« 才木投手の初勝利でジャイアンツを3タテ!! | トップページ | 低い失業率と高い有効求人倍率を続ける雇用統計をどう見るか? »

2018年5月28日 (月)

人手不足の影響により上昇幅を拡大した企業向けサービス価格指数!

本日、日銀から4月の企業向けサービス物価指数 (SPPI)が公表されています。前月からやや上昇幅を拡大しつつ前年同月比上昇率で+0.9%を記録しています。プラスの上昇は58か月、すなわち、4年10か月連続です。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

4月の企業向けサービス価格、0.9%上昇 人件費上昇の転嫁進む
日銀が28日発表した4月の企業向けサービス価格指数(2010年平均=100)は104.6と、前年同月比で0.9%上昇した。上昇は58カ月連続で、上昇幅は前月(0.5%上昇)から拡大した。運輸・郵便などで人手不足に伴う人件費上昇分のサービス価格への転嫁が進んでいる。
前月比でも0.1%上昇となった。道路貨物輸送では春の契約価格改定に合わせ、運転手不足によるコスト上昇に対応した値上げが進んだ。原油高による燃料価格の上昇で、外航貨物輸送の価格も上がった。
システムエンジニア(SE)など専門職の人手不足に伴い、ソフトウエア開発や営業など労働者派遣サービスの価格も上昇している。
企業向けサービス価格指数は輸送や通信など企業間で取引するサービスの価格水準を総合的に示す。対象147品目のうち、前年比で価格が上昇したのは81品目、下落は29品目だった。上昇から下落の品目を引いた差は52品目だった。
日銀の調査統計局は「人手不足による価格転嫁は昨春より活発になっている」としている。

いつもながら、包括的にによく取りまとめられた記事だという気がします。企業向けサービス物価指数(SPPI)上昇率のグラフは以下の通りです。サービス物価(SPPI)上昇率とともに、企業物価(PPI)上昇率もプロットしてあります。なお、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

photo

4月のSPPIの前年同月比上昇率は3月の+0.5%から+0.9%にかなり大きく上昇幅を拡大しています。制度的な要因として、年度初めの4月にいくつかの値上げが実行されたことが容易に想像できます。4月指数では大分類7項目のうち、前年同月比でマイナスを記録したリース・レンタルと広告、さらに、前年比保合いだった情報通信を除いて、4項目でプラスとなっていて、プラス幅の大きい順で並べると、運輸・郵便、諸サービス、不動産、金融・保険、となります。さらに少し細かく見て、諸サービスの中でも前年同月比上昇率が大きいのが+3.1%の警備と+2.8%の職業紹介サービスであり、大分類の運輸・郵便も明らかなように、人手不足の影響が色濃く伺えます。上のグラフを見ても理解できる通り、財貨の価格であるPPIはゆっくりとプラスながらその上昇幅を縮小させている一方で、サービスについてはかなり強含みで推移しており、特に、この4月の年度替わりの価格改定期に値上げが浸透した、といえそうです。少子高齢化の流れに沿って、人手不足はトレンドとして厳しさを増すと考えられますので、SPPIの+1%近い上昇率については、控えめにいっても大きく縮小することはないものと私は考えています。

|

« 才木投手の初勝利でジャイアンツを3タテ!! | トップページ | 低い失業率と高い有効求人倍率を続ける雇用統計をどう見るか? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 人手不足の影響により上昇幅を拡大した企業向けサービス価格指数!:

« 才木投手の初勝利でジャイアンツを3タテ!! | トップページ | 低い失業率と高い有効求人倍率を続ける雇用統計をどう見るか? »