
- Rhythm-a-ning/Thelonious Monk
- Ruby, My Dear/Thelonious Monk
- Criss Cross/Thelonious Monk
- Hackensack/Thelonious Monk
- Abide with Me/Traditional
ということで、ピアノよりもシンセやオルガンやフェンダー・ローズの音色の方が耳に残って印象的だったんですが、山中千尋独自のモンク曲の解釈ではないでしょうか。私はかなりいいセン行っていると思います。少なくとも、ビートルズの曲を演奏していたころよりはずっといいように受け止めています。モンクはピアノ演奏そのものがそうですし、曲についても独特の不協和音的な響きを持っている気がします。マイルスがソロを取っている時はモンクにピアノを弾かないでくれと要求したことは有名でしょう。そういった不協和音的な響きや奇妙な音楽の要素があるのがモンクというピアニスト、あるいは作曲も含めての音楽家なのかもしれません。例えば、大西順子がビレッジ・バンガードでのライブを音源とするアルバムに「ブリリアント・コーナーズ」を収録していますが、まさに、この不協和音的な奇妙なモンクに正面から挑戦していますが、山中千尋は大いに違ったアプローチを取っています。選曲に凝った上に、ピアノではなくかなりエレクトリックな楽器を多用しています。ですから、モンクの音楽も、山中千尋のこのアルバムのモンクの解釈も、いわゆる主流派のモダンジャズではないかもしれませんが、それなりに私には受け入れられるレベルに達しているような気がします。それから、このアルバムは主としてモンクの曲を山中千尋が演奏しているんですが、別のアルバムで、モンクの演奏を山中千尋がコンパイルした、というか、本であれば編集=エディットなんだろうと思いますが、そういったアルバム Retrospection and Introspection も別途出ています。コチラはまだ聞いていませんので、そのうちに取り上げたいと思います。最後にどうでもいいことながら、アルバムのタイトルは Study in Monk ではないんですかね?
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