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2018年6月 4日 (月)

下方改定か、上方改定か、2次QE予想やいかに?

先週木曜日6月1日の法人企業統計をはじめとして、ほぼ必要な統計が出そろい、今週金曜日の6月8日に昨年2018年1~3月期GDP速報2次QEが内閣府より公表される予定となっています。すでに、シンクタンクなどによる2次QE予想が出そろっています。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、web 上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインの欄は私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しています。可能な範囲で、足元の4~6月期から2018年の景気動向を重視して拾おうとしています。しかしながら、何分、2次QEですので、法人企業統計のオマケの扱いだったりして、明示的に先行き経済を取り上げているシンクタンクはみずほ総研と伊藤忠経済研だけでした。この2機関のリポートだけは長めに引用しています。他機関のリポートについてもより詳細な情報にご興味ある向きは一番左列の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、ダウンロード出来たりすると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちにAcrobat Reader がインストールしてあって、別タブが開いてリポートが読めるかもしれません。

機関名実質GDP成長率
(前期比年率)
ヘッドライン
内閣府1次QE▲0.2%
(▲0.6%)
n.a.
日本総研▲0.2%
(▲0.7%)
1~3月期の実質GDP(2次QE)は、設備投資は上方修正となる一方、公共投資、在庫変動は下方修正となる見込み。その結果、成長率は前期比年率▲0.7%(前期比▲0.2%)と1次QE(前期比年率▲0.6%、前期比▲0.2%)から小幅下方修正される見込み。
大和総研▲0.1%
(▲0.3%)
1-3月期GDP二次速報(6月8日公表予定)では、実質GDP 成長率が前期比年率▲0.3%(一次速報: 同▲0.6%)と、一次速報から僅かに上方修正されると予想する。基礎統計の直近値の反映により公共投資がマイナスに転じる一方、需要側統計の法人企業統計の結果を受けて、設備投資は上方修正されて前期比横ばいになる見込みだ。
みずほ総研▲0.2%
(▲0.7%)
発表された4月の各種経済指標をみると、4~6月期の景気は緩やかな回復基調に復する期待が高まる結果となった。実質小売販売(モズ保総研による試算値)は、生鮮食品価格の高騰一服などにより大きく増加した。失業率や有効求人倍率などの雇用関連指標も総じて良好な状態を維持しており、個人消費は今後、回復に向かう可能性が高い。外需をみると、4月の輸出数量指数は自動車を中心に4カ月ぶりの上昇に転じた。世界経済が回復傾向を辿る中で、輸出も堅調さを取り戻すだろう。
ニッセイ基礎研+0.1%
(+0.2%)
6/8公表予定の18年1-3月期GDP2次速報では、実質GDPが前期比0.1%(前期比年率0.2%)となり、1次速報の前期比▲0.2%(前期比年率▲0.6%)から上方修正されると予測する。設備投資、民間在庫変動、民間消費、公的固定資本形成がいずれも上方修正されるだろう。
第一生命経済研▲0.0%
(▲0.1%)
6月8日に内閣府から公表される2018年1-3月期実質GDP(2次速報)を前期比年率▲0.1%(前期比▲0.0%)と予想する。設備投資の上方修正を主因として、GDP成長率は1次速報の前期比年率▲0.6%から上方修正されるだろう。
伊藤忠経済研▲0.0%
(▲0.1%)
この修正の通り上方修正されたとしても、1~3月期のGDPは概ね横ばいにとどまり、景気が2018年に入り一旦踊り場を迎えたという判断は変わらない。そのため、潜在成長率とされる年率+1.1%程度をも当然に下回り、日本経済はデフレ脱却に向けて足踏みしたことになる。
そして、3月以降は輸出や個人消費の関連指標が改善し、設備投資も先行指標が拡大の継続を示唆していることから、景気は再び拡大に向かい、足元ではデフレ脱却に向けた歩みを再開しているという判断を変える必要もないだろう。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング▲0.1%
(▲0.4%)
6月8日に内閣府から公表される2018年1~3月期の実質GDP成長率(2次速報値)は、前期比▲0.1%(年率換算▲0.4%)と1次速報値の同▲0.2%(同▲0.6%)からわずかに上方修正されるが、マイナス成長自体に変更はない見込みである。景気回復が続く中においても、一時的にスピード調整の動きが入ったことが改めて示されるであろう。
三菱総研+0.0%
(+0.1%)
2018年1-3月期の実質GDP成長率は、季調済前期比+0.0%(年率+0.1%)と、1次速報値(同▲0.2%(年率▲0.6%))から上方修正を予測する。

私自身はエコノミストとして、法人企業統計その他の情報から、1~3月期2次QEは上方改定されると考えています。しかし、プラス成長にまで達するくらいの上方改定か、それとも、マイナス成長のままの上方改定かについては自信がありません。直観的にも判りません。また、上のテーブルを見ても、シンクタンクの間でも見方は分かれているようです。ただ、1次QEから改定幅は大きくなく、ほぼ横ばいのゼロ成長であろう、という点についてはエコノミストの間でも緩やかなコンセンサスがありそうです。なお、もしもマイナス成長であれば、2015年10~12月期以来となり、9四半期ぶりです。8四半期、丸々2年間もプラス成長が継続し、みずほ総研や伊藤忠経済研の見方のように、4~6月期の景気は緩やかな回復基調に復する期待が大きいとすれば、やっぱり、日本経済は決して悪くないと考えるべきです。
最後に、下のグラフはみずほ総研のリポートから引用しています。

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